▼ 走りのリズムは“脳内ジュークボックス”が刻んでいた。金メダリスト・野口みずきが今度は「DJみずき」としてランナーの背中を押す
「脳内で音がするんです。『ガシャーン、ガシャーン』って。アームが動いてレコードがセットされるような音がするんです」
かつてアテネの風となり、金メダルを日本にもたらした野口みずきさん。彼女の驚異的な走りを支えていたのは、レース中、頭の中で鳴り響いていた“脳内ジュークボックス”だった。
「自分の中のテンポと音楽がシンクロすると、どんどんいい走りに戻ってくる」——。
そう語る彼女にとって、音楽は単なるBGMではない。心臓の鼓動とリンクし、走り続けるための「エネルギー」そのものだという。
2026年1月25日(日)に開催される「第45回 大阪国際女子マラソン」。 今大会の放送解説(第1移動車)を務める野口さんが、そのあふれんばかりの音楽愛を爆発させ、「DJみずき」としてCM前の選曲を担当することが決定した。
「マラソンは長い。その中で音楽が入ってくると、リズム感も良くなるし、苦しい時の助けになる」
現役時代、ストイックに世界と戦った彼女が、今度は音楽の力でランナーたちの背中を押す。本リリースでは、野口さんが選んだ曲の中から4曲を先行公開、ヒップホップ愛が炸裂(さくれつ)したインタビューと共にお届けする。
▼ おばあちゃんになってもヒップホップ宣言!「DJみずき」カンテレに降臨
選曲打ち合わせの日、カンテレ本社に現れた野口さんの姿に、スタッフ一同は度肝を抜かれた。
テクノユニット「電気グルーヴ」のロゴTシャツの上に、紫色のテラテラでバチバチにイカしたスカジャンを羽織り、手には自前のDJコントローラーを持参。まさに「DJみずき」の戦闘服での登場だった。
「おばあちゃんになってもヒップホップを聴いていたい。一生DJターンテーブルを回し続けたい」と語る野口さん。
その選曲は、単なるBGM選びの域を超え、ランナーの気持ちとシンクロする「魂のセットリスト」となった。
▼ 先行公開!DJみずき厳選・魂の4曲
野口さんが「今の選手たちが大阪国際を走る姿をイメージ」して選んだ楽曲の中から、4曲を先行して紹介する。
1.Believer(ビリーヴァー) / Imagine Dragons(イマジン・ドラゴンズ)
力強いドラムビートと圧倒的なボーカルが特徴的な、アメリカのロックバンド「イマジン・ドラゴンズ」の世界的ヒットナンバー。困難や痛みを糧に前進する不屈の精神を歌い上げており、闘争心をかき立てる、勇気をくれる名曲。
【DJみずき’s Comment】
「これはもう、映画の“ファイトクラブ”みたいな感じで“やるぞ!”と気持ちが高ぶる曲ですよね。“カァァァ!”って。サビに入るとき、『グワァァァァン!』って気持ちが押される感じ、サビが最高にいいですよね、たまんないです。歌詞もそうだし、タイトルも選手たちの気持ちにちょうど合うなって思います。この曲を聴いた選手が自分自身を信じて奮い立たせる感じをイメージしました」
2.High Hopes(ハイ・ホープス) / Panic! At The Disco(パニック!アット・ザ・ディスコ)
華やかなブラスサウンドと突き抜けるようなハイトーンボイスが印象的な一曲。どんな状況でも高い志(High Hopes)を持ち続けることの大切さを歌った、聴くだけで前向きになれるポジティブなエネルギーに満ちている。
【DJみずき’s Comment】
「この曲は、もうまさに“大阪国際女子マラソン”のイメージにぴったりですよ。あきらめずに目標を達成するために、“希望”を持ってゴールするんだ!って背中を押してくれる」
「歌詞の途中で母親が出てきて“あきらめるな!”って伝えてくれるんです。これはぜひかけてほしい曲ですね。ランナーにぴったり、スポーツ選手にぴったりな曲だと思います」
3.Champion(チャンピオン)/ Kanye West(カニエ・ウェスト)
カニエ・ウェスト初期の傑作。ソウルフルな歌声と軽快なビートが融合し、聴く者を高揚させる。タイトル通り、勝者や挑戦者を称えるのにふさわしい、輝きと高揚感にあふれたヒップホップ・チューン。
【DJみずき’s Comment】
「とにかくこの曲のテンポが大好き!タイトルも“チャンピオン”で大会にぴったりですよね。終盤の“トゥン、トゥ、トゥン…チャンピオン”“ハンズアップ”というフレーズの流れがたまらないんです」
「私はミドルスクール・ヒップホップが大好きで、ビースティ・ボーイズのようなノリも好みなのですが、この曲はまさにそのド真ん中。聴いているだけで気分が上がります」
「カニエだと“タッチ・ザ・スカイ”もまさに、2005年ベルリン・マラソンで当時、日本記録を出したときに頭の中で聴いていた曲です。音楽があったから、アドレナリンも出ましたね」
4.F**kin’ Perfect / P!nk(ピンク)
アメリカのシンガーソングライター“世界の歌姫”P!nkが放つ、魂のメッセージ・ソング。過ちや挫折を経験したとしても「あなたは今のままで完璧(Perfect)」だと力強く肯定する。ドラマチックなメロディーラインが、困難に立ち向かう全ての人々の胸を打つ応援歌。
【DJみずき’s Comment】
「この曲は、私が現役時代ケガしている最中にちょうど流行(はや)っていた曲で、挫折を乗り越えて立ち上がるっていう感じがいいんです。もうこのメロディーラインがたまらない、すっごく素晴らしい!ほんとにドラマチックな曲」
「沈んでいたところから“さぁやり直すぞ!”っていう感じのメロディーラインがとってもかっこいい。走っているときに脳内再生したら胸が熱くなってくるんですよ。今の選手たち、彼女たちが大阪国際を走る姿をイメージしながら選びました」
「まさにこの曲は、きっと思い悩んだ時期もあったし、しんどい時もあったけど、ここ大阪で走ってるぞー!みたいな気持ちが詰まっています。この曲をかけるとしたら後半ですかね」
「DJみずき」のセットリストはこれだけではない。音楽愛が炸裂(さくれつ)した約20曲が、出番を今か今かと待っている。当日の放送で、彼女はどの曲をドロップするのか? 魂の選曲をチェケラ!!
▼野口みずきさん スペシャルインタビュー
■「脳内で『ガシャーン!』とレコードが切り替わる」アテネの激走を支えた“脳内ジュークボックス”
選曲を終えた野口さんに、ランニングと音楽の関係、そして自身の「脳内ジュークボックス」について聞いた。
——現役時代、レース中に音楽が頭の中で流れていたのですか?
「そうですね。脳内でジュークボックスみたいに、“ガシャーン、ガシャーン!”って。アームが動いてレコードがセットされるような、そんな音がするんです」
野口さんは身振り手振りを交え、楽しげなオノマトペでその瞬間を表現する。
「感覚的に脳内に音楽が降りてくるんですよ。私が頭の中で流していたのは、MTVやBillboardで上位をとっていたその当時流行っていた曲です。ヒップホップ、R&B、EDMとか、その辺なんでも流していましたね」
——走るテンポにヒップホップは合うんですか?
「“私はヒップホップが好きで、走っている途中に聴くのは、ヒップホップが多いです”って言うと、みんなに“えぇ、走るテンポにヒップホップは合わなくないですか?”って驚かれるんですけど、意外と合うんですよ。私のテンポとヒップホップが」
「リズムは取りにくいかもしれないけど、自分のテンポに合ったものをこうやって流すと、走りもどんどんいいテンポに戻ってくるみたいな感じですね」
——金メダルを獲得したアテネ五輪では何が流れていましたか?
「何キロ地点で決めていたわけではなくて、ほんとに感覚的に、勝手に頭の中で音楽が流れていたって感じですね。アテネの時はJoe Budden(ジョー・バドゥン)の“Pump It Up(パンプ・イット・アップ)”と、Lenny Kravitz(レニー・クラヴィッツ)の“California(カリフォルニア)”とか、あと、サザンオールスターズの“君こそスターだ”ですね」
「レース後半、Joe Buddenの“Pump It Up”が流れて“行くYo!ノッてくYo”みたいな感じで走ってましたね」
——選曲リストには入っていませんでしたが、迷った曲はありましたか?
「ロックを入れてもいいかなとは思っていて、カサビアンの“Club Foot(クラブ・フット)”。これはよく、スペインとかイギリスでサッカーの試合の入場曲に使われていたと思います」
「(スタッフに)この曲やっぱりお願いします。絶対入れてください(笑)。もう、ほんとにかっこいい。やっぱり走っていたらかっこいいと思われたいじゃないですか。そんな妄想を抱きながら頭の中でかける曲ですよね」
——他に選曲で迷った曲はありますか?
「Lupe Fiasco(ルーペ・フィアスコ)の“The Show Goes On(ザ・ショー・ゴーズ・オン)”ですね、これも結構好きなんですよね。ドラマチックな感じ。熱いものがあふれてくるような感じ。私のSHOWが始まるぜと」
■ 本当は「ゴリゴリのギャングスタ・ラップ」をかけたかった!?
インタビューが進むにつれ、野口さんのディープなヒップホップ愛があふれ出る場面も。
——N.W.Aなど、ギャングスタ・ラップもお好きですよね?
「好きですね、やっぱり昔の方が好きですね。もうね、私自身だけが走るんだったら、ゴリゴリのヒップホップをかけるんですよ。でも、今回は現役選手たちのために選びました、自分の感覚とは切り離して。そこも書いてくださいますか(笑)」
「 自分は、ゴリゴリのヒップホップをかけてガンガン走るけど、彼女たちの走っているイメージを想像して、選曲しました。ほんとは、KRS-Oneとか、アイス・キューブとか、50 Centとか、モブ・ディープとか、そのあたりをかけたいですね(笑)」
「ただ、自分は走らないので、ギャングスタ・ラップとかゴリゴリのヒップホップは自重しました。モブ・ディープは、“Put 'Em in Their Place(プット・エム・イン・ゼア・プレイス)”とかめっちゃかっこいいんですよ」
——初めて衝撃を受けたヒップホップは?
「アイス・キューブですね。やっぱりほんとはギャングスタ・ラップを流したいという気持ちはあります(笑)」
——ギャングスタ・ラップをはじめ、ヒップホップに心ひかれるのは、なぜですか?
やっぱり逆境を乗り越えていくところ。恵まれない環境から、どん底から這(は)い上がって、成功していく。ラッパーの一生ってかっこいいなって感じですね。
■ 「NO MUSIC NO LIFE」
最後に、野口さんにとっての音楽、そして視聴者へのメッセージを聞いた。
——野口みずきさんにとって音楽とは。
「“NO MUSIC NO LIFE(ノーミュージック、ノーライフ)”。父親が音楽好きで、レコードもよく部屋でかけていて。姉も好きでしたねぇ。もう、幼いころからずーっと音楽が常に隣にいたんですよ。音楽は私の人生においてなくてはならないものだと思っていますね」
「選手時代は、こっそりと、あまり公にせずヒップホップを聴いていたというか、あんまりそこが目立たなかったですけどね。引退して、色々な媒体で“ヒップホップが好きなんです”と話していたら、“おぉ!面白いですね”と言われるようになって」
「そこから道が広がったので、まさかDJができるなんて思ってなかったです。ほんとに人生何があるかわからないですよね」
——視聴者に向けてメッセージを。
「マラソンって長いこと走るスポーツですよね、その中でやっぱり音楽が入ってくると、より、リズム感も良くなるし、苦しいところでそれが助けになることもあるんです。そういったところを、見ている視聴者の方にも感じてほしいです。音楽でも楽しんでもらいたい」
「いつもだったら、テレビ中継はテーマ曲1曲でCMに入ってという感じだったと思うんですけど、その曲が色々あると面白いですよね。なので、“次は何の曲だろう?”って予想しながら、大阪国際女子マラソンを見てもらえたらうれしいです」
「私が選んだ曲についても、この曲がランニングに合っていると、単純に決まっているものでは全くなくて、走り方や、呼吸の仕方と同じように、人それぞれ、ランニングに合う曲は違うと思うので、“野口さんの選んだ曲もいいけど、私はこっちの曲かな”みたいに考えながら、楽しんでいただきたいです」
▼金メダリストがラップで絶叫!? DJみずきの「マラソンあるある」YouTubeで同時解禁
本リリースの解禁にあわせて、“DJみずき”のスピンオフ企画「マラソンあるある」動画も大阪国際女子マラソン公式YouTubeで公開!「月間1370km走破」という伝説級のエピソードから、ラストの即興ラップまで、金メダリストの常識を覆すハイテンションな3ネタは必見。
テレビでは見られない“バイブス全開”の野口みずきさんを要チェケラ!
≪番組情報≫
■タイトル
『奥村組スポーツスペシャル 第45回大阪国際女子マラソン』
■放送日時
2026年1月25日(日)正午~午後2時55分
カンテレ・フジテレビ系全国ネット/TVer フジテレビ系リアルタイム配信 ※配信では、野口みずきさんが選曲した曲が流れない可能性があります
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