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ナンで夫婦は元に戻れる?田村(松倉海斗)マジで真剣な発想

2025.05.27

ナンで夫婦は元に戻れる?田村(松倉海斗)マジで真剣な発想

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実 第9話レビュー

前回のラストで吐き気をもよおしたなつめ(伊原六花)。クリニックを受診すると、なんと妊娠していたことが判明します。これまで全然気がつかなかった……ということは、事故に遭ったときにはすでに妊娠していた、ということでしょうか。

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実
なつめ(伊原六花)

以前は、子どもが欲しい気持ちが先走る幹太(伊野尾 慧)への愚痴をこぼしていたなつめですが、いざ妊娠が判明すると、やっぱりどこかうれしそう。ただ気がかりなのは、別の世界を生きる幹太に妊娠を知らせるかどうか……。ずっと子どもを欲しがっていた幹太だからこそ、死んでしまったなつめのおなかに赤ちゃんがいたと知ったら、もう一度苦しめてしまうことになるとなつめは悩みます。それにミックスが終わって別々の世界を生きるとしたら、幹太には伝えるべきじゃないかもしれない、と。

そんななつめの気持ちをつゆほども知らない田村(松倉海斗)が、その夜「おもしろいこと、思いついた」となつめの家を訪れます。ミックスのことを解明しようと調べていた田村は、インドのパラレラー夫婦の夫がアジャンターという村を訪れた5年後に夫婦が元に戻ったらしい、と言うのです。田村は“インド”をヒントにミックスを延ばす方法を思いついた、とリュックからナンを取り出します。まさかの“ナン”。「えっナンで!?」とミョ〜な駄じゃれを思いついたのは私だけじゃないはずです。田村は、ミックスのトリガーであるトースターでナンを焼いたらミックスが延びるかも、と、トースターにナンをおしこもうとします。田村の突拍子もないアイデアと、本気で信じていそうな顔に、思わず笑ってしまいました。

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実
右:田村(松倉海斗)

でもそんな場面でも、なつめは心ここにあらず、といった様子。幹太を気遣って、妊娠のことを言い出せず、1人で抱え込んでいるようです。

元気がないなつめを心配して莉子(齊藤なぎさ)が食事に誘います。ところが2人が入った店にはなんと莉子の知り合いらしき男性2人が待ち構えていました。莉子がなつめに気分転換してもらおうとセッティングした食事会だったようです。なつめの夫が亡くなったことを知らない男性たちは、結婚歴があるというなつめに興味津々。シングルになった理由をさぐり、「結婚したら違ったんじゃないかな。夫婦っていっても結局は他人だし」と勝手に憶測します。その男性の言葉に反応したなつめは、「だんなのこと、今も大好き」と本音をぶちまけました。あっけにとられる男性たちに「ぶつかって、倒れて起きてまたぶつかって…ってしてたら他人じゃなくなるの。(私たちは)無敵の2人」とまくしたてます。

その本心を聞いた莉子は、なつめを連れて店を出て「気分転換はいらなかったですね」と声をかけました。「前は愚痴を聞かされることが多くて心配だったけど、幹太さんのこと大好きなんですね」と莉子。ミックスのことを知らない莉子は、大事な先輩であるなつめのことを元気づけたいと思ったのでしょう。莉子の優しさを感じたし、なつめが自分の本心を再確認するきっかけにもなったんじゃないでしょうか。

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実
左:なつめ(伊原六花)
右:莉子(齊藤なぎさ)

その日のミックスで、なつめは幹太に妊娠を打ち明けました。このとき「どんなときもなつめには俺がついてる、だから安心して」と言った幹太の表情、とてもすてきでしたね。こんなふうに見つめられたら、夫婦だとしてもまた恋しそうです。それに幹太は、前よりもしっかりした感じというか、頼れる雰囲気になった気もします。

赤ちゃんができたことを笑顔で喜ぶ幹太ですが、なつめは「そっちの世界で赤ちゃんを守れなくてごめんなさい」と涙します。幹太の世界には、もうなつめも赤ちゃんもいない……。幹太もその現実に気づき、一瞬悲しい表情に。それでも「なんとしてでも乗り越えよう、俺たち家族で」と涙をこぼしながらなつめに約束します。2人の愛情が伝わる切ないシーンでした。

ところが、ミックスに再び異変が。お互いの姿が見えなくなり、トースターから不穏な黒い煙が立ち上がったのです。そして、翌日。幹太が妊娠を祝うケーキを用意して待っていたのに、ミックスは起こりませんでした。やっぱりミックスは終わってしまうのでしょうか……? 

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実
幹太(伊野尾慧)

文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。子育て系やエンタメ系記事の取材・ライティングを行う。
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