林遣都が挑むものとは?
2023.09.03
そして照れくさそうに遠慮がちだけれども、きちんと伝わったのかこちらの瞳の奥を見据える。表情の奥に北野武さんが透けて見えるのは気のせいなのだろうか。
9月1日(金)、林遣都さんが音楽劇『浅草キッド』のプロモーションでカンテレ本社に来局しました。
「円さんや羽野さん、谷元さん(アナウンサー)に気を遣っていただき、八光さんや銀シャリさんにも優しく迎えていただきうれしかったです」と。
タクシー移動を含む取材や出演をいくつか終え、午後にはカンテレ近くのFM802・FM COCOLOへ移動して、ラジオの生出演と収録に。
加美さんは本番後に「林遣都さん演じる主人公(北野武)がビートたけしとなるまで、未だ見えない光を探し苦悶する儚き青春。福原充則さんの演出による昭和の浅草臭の中で、醸し出す人間の物語がどのように重なり生まれるのか⁉︎ それに音楽劇として出会うこと。今から楽しみで仕方がありません」と感想を述べられました。
たけしさんを演じるプレッシャーはもう乗り越えています。今はたけしさんを演じられる喜びや脚本・演出の福原充則さんや共演の山本耕史さんたちと一緒に作っていることの楽しさが上回っています。
―若い時と現在のたけしさんの違いはどのように感じていますか?
若い時に誰しもが持つ将来への不安だったり、何をやったらいいのかわからなかったり、何者でもない時代のたけしさんのお話が「浅草キッド」に書かれています。テレビの中の“お笑い”のたけしさんからはなかなか見えてこないですが、若いころから変わっていない部分があるのじゃないかと感じています。シャイで繊細な方だと思いますが、間違いなく若いころから肝が据わっていた。生まれ育った環境やどういう学生時代を過ごしていたのか、たけしさんに影響を及ぼしたもの、本質的なところを探して自分に落とし込めたらなと思っています。
―たけしさんに寄せていくことはありますか?
早い段階で、真似をしたら逆にたけしさんから遠のいてしまうと思いました。目指しているところは、見た目はかけ離れているのだけれど、たけしさんが垣間見られたり、「あ、若いころはそうだったんじゃないかな」とお客様に思ってもらえることです。
―エンタテインメントとしてどんなところが面白くなりそうですか?
いろんなジャンルの音楽をオリジナルで制作し、生演奏します。そこに浅草の人物たちの感情を乗せていきます。曲によってはライブを楽しむ感じでいいのかなというものもあり、タップダンスはなかなかの難易度ものなので、純粋にエンタテインメントとして楽しいです。
タップは自信がないですし、初めての経験も多いのでどうなるのか想像がつかないけれど、自分自身が脚本を読んで音楽を聴いて先生のタップを間近で見て感動して…。最初に僕が抱いた感情をしっかりとお客様に感じてもらえるよう努めないと、と思っています。
タップの振付け稽古はこれから本格的になるのですが、これができたらちょっとお客様をびっくりさせることができるんじゃないかと思うので、「これを見ただけでも良かった」と思ってもらえるように、覚悟を決めて残り1か月はしっかりと稽古を積みたいです。
本当に忙しい一日だったのでちっとも大阪らしいところを経験できかったのではないかと思いきや、「カンテレとラジオ局の間をタクシーで移動したんですが、運転手さんが『個人的にやっているサービスなんですけれど、飴ちゃんどーぞ』みたいなことがありました。大阪ではよくあるのですか?うれしかったです」ですって。
タクシーの運転手さん、ナイスフォロー!ありがとうございました。
本番まであと1か月。林遣都さんがたどりついた「北野武」が早く見たいですね。
公演概要
【大阪】10月30日(月)~11月5日(日)/新歌舞伎座
【名古屋】11月25日(土)・26日(日)/愛知県芸術劇場 大ホール
※各公演チケット販売中
カンテレIDにログインまたは新規登録して
コメントに参加しよう