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全国の鬼が奈良に集結!良い鬼へと改心の節分会「鬼火の祭典」

2025.01.21

全国の鬼が奈良に集結!良い鬼へと改心の節分会「鬼火の祭典」
「鬼は外、福は内」、もうじき節分の季節がやってきます。ところで、節分で豆をまかれて追い出された鬼は一体どこへ行くのでしょうか?

奈良・吉野山の金峯山寺(きんぷせんじ/奈良県吉野町)では、「福は内、鬼も内」と唱え、全国から追われてきた鬼を迎え入れて、「鬼の調伏式(ちょうぶくしき)」で経典や法力の功徳により、“良い鬼”に改心させる全国でも珍しい節分会(せつぶんえ)『鬼火の祭典』がおこなわれています。

さらに、吉野山では、同寺の節分会にあわせ、より一層盛り上げようと、1月25日~2月2日の期間で、「鬼火の祭典キャンペーン2025 in吉野山」を開催。吉野山中が鬼だらけになり、鬼スッキリするイベントなので、いつもとはひと味違う節分を体験したい人におススメです。

1000年以上続く世界遺産・吉野「金峯山寺」の節分会『鬼火の祭典』とは?

(画像提供:吉野山観光協会)金峯山寺と鬼/鬼火の祭典キャンペーン2025 in吉野山

2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として、世界遺産登録された吉野大峯エリア。昨年(2024年)、20周年のメモリアルイヤーを迎えました。世界遺産の構成資産のひとつである金峯山寺は、修験道の開祖である役小角(えんのおづぬ)が開いた修験道の総本山として知られています。

同寺の節分会『鬼火の祭典』は、約1300年前、役行者(役小角)が奈良の生駒山中で鬼の夫婦(前鬼・後鬼)に仏法を説き、改心させて弟子にしたという故事に由来し、1000年以上続いている伝統行事です。

鬼も内!良い鬼へと改心するユニークな「鬼の調伏式」

金峯山寺の蔵王堂で行われる「鬼の調伏式」は、他の寺院とは異なりとてもユニーク。

(画像提供:吉野山観光協会)/鬼火の祭典キャンペーン2025 in吉野山

「福は内、鬼も内」と唱え、全国から追われてきた鬼を迎え入れた後、 荒れ狂う鬼たちに経典の功徳や法力、信徒のまく豆で「良い鬼」に改心させます。

(画像提供:吉野山観光協会)/鬼火の祭典キャンペーン2025 in吉野山

堂内での法要後、「採灯大護摩供(さいとうおおごまく)」が修され、大護摩のまわりを改心した鬼たちが喜びながら踊る「鬼踊り」は迫力満点です。


《金峯山寺節分会 「鬼火の祭典」情報》
2025年2月2日(日)
・11時頃~ 星供秘法、鬼踊り、鬼の調伏式
・12時頃~ 採灯大護摩供厳修
・13時頃~ 福豆まき(豪華景品)

良い鬼さんと一緒に触れ合おう「鬼火の祭典キャンペーン2025 in吉野山」

(画像提供:吉野山観光協会)/鬼火の祭典キャンペーン2025 in吉野山

「吉野山・金峯山寺に集まった鬼は、鬼の調伏式で心の優しい鬼となって皆さまと楽しく触れ合っています。ぜひ、一緒にお楽しみください」と吉野山観光協会の担当者。

(画像提供:吉野山観光協会)/鬼火の祭典キャンペーン2025 in吉野山

「鬼火の祭典キャンペーン2025 in吉野山」では、「鬼の宿泊プラン」(1月25日、2月1日宿泊)を利用すると、鬼が各宿泊施設をまわり、宿泊客を驚かせてくれるのだとか。さらに、吉野駅付近や蔵王堂付近で鬼が歩く(1月25日、26日、27日、31日、2月1日)ので、一緒に触れ合うことができます。

他にも、吉野山内の店舗や旅館に掲示板が設置してあり、そこに日頃のイライラやうっぷんを書き込めば、鬼スッキリすること間違いなし。なんと、2月2日の金峯山寺の節分会の「採灯代護摩供厳修」でおたき上げしてくれるそうです。

そして、売り切れる年も多い「笑豊巻き(えほうまき)」は、吉野山の旅館・民宿組合の女将(おかみ)さんたちが腕を振るって作った人気商品。必ずゲットしたい方は、前もって予約する方が良いかもしれません。

節分で追われた鬼さんたちは、その後どうなるのだろうと思っていたら、奈良の吉野山で「良い鬼」になり、私たちに笑顔を与え、楽しく触れ合ってくれる存在になっているのですね。


◆《鬼火の祭典キャンペーン2025 in吉野山 情報》
2025年1月25日(土)~2月2日(日)
公式HP:https://yoshino-kankou.jp/onifes/
取材・文 いずみゆか
奈良を中心に関西の文化財やミュージアムを訪ね歩くのが大好きなライター
miyoka
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