大阪・関西万博の会場中央に位置していたシグネチャーパビリオン「いのちをめぐる冒険」。同パビリオンを象徴するモニュメント“いのち球”が2025年12月5日(金)、1970年大阪万博の会場だった「万博記念公園」(大阪府吹田市)内に移設され、記念セレモニーが開かれました。
■ 1970年・大阪万博での体験「世界は驚きに満ちあふれている」
セレモニーには、同館を手がけたアニメーション監督の河森正治プロデューサーや万博公式キャラクターのミャクミャクらが参加。河森さんは挨拶で、「この地に初めて訪れたのは55年前。まだ見たこともないいろんな国の人たち、民族、文化、そして初めて見るいろんなデザインの建物、食べ物…。当時10歳の自分にとって、この世界は驚きに満ちあふれていると感じた日々でした」と振り返りました。
また、「もしその時にここを訪れていなければ、今の仕事であるアニメーションの監督や、デザイナー、クリエイターの仕事にはつけていなかったと思うほど。55年前の自分は、まさか自分がデザインした“いのち球”がここにあることは想像できていなかった」と喜びました。
■生命の連鎖を形にした“いのち球”「残せて本当に良かった」
『いのちは合体・変形だ!』をテーマに、生命の連鎖を体感できるコンテンツが楽しめたパビリオン「いのちをめぐる冒険」。そんなコンセプトを形にした“いのち球”について河森さんは、「基本的には上も下もない設定で、どこから見てもいい。本当は生き物がわーっと動き回ってるんだけど、それをどうしても止めなきゃいけないので、この形なんです」と紹介しました。
設置場所は、木々や草花であふれる公園内の一角。1970年大阪万博時代のオブジェが点在している芝生エリアで、元は何も設置されていなかった少し小高い場所になります。「ここは55年前の万博当時のものがいくつか残っています。このモニュメントも残せて本当に良かった」と、河森さんは話しました。
場所は、「国立民族学博物館」横にある「万博記念公園自然文化園」の日本庭園前ゲートすぐ。“いのち球”は屋外に設置され、入園すれば観覧は自由です。入園料は大人260円、小中学生80円。
約20cm地面から浮かしているという“いのち球”(撮影:2025年12月5日)
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取材・文:武並慎治(di;hype)
関西在住のWebディレクター&編集者。スマホのなかの世界が描かれるという、河森監督の新作アニメ映画「迷宮のしおり」が気になってます。
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