10月1日、扇町公園南の i-Mall 内に扇町ミュージアムキューブ(OMC)がオープンしました。
大小合わせて10の空間で、演劇から展示まで様々なアーティストたちが活動、文化発信の基地となります。
CUBE01と名付けられたホールでは、関西を拠点に活動する劇団の中から8団体が、12月30日(土)までの3か月間に渡りこけら落とし公演をつなぎます。期待と興奮が渦巻く中、各劇団の主宰者たちは今何を思うのでしょうか。OMCに寄せる思いをコラムの形で数珠つなぎにしていきます。
最終回は12月29日(金)から二日間にわたり上演を予定している壱劇屋・大熊隆太郎さん。
M-1っていつも盛り上がってますよね。あの盛り上がりを見るとうらやましかったり悔しかったりします。同じ舞台のことですし、演劇に、特に小劇場演劇にあの盛り上がりは作れないのでしょうか?日々仕事や勉強に大変な現代人は肩の力を抜いて見れるもの選んでしまうのでしょうか?ていうか小劇場の舞台が単純に面白くないのでしょうか?いや面白い舞台もあるし、玉石混交なのはお笑いも一緒やと思います。さまざまな種類のお笑いが工夫凝らして作られてるように、小劇場演劇もそれぞれのカンパニーの個性が発揮された作品が日々作られています。なのでお笑いと演劇に差がないとします。いや差はあります。でもこのコラムではその差は小さいとして話を進めます!ということでOMCさん、E-1グランプリやりましょうよ!演劇のEで。丸パクリで恐縮ですが成功例には乗っかってでも盛り上げたいのでやりましょうよ。賞金1000万円でやりましょうよ!あ、だめです。調べたら超音波(エコー)治療のプレゼンを競うE-1グランプリというのがもうありました。賞金は50万円でした。じゃあS-1グランプリはどうですか?小劇場のSでどうですか?はいダメでした。営業(セールス)を競うS-1グランプリがもうありました。じゃあどのアルファベットなら使っていいんですか?調べました。結果、もう全部埋まってました!しかたない、では演-1グランプリにしましょう。語感がM-1と酷似しているという一点で押し切ります。ルールもほぼ乗っ取って、10分の演劇を観客票と審査員票で投票していき、優勝カンパニーには1000万円贈呈、は無理でしょうから先ずは100万円にしといて、そこから回を重ねて1000万円に近づけていきましょう。世の中お金なので嫌でも盛り上がるでしょう。あと重要なのは応募したら必ず出場できることです。書類審査とかも無しで一回戦には誰でも出れる。その代わり一回戦は素舞台で3分、出演者3名まで、リハ無し。演劇の良さ失われてそうですがグッと堪えましょう。2回戦、準決勝、と尺や出演者の枠が広がり、決勝は10分で5名で美術・音響・照明ありで上演。参加資格は結成15年以内の団体に限る。ほな壱劇屋出られへんですやん!じゃあ20年以内に拡張で。いや、もうこうなったら無制限でいきましょう。ジャイアントキリングあるほうが盛り上がることでしょう。さぁ、いますぐ準備を始めましょう!
壱劇屋 脚本・演出・振付 大熊隆太郎
―オープンから3か月がたちます。扇町が演劇の街になるのかどうか、新しい年も目が離せませんね。
【壱劇屋プロフィール】
https://ichigekiyaoffice.wixsite.com/ichigekiya
大娯楽劇団。東西に分かれて活動しており、西はパントマイム、東は殺陣を使った演劇を発表している。