警察のスキャンダルを追っていた新聞記者・芹沢詩織(石井杏奈)の転落事故死の真相、消えた1億円の行方、そして脅迫者Xの正体……。第10話では、これらの謎に少しずつ近づいていきます。『トクメイ!』はこれまで毎回、いくつものエピソードが絡まり合い、コミカルな要素も合わせながらテンポよくストーリーが進むドラマでしたが、今回はさらに怒涛(どとう)の展開に。「え、ちょっと待って!」「まさか!そういうことだったの!?」と、テレビの前であたふたしてしまうほどでした。
前回、片桐(米本学仁)殺害の容疑で逮捕された真壁(安藤嗣海)によれば、警務課の金庫に保管された1億円を盗んだ理由は、警察の裏金にあると。加害者も被害者も存在しない事件で押収した現金が警察の裏金にかえられている、そうなる前に盗んだ、と言うのです。そして「Xは1人ではなくグループであり、片桐の殺害を指示したのは湯川(沢村一樹)だ」と証言します。
「警察の裏金」というキーワードから思い浮かぶのは、芹沢が持っていた映像データ。たくさんの現金や宝飾品、拳銃などが映されていました。円(橋本環奈)は警察の組織的な裏金作りの証拠映像だと予想します。でも、裏金作りは一体なんのために行われたのでしょうか?
円は、真壁の証言によって湯川に片桐殺人の容疑で逮捕状が出てしまったことを、須賀(佐藤二朗)に相談しに行きます。円は「どうしても湯川がXだと信じられない」と言い、さらに「2日後の予算会議で裏金作りの不正を告発する」との決意を須賀に伝えます。須賀は「榊山(福井晶一)を追い詰めるには、裏金庫の存在を証明するしかない」と円にアドバイス。これまでいつも円に親切にしてきた須賀ですが、今回はちょっとだけ違和感がありました。なんだか、引っかかる感じです。円を心配しているようで、捜査を止めようとしているような……それでいて、榊山の不正を暴くことを促しているような……。
さて、須賀からのアドバイスを受け、円と湯川班は手分けして裏金庫探しと湯川探しを行います。月村(前田拳太郎)と円は警察の裏金庫があるらしき怪しいビルを発見し侵入しますが、そこにはなんと榊山が待ち伏せしていました。取調室のような部屋には捜査AI「チャットピーポー」が設置されていて、どうやら警察のデジタル化の実験施設のようです。榊山は「警察がデジタル化した組織に生まれ変わるためにインフラ整備を進める計画だ」と明かします。このプロジェクトのために警察の裏金を用意して政治家に渡し、予算を得ていたのだと。
榊山が語る計画も悪いことばかりではない気もします。けれど、その計画のためにだれかの人生を台無しにしていいわけがありません。「正しいことをするにはお金がかかる」という榊山の言葉に、最近の日本の政治ニュースを思い起こさずにはいられませんでした。円が「お金にきれいも汚いもあります」と言うように、私たちも正しいお金の使い方を心に留めておくべきだ、と気が引きしまる思いがしました。
X(旧Twitter)でも、「正しいことをするのに裏金を使うなんて矛盾してる」「裏金の話はタイムリーすぎる」「裏金で計画をすすめることに悪意がないのはこわい」などのコメントが見られました。
一方、藤堂(松本まりか)、大竹(JP)が湯川の足取りを追っていくと、真壁とある人物が芹沢詩織のことを調べていたことがわかります。一体だれなのか、その謎は、藤堂と大竹が訪れた芹沢の勤務先の新聞社で明らかになりました。新聞社のオフィスの壁に、社内で表彰された芹沢の写真が。その写真に写り込んでいたのは、須賀と芹沢がまるで親子のようにほほ笑む写真だったのです。
須賀が、Xだった?芹沢は須賀の家族だったの?と動揺しながら見ていると、空き倉庫のような場所で拘束された湯川の姿が。湯川の視線の先には、これまで見たこともないような、冷たい表情の須賀がいました。
この衝撃の展開にX(旧Twitter)では、「Xが須賀さんだったら嫌だなぁと思っていたのに……」「須賀さん、何か理由があるはずですよね」「まさかXが須賀さん!鳥肌が半端なかった」と、驚きのコメントが続出。
予告では拳銃を構える須賀や湯川班たちの緊迫したシーンが映され……最終回は一体どんな展開になるのか、Xの本当の目的はなんだったのか、早く見たくてたまりません!
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文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。「たまひよ」など主に子育て系メディアで取材・ライティングを行う。
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