あまりの狂気に「いっそ廻のこと、キライになればよかった」と訴えながらも、「真面目で、お人よしで、おっちょこちょいで、かわいくて……好き、いやキライ!!!」と廻への想いがあふれ出す翔、かわいいかよ!「SJ(しゃくし定規の意:未来語)で、ストヘ(石頭の意:未来語)で、邪道なもんばっかり好き(チョコミントアイスのこと)で」とディスり続ける翔を、廻が抱きしめる。理屈なんていらない。ただ目の前に恋人がいてくれたら、それでいい。言葉すら超える恋の“超”展開が実ったこのシーン、めっちゃ染みました。
するとベンチが沈み、2人は再び基地へ。そこでとある事実が判明し、廻と翔は再び「時をかける」ことに──。折しも最終回のサブタイトルは「時をかけろ、恋人たち」。これまで名作SF映画のタイトルをオマージュしてきたサブタイトルでしたが、ここへ来てドラマのタイトル『時をかけるな、恋人たち』そのものをモチーフにするとは。謎に包まれていたマギー&キケロの正体も判明するし、脚本・上田誠さんの見事な伏線回収劇に膝を打ちまくって割れる勢いの楽しい3ヵ月でした。全11回、ありがとうございました!
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文:岡山朋代
編集・ライター。ぴあ、朝日新聞社「好書好日」など主にエンタメ系メディアで取材・執筆を手がける。