松下奈緒、主演ドラマは「脚本が面白くて、ちょっと怖くなった」【ドラマ『夫に間違いありません』】

2026.01.19

松下奈緒、主演ドラマは「脚本が面白くて、ちょっと怖くなった」【ドラマ『夫に間違いありません』】
2026年1月5日(月)よる10時からスタートしたサスペンスドラマ『夫に間違いありません』(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)。松下奈緒演じる主人公・朝比聖子のもとから、夫・一樹(安田顕)が突然失踪。その後、警察から連絡があり、「夫が川で事故死した」と伝えられます。

所持品などから「夫に間違いありません」と言葉を絞り出す聖子。その1年後、死んだはずの夫が帰宅し、聖子が保険金を受け取ったことを知ると、ある計画を口にします。それにより聖子は「選択」を迫られ、その「決断」が家族の日常を次第にむしばんでいきます⋯。主演の松下奈緒に、本ドラマの見どころについて話を聞きました。

◆「台本を読んでいると、どこまでも深読みしちゃう」

松下奈緒さん

松下奈緒さん

──先ほど第1話を拝見しましたが、予想をどんどん裏切っていく怒涛の展開に驚かされました。これは脚本に沿って撮影されているんですか?

それが違うんです。だから、とにかく難しくて。このシーンは、何話で何があって、何を知っているのかを整理していかないといけないので、リアクションを間違えていないかと本当に怖くて。長い年表を覚えるような感じで撮影に挑んでいます。

そういうこともあって、体よりも心の方が疲れるんですよ(苦笑)。でも、おかざきさとこさんの脚本がやっぱりすごく面白いので、それを撮影現場でようやく体現していってる感じで充実しています。
朝比聖子(松下奈緒)

朝比聖子(松下奈緒)

──すごく気になったのは、ドラマのポスターに小さい字で書かれた『間違えるのは、これからだ』というキャッチコピーでして。

それですね(笑)。タイトルの『夫に間違いありません』というのは、第1話の段階では間違ってはいないんですけど、今後、このキャッチコピーのようにどんな選択を強いられ、どんな間違いが出てくるのか。乞うご期待ですね。

──このドラマでは、松下さん演じる主人公・聖子がさまざまな「選択」「ウソ」を強いられ、それによって自身と周囲の人生が大きく変わっていきます。

「あのとき、こうしていれば⋯」って、誰にでもあるじゃないですか。でも、このドラマはそのひとつひとつの「選択」が大きくて、しかも聖子ひとりで抱えている。同じような境遇のシングルマザー・紗春との出会いも、果たして偶然だったのか? という不安すら湧いてきますよね。

だから、台本を読んでいると、いろんな伏線を見ちゃうというか、どこまでも深読みしちゃうんですよね、果たして今後、どういう風に展開していくのか。私自身も楽しみです。

◆「なんとも言えないニュアンスでの表現というか」

松下奈緒さん

松下奈緒さん

──脚本を読んだ最初の印象はどうでしたか?

おもしろい!って(笑)。読み物としてすごく面白くて、あっという間に読んじゃったんですね。その、初見で読んだ時の面白さを、ちゃんとみなさんにお伝えできるようにやらなきゃなと、ちょっと怖くなったくらいです。演じることは大変ですけど、でも、本当にステキな本に出会えてよかったです。

──1話にしては詰め込みすぎじゃないかと思うくらい、息もつかせぬスリリングな展開で。

冒頭、霊安室から始まるドラマもあまり観たことないなと思いました。ただ、それはきっかけであって、そこからどう崩壊していくのか、どう立ち直っていくのか。そこがこのドラマの見どころですね。

──死んだはずの夫・一樹が1年ぶりに帰ってくることによって、聖子はさまざまな「選択」を強いられ、どんどん「追い詰められていく」ことになります。演技ではその難しい変化が求められたと思うのですが。

こっちに行くか、そっちに行くかじゃないんですよね。そのスレスレのところというか、その間だったり、なんとも言えないニュアンスでの表現というか。はっきりとしたカラーがないことも、表現として出していかなきゃいけないこともあって。

あと大きいのは、家族に言えない苦しさですね。「この子たちに辛い思いをさせるくらいなら⋯」っていうのが、聖子の「選択」の背景にあるんです。だからこそ、迷いもあるし。ただ、夫が帰ってきて、保険金を受け取ってしまった。さあ、どうしよう⋯だけじゃないんですよね。

子どものことを考えると、どう立ち回ればいいのか。毎話毎話、本当に真剣に考えないと、すべてが嘘になっちゃう。もちろんドラマなんですけど、現場での笑顔を見ていると、この子たちのためにと思えるぐらい子どもの力って偉大で。だから、お母さんも頑張らなきゃと、自然とそういう気持ちにしてくれますね。
朝比聖子(松下奈緒)

朝比聖子(松下奈緒)

──子どもたちの演技も重要ですが、それと同じくらい小道具も効いていましたね。進路志望の提出物だったり、壁に飾られた絵だったり、感情が宿ったモノというのは説得力が強いです。

子どもたちが大事にしているものが家中に溢れていますからね。絵を見ることで我に返ったり、家族の大切さを実感するシーンも今後出てきますし。そこはまたサスペンスと別で、人間ドラマを感じてもらえる要素がたくさんあります。

第1話の朝ごはんのシーンも、すごく日常的なんだけど、これが普通と思っちゃいけないんだなと思わせるというか。ここから始まる展開が恐ろしいんですけど、家族の存在がいかに聖子にとって大切なものかが分かるシーンだったなと思います。

──あの冒頭の朝ごはんのシーンは、すごく丁寧に撮られた印象でした。

そうですね。それまでのダークな世界観から、一気にカラッと明るい雰囲気に変わりましたね。こういうどこにでもある家族が、父親が帰ってきたことによってどうバラバラになるのか。そんなことを感じさせないステキな朝の風景でした。

──特に何も起こらない日常の風景だからこそ、その後の展開に大きな衝撃を受けます。

そうですね。ただジャムを落として、「あーっ!」て言ってるのがすごく微笑ましいですよね。でも、その後、どういう風に子どもたちにも心の変化があるのかなと考えると、ある意味、怖いシーンでもありますよね。
朝比亜季(吉本実由)、朝比栄大(山﨑真斗)

朝比亜季(吉本実由)、朝比栄大(山﨑真斗)

◆「突拍子もない物語だけど、共感できることがある」

──先ほど試写を拝見させていただく前は、聖子がいろんな「選択」を強いられる中で、何が心の支えになるのか、何を信じて向かっていくのか。ということをお聞きしようと思ってたんですが⋯。

それは、家族ですね。聖子はどんどん変化せざるを得ないし、もちろん傷つくし、すごく迷うし、もう本当にどうしていいかわからなくなりますが、やっぱり家族、子どもたちのために⋯という思いでしか聖子は生きていけないと思うんですよね。

言葉にするとすごく簡単ですけど、その「家族の絆」というものを守っていくことがいかに難しいか、自身の生い立ちも含めてよく知っている。だからこそ、1年ぶりに夫が帰ってきた時もちゃんと迎え入れたつもりだし、本当に健気で、偉いなと思います。

──その中で、朝加真由美さん演じる義母・いずみの存在も効いてきますね。

そうですね。自分の母親ではなく、一樹さんのお母さんであるというところが、またすごく意味があるなって。軽度の認知症を患っていたりとか、本当にどこの家庭でもありえそうな家庭環境っというのが、より聖子を苦しめますよね。

──亡くなった義父も、写真でしか出てこないですけども、そこにも縛られていて。

聖子が切り盛りする「あさひおでん」というお店は、義父が残してくれたものですからね。お店も守らなきゃいけない。家族も養っていかなきゃいけない。お義母さんの面倒も見なきゃいけない。どのお母さんもそうだと思います。

──そういったホームドラマのような人物描写があるからこそ、単なるサスペンスで終わらないというか。

そうですね。すごく突拍子もないストーリーかもしれないですけど、意外と共感できることが結構あると思います。
朝比いずみ(朝加真由美)

朝比いずみ(朝加真由美)

◆「お芝居と音楽、両方やれているから自分なんだ、と」

──新年のドラマにおいて、全局でトップバッターということですが、それにふさわしい濃密な内容でした。

頑張ります。これから聖子もどんどん変化していきますし、紗春との関係にも注目です。同じ日に旦那さんが行方不明になったという事実が、なぜその日だったのか。何かを知ることによって、向き合い方も変わっていきますし。

やっぱり守るべきものが強くなってくると、何か犠牲を払う時も来るだろうし。ただのやさしいお母さんだけじゃない、というところが聖子にも出てくるんじゃないかなと。そのあたりも見どころのひとつですね。

──先ほど行われた会見では、お芝居と音楽のお仕事において、充実した1年だったとおっしゃっていましたが、俳優と音楽家の活動は、似ているものなんでしょうか?

そうですね。私は、似ている部分の方が大きいと思いますね。セリフに乗せるのか、音に乗せるのか。みんなでアンサンブルするというのは変わらないし。ひとりでもできるけど、ひとりじゃできないこともたくさんあるなって思います。

共通項はいっぱいあるんですけど、でも両方をやっているときがやっぱり一番楽しいです。もちろん大変なこともありますけど、お芝居と音楽の両方をやれているから自分なんだなって思います。

──それによって多忙を極めることになりますが、息抜きみたいなものはありますか?

もう、犬ですね。唯一の癒やしです(笑)。
松下奈緒さん

松下奈緒さん

ドラマ『夫に間違いありません』(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)
放送:2026年1月5日(月)スタート(初回15分拡大)毎週月曜よる10時〜
出演:松下奈緒、桜井ユキ、宮沢氷魚、中村海人、松井玲奈、山﨑真斗、吉本実由、白宮みずほ、大朏岳優、二井景彪、磯村アメリ・前川泰之、朝加真由美・余 貴美子、安田顕、ほか
miyoka
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