見てみよか

宮世琉弥の香りをかぐ演技が秀逸、おなかが鳴る視聴者続出

2024.10.01

宮世琉弥の香りをかぐ演技が秀逸、おなかが鳴る視聴者続出

『スノードロップの初恋』第1話レビュー

今もっとも注目される若手俳優のひとりである宮世琉弥さん。最近では『くるり~誰が私と恋をした?~』(TBS)や『恋愛バトルロワイヤル』(Netflix)、映画『恋わずらいのエリー』(2024)など次々と話題作に出演しています。そんな宮世さんが連続ドラマ初主演、さらに死神役とは、楽しみにしていた“りゅびーず”さんも多いのでは。ドラマ初回は、宮世さんの多彩な魅力が画面からはみ出そうなくらいでした。

Ryubi Miyaseの名前でアーティストとしても活躍中の宮世さんは、本ドラマのオープニングテーマ「白く染まる前に」も担当し、作詞も手がけたのだとか。耳に残るキャッチーなメロディと明るい歌声に、思わず一緒に口ずさみたくなる楽曲です。
さて、冒頭から宮世さん演じる死神・朔弥が放つ「私は死神だ」のパワーワード。『デスノート』のリュークのような見た目なら納得もできますが、こんな美形男子がまさか死神? そして、片岡朔弥という人間の体を借りたと言うけれど、なぜ体が全体的に薄汚れているのかも気になりました。
10年前に閉店した洋食店「ガランサス」のグラタンを食べに来たという朔弥は、シェフの息子・陸(岩瀬洋志)に出会い、陸と姉の奈雪(小野花梨)が住む家を訪れます。父親の店の客かもしれない人とはいえ、得体の知れない青年を家にあげ、食事まで出してあげるなんて。陸と奈雪は人がよすぎてちょっと心配になります。
その日の夕食、朔弥はお目当てのグラタンにはありつけなかったものの、おそらく初めて人間界の食事を口にしたようです。たどたどしい箸使いで煮物を口に入れた瞬間、「ん〜」と幸せそうなため息が。なんておいしそうに食べるんでしょう。

第1回では、とってもおいしそうな料理が次々に登場しました。奈雪の父が作った「ガランサス」のグラタンに始まり、奈雪が作った筑前煮、きんぴらごぼう、青菜のおひたしといった和食、さらに奈雪が作ったグラタンなど。リアルタイムで見た方は深夜に食欲おさえられましたか?
さらに朔弥が幸福そうにほおばる表情も、見ている人の空腹感を刺激するのではないでしょうか。人間界の食事に慣れていない朔弥は、食べる前ににおいをかいでから食事を口にします。少し鼻の穴を膨らませ、うっとりしながらもぐもぐする朔弥。死神とは思えないキュートさです。朔弥にかかれば、朝食のジャムトーストさえとびきりのごちそうのように映ります。
登場したときは汚れたアウターを着ていた朔弥ですが、奈雪の家に居候することになり、陸に借りたらしい緑のジャージ姿に。ジャージの左胸には変わったキャラクターのイラストがあしらわれています。ドラマの公式サイトを見てみるとどうやら、陸がはまっている「ぴえん死神」というキャラクターのよう。奈雪が仕事から帰宅したときに、このジャージ姿で玄関に体育座りする朔弥。グラタンが楽しみすぎて待っていたのでしょうか。飼い主を待つ子犬っぽさがかわいくてたまりませんでした。
ひとしきりおいしそうなごはんと、それをおいしそうに食べる朔弥を楽しんでいたら、なんと終盤で、奈雪に命の期限が迫っていることがわかります。人の死期が見えるという朔弥は、陸に「奈雪は12月25日に死ぬ」と告げたのです。

奈雪が作ったグラタンを食べながら、奈雪に「人生は有限だ、それを忘れるな」と言う朔弥。その表情からは、これまでの幸せそうな子犬っぽさはすっかり消えています。どこかうつろで、底が見えない湖のような暗さをたたえた目。その目はまさに死神のようでした。
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文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。「たまひよ」など主に子育て系メディアで取材・ライティングを行う。
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