扇町を演劇の街に！　OMCこけら落とし公演 劇団数珠つなぎコラム＃３【エイチエムピー・シアターカンパニー・笠井友仁】

10月１日、扇町公園南の i-Mall 内に扇町ミュージアムキューブ(OMC)がオープンしました。
大小合わせて10の空間で、演劇から展示まで様々なアーティストたちが活動、文化発信の基地となります。
CUBE01と名付けられたホールでは、関西を拠点に活動する劇団の中から８団体が、12月30日（土）までの３か月間に渡りこけら落とし公演をつなぎます。期待と興奮が渦巻く中、各劇団の主宰者たちは今何を思うのでしょうか。OMCに寄せる思いをコラムの形で数珠つなぎにしていきます。

第三回は11月３日（金・祝）から三日間にわたり上演を予定しているエイチエムピー・シアターカンパニー・演出の笠井友仁さん。

1997年、「第４回ＯＭＳ戯曲賞授賞式」。友人が高校生の頃に書いた戯曲が最終選考に残り、授賞式前に行われる戯曲の講評をふたりで聴きにいった。大学に入学し、演劇をはじめたばかりだったボクは、友人の戯曲が佳作か、もしくは大賞を受賞するのではないかと期待していた。ところが現実は甘くなかった。授賞式の会場は扇町ミュージアムスクエア（通称：ＯＭＳ）。観客席から眺める舞台が大きく、遠く感じた。
それからしばらくして、大学生対象の演劇コンクール「第１回大阪演劇祭ＣＡＭＰＵＳ ＣＵＰ‘99」の参加団体の音響スタッフとして、はじめてＯＭＳの公演にかかわった。仕込みからバラシ（撤収）まで、毎日とても緊張していた。劇場スタッフのみなさんはとてもやさしかったが、使い方が悪いと怒られるのではないかとビクビクしていた。「フォーラム」と呼ばれていた劇場の裏手でタバコを吸いながら談笑している出演者やスタッフがかっこよく見えて、自分でもタバコを吸いはじめた。
すると幸運なことに、ＯＭＳで何度も公演をしている劇団さんの音響オペレーターを経験させてもらえる機会を頂いた。稽古場から本番、バラシまで、やはり緊張しっぱなしだったが、公演後の打ち上げで飲みすぎて終電を逃し、ＯＭＳの近くにあった劇団事務所に一晩泊めてもらった…。本当に情けないことだと反省している。
恥ずかしくなるような思い出ばかりだが、ボクにとって大切な「はじめて」をたくさん経験させてもらった場所がＯＭＳだった。これからはじまる扇町ミュージアムキューブ（ＯＭＣ）も、多くのひとの「はじめて」を生み出す場に、きっとなるだろう。ボクもＯＭＣで、新たな出会いをたくさんしたい。

はじめまして、ＯＭＣ。

エイチエムピー・シアターカンパニー　演出　笠井友仁

―さて、次のバトンはどなたに渡るのでしょうか。どうぞお楽しみに。

【エイチエムピー・シアターカンパニー プロフィール】
「hmp」という劇団名で活動を始め、ハイナー・ミュラーの作品を中心に舞台作品を発表。
「現代美術」とも称される舞台空間と俳優の造形力に定評がある。
https://hmp-theater.com/

エイチエムピー・シアターカンパニー　＜シェイクスピアシリーズⅢ＞『ハムレット　例外と禁忌』　https://hmp-theater.com/work/hamlet/
【公演日時】11月３日（金・祝）～５日（日）
【会場】扇町ミュージアムキューブ　CUBE01
【料金】整理番号付き自由席　3,500円（前売り）／4,000円（当日）
25歳以下チケットなど各種あり。
※未就学児の入場はご遠慮下さい
【チケット】エイチエムピー・シアターカンパニー　https://www.quartet-online.net/ticket/hamlethmp