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姉(小野花梨)を思う陸(岩瀬洋志)の姿にまた涙【スノ恋】

2024.12.03

姉(小野花梨)を思う陸(岩瀬洋志)の姿にまた涙【スノ恋】

『スノードロップの初恋』第10話レビュー

第9話の最後で和真(曽田陵介)が「父さんが死んだ」と言っていたように、あまりに突然だった伊勢(杉本哲太)の死。伊勢は病気を隠していたそうですが、朔弥(宮世琉弥)にはおそらく伊勢の最後の日がわかっていたはず。だから前回、朔弥は伊勢に「後悔のないように過ごせ」と言ったのでしょう。
社長室で伊勢の写真を見つめる朔弥のもとに現れた和真は「最後はちゃんと話しあって、みとることができた。おかげで親子のわだかまりが解けた」とお礼を伝えます。もしかして前回の朔弥の涙は、いつも友人のようにアドバイスをくれた伊勢のことを思ってのものだったのでしょうか。
一方、奈雪(小野花梨)たち開発チームのメンバーは、クリスマス限定メニューが売り上げ目標を達成し、打ち上げを兼ねてクリスマスパーティをすることに。パーティの場所は奈雪の自宅に決まります。そこである夜、奈雪と朔弥がクリスマスツリーの飾り付けをしていると、陸(岩瀬洋志)が1人の女性を連れて帰宅しました。一緒にいたのは、奈雪と陸を置いて家を出た母・波子(堀内敬子)でした。

母の突然の訪問に、表情を曇らせる奈雪。「久しぶり〜!」とあいさつしてすぐに奈雪の作った料理をつまみ食いするマイペースぶりを発揮した母でしたが、歓迎されない空気を察してすぐにその場を去ります。自分たちを置いて出て行った母を受け入れられない奈雪は、陸が母と連絡を取っていたことがショックだったようです。
奈雪はきっと、母の不在をさみしく思いながら、さらに父を亡くして、精一杯陸のために努力してきたはず。大変なときに母を頼れず、心細かったことでしょう。それなのに、自分の知らないところで弟と母が連絡を取り合っていたと知ったら、さみしい気持ちになりますよね。

陸は、「このまま母と会えないと後悔するだろう、せめて最後に会わせたい」と、奈雪のためを思って母を呼んだのだと言います。「せめて最後に」という言葉がとても苦しく感じました。
場面は変わり、いよいよクリスマスパーティ当日。奈雪の手作り料理や、シェフの太一(廻飛呂男)やパティシエの杏奈(八木響生)が持ち込んだ料理やデザートがテーブルに並び、とっても豪華でおいしそう。職場の仲間と、トランプで盛り上がったりして和気あいあいと楽しめるのは幸せですよね。笑顔の奈雪を見守る朔弥のまなざしの温かさも印象的でした。
パーティが終わってみんなを見送る奈雪と朔弥。そこへ陸が帰宅します。奈雪が陸の好物の料理を差し「陸の気持ちに気づけなかった」と謝ると、陸も「姉ちゃんがどうしたいか考えずに、暴走した」と謝ります。仲直りして抱き合うきょうだいにほっこりするシーンでした。「陸がごはんを食べておいしいといってくれる、そんな毎日をもっと大事にしたい」と、決意したような表情で語る奈雪。命の期限を前にして、自分にとって何が一番大事なことなのかを見つめ直したようです。さらに奈雪は母にも電話をかけ、言いたいことを伝えられた様子でした。
第9話は奈雪の運命の日が近づくなかで、奈雪と陸のきょうだい愛と絆が描かれた回でしたが、それにしても陸の弟ぶりがとにかくかわいい回でもありました。
自分は姉の運命を変えたくてもがいているのに、「死は変えられない」と奈雪の死を受け入れる朔弥へのいらだち。姉のことを思って母を連れてきたのに、喜ぶどころか奈雪を傷つけてしまったようで落ち込む様子。そして、帰宅して奈雪の作ったごはんを食べるときの笑顔。陸のふとした表情から、「お姉ちゃんが大好きで大切!」といった雰囲気が出ている気がしました。陸の子犬のようなかわいらしさとともに、きょうだいの深いつながりを感じました。
今回のラストでは、和真が陸を呼び出し、なにやら奈雪について話がある様子でした。一体、どんな話しなのか……。そして陸と奈雪のお別れの日も近づいていることも気がかりです。もし奈雪が本当にいなくなってしまったら……と、陸のことも心配。クライマックスに向けて、物語はこれからどんな展開になるのでしょうか。
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文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。「たまひよ」など主に子育て系メディアで取材・ライティングを行う。
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