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絹子(夏子)は何者?板垣&中島が死者の記憶を捜査

2025.01.20

絹子(夏子)は何者?板垣&中島が死者の記憶を捜査

『秘密~THE TOP SECRET~』第1話 レビュー(Xの反応あり)

人気サスペンス漫画「秘密-トップ・シークレット-」を原作とした新・月10ドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』が、いよいよ放送開始!清水玲子さんによる原作漫画は、猟奇的な事件の捜査や近未来の特殊技術を用いた斬新な設定、そして複雑に絡み合う登場人物同士の関係性を美しく描いた至極の作品です。ドラマ化決定後も、多くの原作ファンからの反響が巻き起こっていました。

科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”。脳科学者・貝沼清孝(國村隼)が開発したMRIの技術を利用し、死者の生前の記憶を映像化して特殊捜査を行う機密組織です。その室長として任を受けたのが、物語の主人公である薪剛(板垣李光人)。大学時代からの親友で同僚、そして相棒の鈴木克洋(中島裕翔)は副室長に任命され、共にやりがいのある仕事に就ける喜びを分かち合います。

現実にはない架空のMRI特殊技術をどのように描くのか、また死者の脳内に刻まれた記憶をどのように映像化するのか。法医第一研究室所属の解剖医である三好雪子(門脇麦)らの手によりていねいに取り出された脳が、アタッシュケースで大切に保管され、MRIスキャナーにかけられていく描写は圧巻でした!それにしても、いくら捜査とはいえ、死後に捜査官が自分の生前の記憶をあけすけにのぞき見ることを想像すると、思わずヒヤッとしてしまいます。

薪剛(板垣李光人)、貝沼清孝(國村隼)

警察庁長官(利重剛)の命を受けて、自身の妻と2人の娘、義母を殺害したとして死刑となった死刑囚・露口浩一(光石研)の生前の記憶をたどっていた薪は、そこで驚愕(きょうがく)の真実を目の当たりにします。なんと、一家を殺害した本当の犯人は、殺害されたと見られていた彼の長女・絹子(夏子)だったのです。ちょうど同時期、とある警察署で絹子が保護されたという知らせが届き……。

真犯人を知ってしまった薪は、父親に無実の罪をなすりつけて死刑に追いやった絹子に憤りを見せます。しかしすでに死刑は執行されており、判決を覆すことはできない。さらに第九の捜査は最重要秘密事項なので、この真実を明るみに出せば、第九自体の存続が危ぶまれてしまう。そう青木に諭され、なんとか心を落ち着かせようとしていた薪の前に、絹子が現れます。脳の調査には遺族の確認が必要なため、絹子は薪たちが父の記憶を見たことを知っていたのです。冷徹な眼差しの絹子から発された「見たのね、恥知らず」「ゲス野郎」には、背筋が凍る思いがしました……!

別件の捜査の過程で、青木は絹子が学生時代に関係を持っていた5人の男子学生が行方不明になっていることを突き止めます。薪と青木は、絹子が男子学生たちを殺害したと考え、殺人犯として立件するため力を合わせることに。その裏では、絹子の幼馴染である少年・平井学(黒川想矢)が交通事故で死亡。絹子の罪を暴いたとある記憶に触れたとき、薪は溢れる感情と涙を抑えられませんでした。

年齢不詳の美青年として描かれている薪。クレバーで冷静沈着ながら、内に熱い炎を秘めた人物ですが、若手ながら高い演技力を誇る板垣李光人さんにより、忠実に再現されていました。そんな薪を支える青木役の中島裕翔さんも、数々の映画やドラマで主演も務める実力派。1話から、豪華キャスト陣の織りなす世界観の沼にどっぷり浸かってしまいました。ゲスト俳優の夏子さんによる、少女のように儚(はかな)げながらもミステリアスで不気味な絹子の演技も最高でしたね!

作中では薪と青木、雪子の繊細に絡み合う人間関係模様も描かれていました。婚約者である雪子にエンゲージリングを贈ろうと待ち合わせ場所に現れた青木。青木を待っているはずの雪子が見つめる先にいるのは、青木の親友である薪。薪はというと、雪子と連れ添って歩く青木の姿を目で追ってしまう……。青木そっくりの新人捜査官・鈴木一行の登場後にも、彼らの心がどう錯綜(さくそう)していくのか、注目したいところ。

Xでは、「究極の個人情報を他人がのぞき見る不気味さ怖さ、見てしまった後悔」「見どころたくさんで怖いもの見たさの楽しみ」と今後の展開への期待を表す声が上がっていました。

1話は、貝沼の衝撃的なシーンにより幕を閉じます。脳が語る記憶を通し、死者の“秘密”に触れたとき、人はどんな感情を抱くのでしょうか?正義とは、罪とは何か。来週の放送も楽しみです!

貝沼清孝(國村隼)、薪剛(板垣李光人)

文・神田 佳恵
フリーライター 兼 一児の母。
取材・インタビュー、エンタメ記事、エッセイなど、複数媒体・分野で執筆中。
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