老若男女問わず全ての人をとりこ虜にする北くん（岩瀬洋志）と、北くんの愛を３等分にシェアするために同せい生活する南（本田翼）・東子（志田未来）、西野（増子敦貴）。『北くんがかわいすぎて手に余るので、３人でシェアすることにしました。』（カンテレ／毎週火曜11時）第４話は、南の過去にフォーカスした回でした。

ある日、自宅のダイニングテーブルに置かれた招待状を見つけた南。北くんからのサプライズディナーデートに違いないと、上機嫌で指定されたレストランへ行ってみると、そこにいたのは北くんではなく、南の元カレ・貴船波海斗（木村達成）。状況が飲み込めず驚く南に、波海斗は「成功したら迎えに来ようと思っていた。俺と結婚してくれ」と、指輪を差し出しプロポーズします。

……いやちょっと待って、波海斗。突然すぎやしませんか？ レストランを貸し切って指輪をプレゼントすれば、南が喜んでプロポーズを受け入れると思ったのでしょうか。だとしたら勝手すぎるような気もします。

突然現れた波海斗ですが、今はニューヨークで起業して成功した世界的な実業家なのだそう。南から「波海斗にプロポーズされた」と聞いた東子や西野、職場の同僚たちは「結婚すべき！」とプッシュしますが、南は「断った」のだと。南には波海斗との再会を素直に喜べない理由がありました。それは学生時代のこと。バレーボールに打ち込んでいた南は高３の全国大会で全治８カ月もの大ケガを負い夢を絶たれてしまったのですが、当時付き合っていた波海斗は、南の入院中に姿を消して音信不通になってしまったというのです。

つらいときにそばにいてくれるどころか、理由もわからず急に姿を消したあげく、10年後に突然現れてプロポーズするとは、南が怒るのも当然ですよね。

波海斗は、南と北くんの関係も調べていて「そんな関係に未来はあるのか？」「俺は南をこれから一生愛することができる」と南を説得しようとします。それに対して「勝手なこと言わないで！」と涙をこぼす南。いつも強気で明るい南が、涙を流すなんて……。夢を失った上に、大好きな人が突然いなくなって訳もわからず恋を諦めた過去は、きっと想像以上につらいものだったんじゃないでしょうか。

波海斗は南たち４人の住むマンションを訪れ、東子に自分が南の前から消えた理由を話します。その理由を知ると、大好きな南の隣にいたいからこそ、いったん離れる決断をしたのかもしれないと理解できました。でも、だまって消えなくてもよかったんじゃない？

そして、波海斗は屋上にいた北くんにも、自分の思いを伝えに行きます。波海斗は北くんに「これから一生南を守っていく覚悟がある、あなたはどうですか？」と質問しますが、北くんはあっさり「ないよ」と答えました。「１秒先のことだって、僕には誓えないよ」と。

北くんの言葉は、無責任に聞こえるかもしれません。だけど、正直で誠実な言葉にも感じました。守り守られる関係ではなく、１秒先のこともわからないからこそ、隣に立って一緒に歩いて行くのも愛情と言える気がするのです。……ところで、この屋上のシーンで、北くんがむいていたのは、島らっきょうでしょうか？ 東子の料理の下ごしらえなのか？ シリアスなシーンでしたが、大量すぎる島らっきょうが気になりました。そして島らっきょうをむく姿すら絵になる北くん！

一方、４人が住むマンションでは、北くんたち102号室の住人への嫌がらせの手紙が配られます。それを見た倉崎（川面千晶）をはじめとする住人たちは、管理人の遠山（諏訪太朗）に「102号室の住人を追い出してください」と迫ります。さらに、怪文書は南・東子・西野3人の職場にも届きました。病院の看護師・南はなんと院長に呼び出され、「変なうわさが立つと困るから」と辞職をせまられてしまいます。この怪文書は、一体だれの仕業なのでしょうか。そして次回、南は波海斗とのことをどう決断するのでしょうか……⁉︎

文：早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども３人の母。子育て系やエンタメ系記事の取材・ライティングを行う。