吉岡里帆の起こした「バタフライ・エフェクト」が、永山瑛太との駆け落ちを決意させた? 消しても消えない思いの向こう側へ
2023.11.08
『時をかけるな、恋人たち』第5話レビュー
そんな廻のもとに、後輩の広瀬(西垣匠)から「常盤さんのことが好きです」とメッセージが届きました。かつて思いを寄せていた広瀬が婚約者の梓(田中真琴)と別れたと聞いても、廻は完全にうわの空。「ありがとう、気持ちうれしいです。またゆっくり話しましょう」と返信するも、翔への思いに踏ん切りがつかない廻は応える気になれず、すぐに自分の返信を「削除」しました。おや、「送信取消」じゃないんかい?
厳戒態勢が敷かれるなか、美郷の前に姿を現す健也。だが張り込んでいた隊員たちに身柄を拘束され、記憶を消されて元の時代へ。美郷も歴史をなぞるかのように、バス事故で命を落とす。「結末が決まっているのなら、何のためにタイムトラベルはあるんだろう?」──。歴史に抗えず、悲しい結末を黙って見守るしかない無力さを痛感した廻は、「(たとえ歴史を)変えられなくても!」とつぶやき、健也のために得意の「つじつま合わせ」を思いつく。
さらに廻の起こした「バタフライ・エフェクト」は、廻自身に大きな影響を与えたんじゃないかしら。別れを決意していたにもかかわらず、「私たちが一緒に暮らしていくにはどうしたらいいか」と言って及び腰だった翔との駆け落ちに乗り出すのが何よりの証拠でしょう。エンディングによれば、行き先は「1983年8月10日」。タイムボードに乗って恋の逃避行へ出る二人を、広瀬が目撃していましたね。あーもう情報過多すぎて、来週が待ちきれません!
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文:岡山朋代
編集・ライター。ぴあ、朝日新聞社「好書好日」など主にエンタメ系メディアで取材・執筆を手がける。
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