『北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。』第10話レビュー
老若男女問わず全ての人をとりこにする北くん(岩瀬洋志)と、北くんの愛を3等分にシェアするために同棲(どうせい)生活する南(本田翼)、東子(志田未来)、西野(増子敦貴)。
『北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。』(カンテレ/毎週火曜11時)第10話は、南、東子、西野の3人がそれぞれ仕事、家族、過去に向き合う姿が描かれた回でした。
【動画で見る】<ドラマ>北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。【出演:本田翼、志田未来、岩瀬洋志、増子敦貴ほか】
東子の家族の危機と西野の元カノ・真理愛の来訪
オープニングのすぐあと、東子が4人のフォトコラージュを作るシーンがあったのですが、このコラージュがとってもセンスが良くてかわいい!4人の仲のいい雰囲気がよく出ています。東子は4人分のコラージュを作ったようで、「部屋に飾ってね」と西野にも渡しますが、西野は嫌そうに「飾りませんよ。中学生じゃあるまいし」とまさかの拒絶。
すると東子は「じゃあ西野くんは今日から自炊ね」と無表情に。焦った西野はすかさず「飾ります」とコラージュを受け取りました。この2人の掛け合いのテンポ感が絶妙で、笑わせてもらいました。西野に断る選択肢はなかったんですね。
しかし、そんな和やかな日常は東子の父からの電話で一変。母が突然倒れたと聞き、東子は急きょ、飛行機で実家へ向かうことになるのでした 。
そして、西野のところには、これまでも執拗(しつよう)に着信があった元カノ・青山真理愛(鈴木ゆうか)が、ついに訪ねてやってきました。学生時代、西野の恋心をもてあそぶようなひどいことをしたのに、一体何をしにきたのでしょうか。
元カノとのつらい過去を清算し、北くんと熱くて優しいハグ
真理愛が訪ねてきた目的は、ネットに書き込まれた「自分の学生時代のいじめ疑惑」についてでした。炎上した影響でモデルの仕事が危機的な状況だと窮状を訴えたのです。西野の仕打ち を覚えているからか、西野がさらにネットに書き込んだりしないように頼みに来たようです。いや、まずは西野に謝るのが先でしょう? と思いながら見ていると、なんと謝るどころか「私のこと好きだったんだよね。だったら私のお願い、聞いてくれるよね? 約束だからね」と一方的に話して立ち去ったのです。いくらなんでも自分が困っているからって、ちょっと身勝手すぎやしませんか。
そんな2人のやりとりを見ていた北くんは、真理愛とのつらい過去のせいで自分自身を嫌いになってしまったという西野をそっと抱きしめます。「西野さんが大好きだよ。だから自分を好きでいてほしいな」と元気づけようとする北くん。つらいとき、こんなふうに寄り添ってくれる人がいるのは心強いですよね。
絹子との突然の別れに悲しむ南に寄り添う北くん
一方、南は務める病院で長期入院している女優・絹子(萬田久子)が、話題のスイーツを買いに行こうとして病院を脱走したと騒ぎになったことから、代わりにスイーツを買いに行くことを約束します。南を相手に、「自分の幸せは自分で決めればいいの」と幸せについて熱く語る絹子はとってもキュートでした。しゃべりすぎて喉が渇いた、と訴える絹子に南が水を持ってくると……まさか、そこには静かに目を閉じる絹子の姿が。
いつもショッキングピンクのアイテムに囲まれて、自由で、強くて、チャーミングな女性だった絹子。絹子と南の会話を毎回楽しみにしていたのに、突然お別れなんて悲しすぎます。
南はマンションの屋上で、絹子と約束のスイーツを食べ、涙します。胸が締め付けられるような、切ないシーンでした。看護師の南にとって、職場に入院している患者さんの1人なのだとしても、お別れはつらいですよね。屋上にやってきた北くんが南の異変に気づき声をかけると、ぽろぽろと涙を流して「北くんはいなくならないで」と泣く南。このときも北くんが南をそっと抱きしめ、寄り添っていました。
さて、西野はというと、あることを伝えに仕事終わりの真理愛に会いに行きました。西野は、真理愛を責めたり謝罪を求めたりはせず、真理愛の気持ちに心を配り「だれかを傷つけたりしなくてもあなたは輝ける。自信を持って、がんばって」と励ましの言葉をかけるのです。西野の優しさがとてもすてきでした。
真理愛との話が終わった後、スッキリした表情の西野が大声で北くんを呼んで、走りながらハグするシーンがあったのですが、これが本当によかったです。頑張った西野と、ねぎらう北くん。2人の笑顔に、心が温かくなりました。
それぞれの区切りと北くんの過去への伏線
東子の母も貧血だったようで、命に別状はなく一安心。南・東子・西野それぞれの仕事、家族、過去の物語に区切りがついた……と思ったら、またしても南たちが住んでいるマンションの前に真顔で立っている女性の姿が。次回は、ベールに包まれている北くんの過去がついに明かされます。
文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。子育て系やエンタメ系記事の取材・ライティングを行う。
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