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ラブレターを書き換えろ! 吉岡里帆が失恋した幼い自分をなぐさめ励ますエモ回到来

2023.11.22

ラブレターを書き換えろ! 吉岡里帆が失恋した幼い自分をなぐさめ励ますエモ回到来

『時をかけるな、恋人たち』第7話レビュー

未来人の井浦翔(永山瑛太)と恋の逃避行をした結果、若かりし日の両親を結びつけることに成功した常盤廻(吉岡里帆)。そこで思いいたったのは、「40年前に来なかったら両親は結ばれず、未来の私たちはいないのでは」「私が過去にすべり込む未来は、最初から決まっていたんじゃないの?」──という仮説でした。自身のタイムトラベルは“必然”だという確証を得るために、廻と翔は2003年へ向かいます。

2003年7月20日は、初恋相手の諸星(柊木陽太)にラブレターを渡せず離れ離れになってしまった廻“後悔”の日。幼い廻(稲垣来泉)は失恋に心を痛め、泣いている自分をなぐさめ絵を描いてくれた“お姉さん”がいたことを思い出し、「彼女はひょっとしたら未来の自分ではないか」と言います。未来の自分が子どもだった時の自分を励ますだなんて、エモ回必至じゃん!
でも待って。第3回によれば、大人になって再会した諸星(ラランド・ニシダ)は「あの時、手紙くれたやろ?」「手紙をもらってうれしかった」と言って廻を食事に誘っていましたよね? 渡せなかったはずのラブレターが、なぜか諸星の手に渡ったことになっている。過去と未来の矛盾に胸騒ぎを覚えた廻が15分前に戻ると、翔の婚約者を名乗って廻を目の敵にしているリリリー(夏子)が公園のゴミ箱に捨てられた廻のラブレターを拾っているじゃないですか!

AIによる相性スコア「95」を記録しているリリリーと翔。何としても翔と結ばれたいリリリーは「廻は諸星と結ばれたらいい」と考え、過去を書き換えようとしたんでしょうね。でもそこは、廻の方が一枚上手でした。文字の手書きに慣れない未来人の翔によるラブレター(定規で線を引いたような、ぎこちない筆跡!笑)に誤字を見つけたことがきっかけで「つじつま合わせ」を思いつきます。

それは、リリリーに書き換えられた過去のさらに「昔」を変えること。廻と翔は2003年7月19日の夜に向かい、幼い廻が書いたラブレターの文面にとあるアレンジを施します。「ずっと好きでした。大きくなってまた会ったら、けっこんしてください」のうち、どこか1文字を変えるだけ。ヒントは、成長した諸星が廻を食事に誘う時の言葉です。第3話で「会社を休んでまで廻とごはん行きたいって……諸星、あなた職場では下心もっと隠しなさいよ」とほくそ笑んだ記憶が思わずよみがえりました。
鮮やかな伏線回収に「脚本の上田誠さん今回もあっぱれ!」と膝を打っていたら、幼い廻を現在の廻がなぐさめ励ますエモシーンが到来しました。改心したリリリーの粋な計らいで、描かれた絵にはアニメーションが! こんな強烈な原体験があったら、子どもの廻がアートディレクターを目指すのは“必然”だろうよ。ここにも歴史の因果がしのばせてあって、なんだか感じ入ってしまいました。

「このあと大学で廻と僕は出会う、デザイン科の学生として」と廻に語りかける翔。予告にもあったように、次回は廻と翔の出会いが描かれる模様! 婚約破棄して廻への恋心を告白した後輩の広瀬航(西垣匠)がタイムボードに乗っている姿も映し出されていました。恋の超展開、いよいよ佳境でしょうか?

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文:岡山朋代
編集・ライター。ぴあ、朝日新聞社「好書好日」など主にエンタメ系メディアで取材・執筆を手がける。
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