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時間犯罪者と金もうけする悪上司の尻尾をつかめ! 吉岡里帆“廻”と永山瑛太“翔”が深夜のオフィスに潜入

2023.12.06

時間犯罪者と金もうけする悪上司の尻尾をつかめ! 吉岡里帆“廻”と永山瑛太“翔”が深夜のオフィスに潜入

『時をかけるな、恋人たち』第9話レビュー

タイムパトロールで違法トラベラーを取り締まりながら、恋の逃避行をしている常盤廻(吉岡里帆)と未来人の井浦翔(永山瑛太)。前回は10年前の大学時代にさかのぼり、若かりし2人の甘酸っぱい恋の始まりから終わりが描かれました。別れ際、大教室でキスする2人を見つめる2023年の廻と翔は「もう二度と記憶は消させない」「今度こそ結ばれようね」と誓い合って、なんだかいいムードに。
そこへ現れたのはタイムパトロール隊の同僚・天野りおん(伊藤万里華)。影ながら2人の恋路を応援する天野がもたらしたのは、「逃避行が隊長にバレた」というバッドニュースでした。基地に連れ戻された廻と翔は、隊長の和井内秀峰(石田剛太)から歴史を改変し金もうけしていると誤解される始末。「純粋に恋の逃避行をしている」と訴える真顔の2人と、「そんなピュアな話ないだろ」と呆気に取られる和井内のギャップにニヤついてしまいます。
廻と翔をとがめることなく、通常のタイムパトロール業務へ送り出す和井内。彼からもたらされたのは、廻が勤める広告代理店の上司である「猿谷昇(岩谷健司)の尻尾をつかんでくれ」というミッションでした。なんでも猿谷は、時間犯罪者と手を組んで金もうけをしているとか。廻も思い当たるフシがあるようで「2022年秋ごろからトレンドを読むのがうまくなった」と振り返ります。未来の情報は、広告代理店にとって「金のなる木」といっても過言ではないですからね。

前回、天野から「時間犯罪者を捕まえ昇進すればタイムパトロールの任期が延長され、一緒に過ごせる時間が長くなるのでは」と入れ知恵された廻と翔は、がぜんやる気スイッチオン! さっそく1年前のオフィスに忍び込み、猿谷の執務室をあさり始めます。すると、出てきたのは「2023年 未来予測」と書かれた紙の資料。「サッカー日本代表決勝進出」「Z世代で“蛙化現象”が話題」「侍ジャパンWBC優勝」など、2022年秋には知り得ないであろう今年のトピックスが盛りだくさんでした。
戦果を持ち帰ろうと忍び足でオフィスを出ようとする廻と翔でしたが、受付の梓若菜(田中真琴)に見つかってしまいます。廻の後輩・広瀬航(西垣匠)からデートをドタキャンされた梓は、意気消沈モード。ですが、広瀬とプレゼン準備している廻(2022年)と目の前にいる廻(2023年)の存在に大混乱! 窮地に立たされた2人は、なんと梓を味方に引き入れてしまいました。

広瀬とSF映画談義に花を咲かせたい梓は、SF用語をノートにまとめて読み返す健気な感性の持ち主。タイムパトロールしている、と明かす廻のミッションにも協力的で話が早かったですね! 廻と広瀬がプレゼン資料を作成していた柚子胡椒キャラメルの販促手法に彼女が“一枚”かんでいるくだりは、上田誠さんの脚本がなせるあたたかいエピソードでした。

この梓さん、前回ラストで広瀬を追って廻の大学へタイムトラベルしていましたよね! 2022年秋の段階で広瀬との恋愛成就を予感させ、その後に付き合って婚約までしたにもかかわらず、2023年秋には破局。廻に思いを寄せるようになった広瀬は、恋の逃避行する2人を追って2013年の世田谷大学へ。この間、彼女と広瀬に何があったんでしょう? 広瀬はなぜ心変わりしたの? めっちゃ気になる!
そして猿谷が会っている時間犯罪者は、最近見かけなかった「あの人」であることが判明しましたよ。マジか、こんなに伏線張り巡らして、あと2話でどう回収するの? と考えていたら、次回予告ではこれまでの違法トラベラーが走馬灯のように現れ、廻がモノローグで「2周目の私はすべての“つじつま”を合わせようと……」と語っているじゃないですか。髪をツンツンに立たせた未来人っぽい津田寛治さんの姿も! この期におよんで新キャラを登場させるとは、まだまだ魅せてくれそうです!

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文:岡山朋代
編集・ライター。ぴあ、朝日新聞社「好書好日」など主にエンタメ系メディアで取材・執筆を手がける。
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