前回、「Xの正体がわかった」と湯川に電話をした片桐(米本学仁)が、血まみれで発見されるという衝撃のラストでした。殺されてしまった片桐の第一発見者である湯川(沢村一樹)は容疑者とされ、湯川班もこの殺人事件の捜査から外されてしまいます。
信頼する湯川が犯人扱いされて怒る中西(徳重聡)は、湯川の無実を証明しようと自分1人でも捜査しようとします。しかし、勝手な行動をたしなめる藤堂(松本まりか)とぶつかってしまい、湯川班はバラバラに。湯川がいないピンチだからこそ、チームで団結してほしいのに……と切ない気持ちになりました。
一方、事情聴取で万町署を訪れていた、クレープ屋「C×C」アルバイトの美和(前野えま)と話をする円。「店長のニコニコが大好きだから、いつもニコニコしていようと思っていたのに……」と涙を流す美和の言葉に、思わず私ももらい泣きしてしまいました。円はいつも「C×C」のクレープを食べて元気をもらっていましたよね。画面越しに見ていた私も、片桐と美和の笑顔に元気をもらっていたんだなぁと気づきました。前科7犯でありながらもクレープ屋の仕事をして社会復帰した片桐と、3歳のころに両親を強盗に殺害されてしまった美和、その2人を引き合わせたのも湯川です。やっぱりそんな湯川が片桐を殺すわけがないじゃないか!
やりきれなさを抱える円は、さらに榊山官房長(福井晶一)から万町署が予定通り統廃合されると告げられます。「経費削減の目標を達成したら統廃合はないと約束したじゃないですか!」と円が反論すると「そんな約束しましたか?」と榊山。こいつ、なんて汚いんだ!!と見ているこちらまで憤りを覚えました。
そのシーンの直後のオープニングで流れた曲、4人組ロックバンドLEEVELLES(リーベルス)の『地獄の沙汰も愛次第』の歌詞「『大切なものを守るために汚れるしかない』そうだろうか?」が、心に突き刺さるようです。
一度はバラバラになりかけた湯川班でしたが、藤堂、大竹(JP)、月村(前田拳太郎)、中西のそれぞれが落ち着いて考え直し、「湯川は片桐を殺すような人じゃない。自分たちで真犯人を見つけたい」とメンバー全員が同じ気持ちであることがわかります。上からの命令にかかわらず、自分たちが信じる仕事をしようとする湯川班メンバーたちの姿に、胸が熱くなります。これまでより一層、チームの絆が強くなった気がしました。
監視下をすり抜けて姿を消していた湯川と接触した円は、湯川から「片桐を殺したのはXだ」と聞きます。そこで円と湯川班は、1億円盗難事件の捜査で足りなかった防犯カメラの画像と、西尾参事官(隈部洋平)が持っていたデータを調べることに。一見無関係にも思えるようなデータから、小さなピースが少しずつつながり始め……湯川班は片桐殺人事件の真犯人は万町署の窃盗犯係・真壁(安藤嗣海)だと突き止めます。X(旧Twitter)では、「湯川さん不在で事件の解決に熱くなる湯川班が最高だった」「湯川班の団結力凄かった!」「湯川班の一人ひとりの思いに感動した」と、協力し合う仲間たちの姿に心動かされた人が多かったようです。
だけど、本当に真壁がXなのか?ちょっと釈然としません。第8話で西尾参事官が「消えた1億円を盗んだのはXだ。ただし真実を見つけたら警察にはいられなくなる」と言っていました。その言葉からは、所轄の窃盗犯係である真壁がXではないんじゃないか?と考えてしまいます。
取調室で管理官(佐野泰臣)から片桐を殺した理由について取り調べを受けた真壁は「Xは僕だけじゃない」と言います。共犯者の名前を口にする真壁の唇だけが映されるラスト。その唇は「湯川さん」と動いているように見えます。さらに、芹沢家の墓の前にたたずむ湯川が映し出され……いやだ!そんなわけない!と叫びそうになったところで第9話が終了しました。
警察のスキャンダルを追っていた新聞記者・芹沢詩織(石井杏奈)の転落事故死の真相もわからないまま、Xが一体だれなのかもはっきりしないまま。X(旧Twitter)でも、「湯川なわけないだろ!…ないよな?」「Xが複数人いるとは予想外!」「Xが湯川さんだって、だれかに言わされてるのかな」とXの正体を考察する投稿がたくさん見られました。クライマックスに向かってどんな展開を見せるのか、次回も見逃せません。
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公式X(旧twitter) 公式Instagram 公式HP
文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。「たまひよ」など主に子育て系メディアで取材・ライティングを行う。
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