長谷川慎(THE RAMPAGE)主演『顔のない患者-救うか、裁くか-』 第3話レビュー
外科医である主人公・都築亮(長谷川慎)が医師として“命を救う”のか、愛する人を守るために“命を奪う”のか——極限の選択を迫られていくノンストップ・ヒューマンサスペンス『顔のない患者-救うか、裁くか-』(カンテレ/毎週木曜深夜0時15分~、フジテレビ/毎週木曜深夜0時45分~)。その第3話が1月22日に放送されました。
都築は、正体不明の“カオナシ”に妻・美保(さかたりさ)を誘拐され、妻の命と引き換えに爆弾魔・朝比奈伊織(高橋侃)を「殺せ」と脅迫されています。
◆“新たな指令”と“疑惑の目”——双方向から追い込まれる
(以降、第3話のネタバレを含みます)
第2話で都築が警察に連絡した“罰”として、美保は太ももを刺され、選択の残り時間は30分に短縮されてしまいます。そしてカオナシはある女性の画像を送り「女性の身元と居場所を30分以内に突き止めれば、制限時間を元に戻す」と、新たな条件を突きつけました。都築には見覚えのない画像の女性——看護師・泉みなみ(樋口日奈)と画像検索を進めることで、名前が“オガタマツリ”であることが浮かび上がります。
一方で病院には、「朝比奈伊織を見つけました」という通報が都築によるものではないかと疑う刑事・鷲尾和臣(飯田基祐)と県警本部管理官・高槙倫(梅舟惟永)が来訪。看護師・萩田太朗(曽田陵介)が、都築をかばうかのように「帰宅したかもしれない」と伝えるも、ふたりは院内を捜索しはじめます。
警察の目を避けて、“オガタマツリ”の身元を割り出すために外来診察室へ移動する都築。電子カルテで“オガタマツリ”を検索します。ところが、まさにその瞬間に鷲尾と高槙が踏み込んできました!タイムリミットの秒針と、警察の視線と、カオナシの監視が同時進行で迫ってくる圧が凄まじく、「どこまでも追い込まれる」都築の感覚がヒシヒシと伝わってきます。
◆“オガタマツリ”こそが、“都築の罪”をあぶり出すトリガーに
カルテに表示されたのは「尾形茉莉(26歳)/外傷性ショックにより死亡」という冷酷な事実でした。都築がカオナシに「もうこの世にはいない」と告げた瞬間、物語は“命の選択”から“罪の追及”へとギアを上げます。カオナシは「ペナルティを解除するための簡単なゲームのつもりでした。でもまさか、先生が顔も名前も忘れてるなんて」と言い放ち、さらに「言え!! 三年前、お前はどんな罪を犯した?」「普段は正義の医者ぶってるくせに。人ひとり殺しておいて」と、都築の“核心”を抉(えぐ)る言葉で畳みかけます。
フラッシュバックする爆破事件当日の記憶、救急車、トリアージ——都築は「あれは、仕方なかったんだ…」と絞り出すも、言葉になりません。そして、タイムリミットは朝8時に再設定されるも、朝比奈伊織か自分の妻かを“3年前と同じように”、今度こそ選べと告げられるのです。
終盤、都築は泉に尾形茉莉が、3年前に爆破事件の被害者であり、亡くなっているということを伝え、「救えなかった患者だ。助けられなかった…見捨てたのと同じだ」と、吐露します。妻の命を選択したことによって、守ることができなかった命の重さ。第1話から積み上げてきた“選択できない”都築の背景が浮き彫りになり、どうしようもなく追い詰められた都築の表情から、その残酷な苦悩に胸が締め付けられます。
◆カオナシの共犯者と、復讐(ふくしゅう)の輪郭を考察する
“ペンギンのぬいぐるみ”によって、カオナシと尾形茉莉には接点があったことが伺えます。また彼女のことを忘れていた都築を目の前にした際の、カオナシの激昂からしても、カオナシの目的は尾形茉莉の復讐といって差し支えないでしょう。現在、復讐の矛先は、都築亮、妻の美保、そして爆弾魔・朝比奈に向けられていますが、“それだけではない何か”も感じます。
第3話までの流れを見ても、カオナシの真の目的を探るにしても、共犯者の存在も欠かせそうにありません。筆者がまず怪しいと感じているのは、泉の都築への“近さ”。都築が朝比奈を病院に運び込んだときからずっと、常に都築の近くには泉がいます。第2話で都築が警察に連絡した瞬間に、カオナシから脅迫の電話がかかってきたことも、泉が共犯であれば説明がつきます。第3話でもどこかから電話を受けて、真剣に頷(うなず)く、泉の意味ありげな姿がありました。ミスリードかもしれませんが。
そして、もう一人。萩田です。警察から都築をかばっているように見えますが、都築と警察の接触はカオナシも望んではいないはず。萩田が都築をかばう理由も、どこか曖昧です。病院にカオナシの協力者がいる可能性が濃厚になるなか、誰が味方で、誰が敵なのか——第1話から続く「クセ者揃(ぞろ)い」の構図が効いてきています。
第3話で、都築が狙われている原因が見えてきました。しかし、医師として迫られる“命の選択”そのものは、むしろ一段と残酷に更新されていきます。まもなく、夜が明けます。警察の目が光るなか、都築の選択はいかに?!
文:鈴木まこと
編集プロダクション・広告制作会社で編集・ディレクター・ライターとして活動。年間100本以上観るほどドラマ好きで、エンタメライターとしても執筆中。
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