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奈緒vs木梨憲武の“父娘”ゲンカ勃発! 決着は3ヵ月後の『春になったら』スタート

2024.01.16

奈緒vs木梨憲武の“父娘”ゲンカ勃発! 決着は3ヵ月後の『春になったら』スタート
奈緒さんと木梨憲武さんが父娘を演じ、命を通じて互いの存在に向き合うドラマが始まりました! 1月15日(月)よりスタートした『春になったら』は、3ヵ月後に結婚する娘・椎名瞳(奈緒)と3ヵ月後にこの世を去る父・椎名雅彦(木梨憲武)がそれぞれ「結婚までにやりたいこと」「死ぬまでにやりたいこと」をかなえていく日々を描く“ハートフル・ホームドラマ”。『HERO』『まんぷく』『龍馬伝』などで知られる福田靖さんによるオリジナル脚本で、監督は、近作ではドラマ『きのう何食べた? Season2』を担当した松本佳奈さん、映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』(2023年)でメガホンを握った穐山茉由さんが務めます。
6歳で母を亡くしてから、父・雅彦とひとつ屋根の下で支え合って暮らしてきた瞳。助産師の仕事に誇りを持ち、杉村節子(小林聡美)率いる助産院で新しい命の始まりに立ち会える瞬間にやりがいを感じています。一方の雅彦は、頑固で破天荒な自由人。男手ひとつで育てた瞳を愛し、持ち前のキャラクターと話術を生かしながら実演販売士として売上No.1の成績をあげることも。

そんな父と娘が迎えた2024年元旦、2人はともに「報告したいことがある」と切り出します。「せーの!」で同時に、瞳は「3ヵ月後に結婚します」、雅彦は「3ヵ月後に死んじゃいます」と告白。雅彦は、瞳の恋人である川上一馬(濱田岳)が10歳年上の売れない芸人と知って結婚に猛反対。対する瞳も「ステージ4の膵臓(すいぞう)がん」という雅彦の告白をつまらない嘘と決めつけ、「反対されても絶対に結婚する」と言い張ります。瞳もなかなか強気で頑固。雅彦ゆずりってわけですね。
瞳は、大学時代の写真部仲間である岸圭吾(深澤辰哉)と大里美奈子(見上愛)にも一馬との結婚を報告。素直に祝福する美奈子に対して、圭吾は「売れないお笑い芸人だぞ、絶対苦労するよ」と納得いかない様子。瞳と分かれた帰り道でも「意味わかんねえ、絶対別れると思ったのに」と文句を垂れる圭吾に、美奈子は「瞳は覚悟を決めたんだよ」と伝えますが……2人とも複雑な表情を浮かべていますよね。瞳に想いを寄せる圭吾のことを、美奈子は好きなんですね。友人同士の三角関係、今後も見逃せません!

何とかして父に結婚を認めさせ、祝福してもらいたい──。そこで瞳は雅彦の言い分を確かめるべく、主治医のもとを訪ねます。その帰りに担当している妊婦の草野朋美(菊池亜希子)が産気づいた連絡を受け、助産院へ。慌てふためく朋美の夫・誠一郎(近藤公園)をなだめ、節子や同僚の助産師・斉藤愛里(影山優佳)と協力しながら安全な分娩を目指す中で、瞳は父との思い出や主治医の言葉を思い出していました。
主治医から聞かされたのは、「治療を受けない」という雅彦の意向。産まれ来る命と死にゆく父の対比が皮肉にも鮮やかに描かれ、強く揺さぶられる瞳の感情に共感して思わず涙してしまいました。身近な人の死を受け入れがたい気持ち、本当によくわかります。その後は「俺の終わり方は、俺に決めさせてくれよ」と訴える雅彦に、瞳が「お願いだから、私のために治療を受けてよ!」と悲痛に叫ぶシーン。間違いなく、第1話のハイライトと言えるでしょう。

もうひとつのハイライトは、瞳が友人の圭吾・美奈子と来ていた一馬のお笑いライブに雅彦が乱入するシーン。詳しくは本編をご覧になってのお楽しみですが、「こんな父親はイヤだ」言動のオンパレードが何とも笑いを誘います。娘に対する愛情ゆえ手荒な策をとる木梨“雅彦”のおかしみ、翻弄される奈緒“瞳”の反撃、雅彦の追及をうまく交わせずすべり倒す濵田“一馬”による三位一体の芝居合戦、さらにここで明かされる「とある事実」を含めてぜひ見届けてください!
にしても、奈緒さんのブチギレ演技や目まぐるしく変わる表情にはほれぼれしますね。木梨さんと対峙(たいじ)するラストは、主演した連続ドラマ『ファーストペンギン!』(2022年)で見せた、暴言を吐いた漁師の胸ぐらをつかみ長ゼリフでたんかを切るシーンを連想しました。普段は穏やかでかれんな空気をまとっているのに、そのパワーや迫力はどこから生まれてくるんでしょう。命を題材にした作品でありながらシリアス一辺倒にならず、どこかユーモラスな空気が流れるのは、奈緒さんがコメディエンヌとして健闘しているからではないでしょうか。親子・恋人・友人関係に風穴を開けていくであろう瞳の姿に、今後も期待です!

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文:岡山朋代
編集・ライター。朝日新聞社「好書好日」、ぴあ各メディアなどで主にカルチャーやエンタメ分野の取材・インタビュー・執筆を手がける。
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