安田顕、どんな人物を演じるときも「肯定される瞬間は必要、僕自身がその人を肯定したい」

安田顕、どんな人物を演じるときも「肯定される瞬間は必要、僕自身がその人を肯定したい」
ドラマ『夫に間違いありません』で、家族の前からこつぜんと姿を消し、1年後に妻・朝比聖子(松下奈緒)のもとに帰ってきた一樹。聖子たちの人生の歯車を大きく狂わせるきっかけとなった一樹を演じたのが、安田顕さんです。何を企んでいるのか、その胸の内が見えない一樹。安田さんはそんな彼のキャラクター像をどのように捉えているのか、話を聞きました。
—— ドラマ序盤から一樹はいったい何を企んでいるのか、彼の気持ちが読めませんね。

災いをもたらす存在であることは確かです。またそれが、ドラマをおもしろくしていると思います。視聴者の皆さんは一樹という人間に対して「なんなんだ、こいつは」となるはず。嫌悪感を抱いてもらう方がストーリーとしておもしろくなります。自分の役割的にもそういう感情になってもらいたいです。また各登場人物も、どこまでが利他で、どこからが利己なのか。みんな、その境目を持っているのではないでしょうか。


—— 一方で、一樹が抱える弱さやプレッシャーはどこか理解できます。

本当であれば、見ている方々にとって一樹は“自分とは無縁の存在”でないと困りますよね。でも、おっしゃることはよく分かります。

これは今作に限らない話ですが、実話であれ、フィクションであれ、そしてその人物が悪人であれ、善人であれ、その人が生まれて死んでいったということは物語上ですが必ずあります。それはつまり、その人がとんでもなくダメな人間でも、誰かは肯定しないといけないということなんです。

もちろん何において肯定する部分があるかは分かりませんが、どんな人物でもそういう肯定される瞬間は必要だと個人的には考えています。そして、もしそれを自分が演じるのであれば、少なくとも僕自身はその人のことを肯定してあげたいです。
朝比一樹(安田顕) 【夫に間違いありません・第1話】

朝比一樹(安田顕)
【夫に間違いありません・第1話】

—— なるほど。

すべての人に当てはまるわけではないですが、幸せの基準をお金で換算する場合は多いですよね。そういえば、お正月に人生ゲームをやったんですけど、ゴールで待っているのはプレイヤーの総資産なんです。子どもの頃からそのゴールを目指して遊んでいたので、やはりそういう一面が根付いているのだと思います。それが一樹だけではなく多くの登場人物に当てはまるように感じます。その中で、どこかのタイミングで「お金じゃないよ、幸せは」と気づくこともある。このドラマは、見ている方にとって遠い場所にある物語であってほしいですが、それでも「遠すぎず、近すぎず」と感じるということは、現実として幸せとお金が結びついているからだと思います。

—— その幸せが行き場を失ったことから一樹は一度、姿を消しましたね。

「子どもたちにいい教育を受けさせてあげたい」「自分のことで家族に迷惑をかけたくない」という気持ちから一生懸命頑張ってきたけど、自分ではどうしようもなくなってしまう。そして「よし、逃げちゃおう」って。もちろんそんな一樹に対して「何をやってるんだ」となるかもしれない。自分がそういう状況になったとき、本当に強くいられるのかどうか。理想はそうありたいし、そうあるべき。でも、現実はそういうわけにはいきません。
朝比一樹(安田顕) 【夫に間違いありません・第2話】

朝比一樹(安田顕)
【夫に間違いありません・第2話】

—— そんな中で、一樹はどのようにして居場所を見つけていくのかが物語の一つのポイントになっています。

彼が家族というものをどのように大切に想っているのか。ただ、ひょっとしたら1話を見る限り、完全な依存にも感じられました。「自分が犠牲を払っているんだ」という考え方が拭えない。つまり利己なんです。そんなつもりじゃなかったんだと言っていて、それが嘘でもないだろうけど、本当のことも全部は言っていませんよね。
朝比一樹(安田顕) 【夫に間違いありません・第2話】

朝比一樹(安田顕)
【夫に間違いありません・第2話】

—— そして一樹は、“荒河亮介”の偽名を使って自分を偽り、生きることになります。外へ出るときもバレないように帽子を深くかぶったり。ちなみに俳優などタレントのみなさんは私生活で同じように、人目につきすぎないように帽子やマスクをして行動されることが多いと思います。そういう点で、自分の素性がバレないように生活する一樹の行動の不自由さや窮屈さは共感できる部分もあるのではないですか。

たしかに帽子やマスクをして歩くことが多いのですが、一方でそういう状況って“喜劇”と思うこともあるんです。
朝比一樹(安田顕) 【夫に間違いありません・第3話】

朝比一樹(安田顕)
【夫に間違いありません・第3話】

—— というと?

「すみません、写真いいですか」と声をかけられるんです。「いいですよ」とお答えしたら、撮る側だったとかね。

—— 実際にそんなことってあるんですね!

あります。でも、それでいいんです。成功なんです。バレなくていいワケですから。ご迷惑をおかけしたくないからマスクと帽子をつけているので、そんなときに「写真いいですか」とスマホやカメラを渡され、シャッターを押す。それでいいんです。でも人それぞれだと思いますが、芸能の仕事をしている人はどこかで承認欲求の強さは拭い切れないわけなんです(笑)。
朝比一樹(安田顕)、朝比聖子(松下奈緒) 【夫に間違いありません・第4話】

朝比一樹(安田顕)、朝比聖子(松下奈緒)
【夫に間違いありません・第4話】

—— ハハハ(笑)。

「これで正解なんだよな、そうだよな」と自分を納得させるけど、ちょっとモヤモヤして(笑)。きっと、マスクをせず、帽子をとって歩いても大丈夫なんでしょうね。「なんだ、全然大丈夫じゃないか!」と言いながら自宅に帰る。そういうふうに楽しく考えていた方がいいですよね。
朝比一樹(安田顕) 【夫に間違いありません・第5話】

朝比一樹(安田顕)
【夫に間違いありません・第5話】

—— 最後に今後の物語のポイントを教えてください。

それはやはり、松下奈緒さんが演じる聖子です。彼女をはじめ、それぞれの登場人物は追い詰められたとき、どういう行動を取るのか。それがポイントです。人間の信頼関係も関わってきますし、サスペンスとしても飽きさせません。なによりおもしろいのはやはり最終回です。台本を読んだとき、僕はグッときて「これはおもしろい」と納得しました。そんな最終回のために、第1話からしっかり見て欲しいです。
ドラマ『夫に間違いありません』(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)
放送:2026年1月5日(月)スタート(初回15分拡大)毎週月曜よる10時〜
出演:松下奈緒、桜井ユキ、宮沢氷魚、中村海人、松井玲奈、山﨑真斗、吉本実由、白宮みずほ、大朏岳優、二井景彪、磯村アメリ・前川泰之、朝加真由美・余 貴美子、安田顕、ほか
miyoka
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