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生きる理由を“父”木梨憲武に! “娘”奈緒がバツイチ子持ちの売れない芸人と結婚したいワケ

2024.01.23

生きる理由を“父”木梨憲武に! “娘”奈緒がバツイチ子持ちの売れない芸人と結婚したいワケ
第1話のラストで、瞳(奈緒)の婚約者・一馬(濱田岳)のお笑いライブを1人で偵察しに行った雅彦(木梨憲武)は、一馬がバツイチ&子持ちと知って大激怒。追い詰められる父に助け舟を出した一馬の子・龍之介を、雅彦が「黙れ子ども!」と一喝した瞬間、X(旧Twitter)は「子ども呼ばわりツボるwww」「アカン吹いたwwwww」の嵐。ちなみに龍之介役の石塚陸翔くん、奈緒さんがシングルマザー役で主演した連続ドラマ『ファーストペンギン!』(2022年)で息子役を演じていましたよね。『春になったら』でも、親子になれる……のか?

友人の岸(深澤辰哉)と美奈子(見上愛)をはじめとする観客の前で、人目もはばからず激しい言い争いを繰り広げる瞳。余命わずかな末期の膵臓(すいぞう)がんでも「治療はしない」と言って聞かない頑固な雅彦にそっくりです。一馬を全否定され怒り心頭の瞳は、一度キャンセルした結婚式を決行する気まんまん。痛みをやわらげる緩和ケアだけで済まそうとする雅彦を「反対するなら長生きしなきゃね?」とあおるなど、積極的な治療を受けてほしい必死さが伝わってきます。元気な父に祝福されて結婚したいのよね。気持ち、わかるよ。
一方で体に異変を感じ始めた雅彦は、瞳の「結婚までにやりたいこと」リストにならい、自らも「死ぬまでにやりたいこと」リストをつくります。

死ぬまでにやりたいことリスト!

・伊豆に行く!
・神(じん)に謝る!
・遊園地で はしゃぎまくる!
・友だち呼んでホームパーティー!
・タイムカプセルを開ける!
・英語をマスターする!?(ムリか!)
・カズマルを瞳から追い払う!!
これまでの人生でやり残したことや、過去と向き合おうとする雅彦の思いを聞いた瞳は、ますます訳が分からなくなるのでした。自分という娘がいながら、なぜ死を受け入れようとしているのか──。そこで主治医である阿波野弘(光石研)を訪ね、雅彦の真意を聞き出そうとします。「ご高齢ならともかく、痛み止めだけ出してくれたらいいとおっしゃる方は珍しく驚いた」という阿波野に、瞳は雅彦から結婚を反対されていることを相談。「私の結婚が父の未練や生きる理由になるなら、話をどんどん進めてもいいですよね?」と息巻く瞳、うろたえる阿波野の掛け合いがなんともおかしいこのシーン、注目です。

阿波野と話したことで「父にプレッシャーをかけ、治療を受ける気にさせればいいんだ」と思いいたった瞳の“迷走”ぶりは続きます。瞳本人は気づいていないものの、彼女を密かに思う友人の岸に結婚式の司会を依頼する始末。リアルタイム視聴しながらX(旧Twitter)をのぞいたら、「好きな女に結婚式の司会頼まれるのさすがに不憫すぎるな」「ふっか、仕事中にスマホ見たらとんでもない爆弾送られててかわいそう」と反応がありました。岸に好意を抱く美奈子も絡みながら、このトライアングルは今後どんな風に発展していくか。ぜひ見守りましょう。

父へのプレッシャー作戦は、一馬との顔合わせにも発揮されました。苦労せず東大に入れるほど地頭のよい天才肌(八王子の神童!笑)にもかかわらず芸人として毒がなく面白くない、プロポーズは瞳から、経済力がない上に子どもがいる、甲斐性がなく前妻に浮気され離婚など、雅彦の“失望”ポイントを次々に稼いでいく一馬のプロフィール。案の定「こんな男と娘を結婚させるわけにいかない!」と父の怒りボルテージは最高潮に達し、その場を飛び出してしまいます。雅彦に生きる理由をもたらし治療に向かわせたい瞳、一馬、雅彦の姉・まきの思惑は、いちおう目的を果たせたといえるのでは。

その後、父娘は雅彦のリストにあった伊豆旅行へ。伊豆は雅彦と母・佳乃が出会った地。二人のなれ初めを聞きながら、瞳はなぜ一馬にひかれたのかを雅彦に自然と打ち明けていました。前の職場を辞めたいと考えるほど大きな挫折感を味わっている瞳を救ったのが、人を傷つけることのない一馬のお笑いネタ。「私のこと慰めてくれたのかと思って、やっと笑えたの」「カズくんといるとホッとして、私まで優しくなれる」という瞳の言葉をさえぎらず、黙って聞く雅彦の娘に対する愛情に涙しました。
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文:岡山朋代
編集・ライター。朝日新聞社「好書好日」、ぴあ各メディアなどで主にカルチャーやエンタメ分野の取材・インタビュー・執筆を手がける。
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