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“娘”奈緒が“父” 木梨憲武のタイムカプセルの掘り起こし!手紙に書かれて揺さぶられる感情

2024.03.12

“娘”奈緒が“父” 木梨憲武のタイムカプセルの掘り起こし!手紙に書かれて揺さぶられる感情
雅彦(木梨憲武)の「死ぬまでにやりたいこと」リストへ、ついに「瞳(奈緒)の結婚式に出席する!」が追加された前回。一方、ラストには瞳の親友で葬儀会社に勤める岸(深澤辰哉)のもとを訪ねる雅彦の姿が描かれました。膵臓(すいぞう)がん末期の痛みを抱えても娘の幸せに向き合い、自身の最期に目を背けず天寿をまっとうしようとする雅彦の強さに感じ入る第8話でした。

今回は、その続きから。雅彦は、岸に「パーティー形式の楽しい葬式にしたい」「頼むよ司会、明るく」「みんなが笑っちゃうような遺影がいい」とオーダー。前例のない依頼に戸惑いながらも、岸は瞳に遺影の撮影を提案します。瞳も「お父さんが喜ぶなら」と了承。瞳と同じ大学の写真部で同じく親友の美奈子(見上愛)を交え、椎名家で撮影会が行われることになりました。
そうか、だから冒頭で写真部の活動風景が挟まれたんですね! 瞳は佃煮屋で働く人たちを、岸(スナフキンのような中折れ帽でオシャレしてる!若い!)は佃の船だまりを、美奈子は街歩きの最中にすれ違ったペットや住宅街の窓から顔を出す子どもたちをそれぞれカメラに収め、月島のうどん屋で見せ合っていました。瞳の写真を見て「(佃煮屋の)おばちゃんたち、すごい自然」「瞳に心を許しているのがわかるわ」と感心する岸と美奈子。「人を撮るのが好き」という瞳の個性や人間性が、撮影対象から浮かび上がります。

そんな瞳が映し出す、雅彦の遺影撮影会。写真部さながらの雰囲気で和気あいあいと準備する3人の姿に目を細めつつ、雅彦は底抜けの明るさで次々とポーズを繰り出します。グラッチェ椎名(=雅彦が実演販売していた時の芸名)の決めポーズをはじめ、瞳の婚約者で芸人の一馬(濱田岳)が持ちネタ「ドンマイカズマル」中に見せるジェスチャーまで。雅彦、もうすっかりカズマルくん(=一馬の芸名)がお気に入りですね。結婚に反対していたとは思えません(笑)
夢中でシャッターを切る瞳だけでなく、撮影を手伝ってくれた岸と美奈子にも改めて感謝の気持ちを伝える雅彦。特に親友2人には、心付けを渡していました。「(瞳と)2人でお昼でも」と恐縮しながら受け取った美奈子はその後、瞳と昼食へ。このランチスポット、撮影写真を見せ合う写真部の回想シーンに登場した月島のうどん屋じゃないですか! 丼をつつきながら「大学の頃に戻ったみたいで楽しかった」と笑う瞳と美奈子の友情に乾杯。当時を思い出し、「あの店に行ってみようか」と話題に上がったんじゃないでしょうか? 微笑ましいなぁ。
一方で、咳き込む症状が出てきた最近の雅彦。緩和ケア医の阿波野によれば、ガンが肺に転移していました。自分に残された日々の少なさを実感しつつ、雅彦は「死ぬまでにやりたいこと」リストに意識を向けます。
●ここでおさらい!雅彦の「死ぬまでにやりたいこと」リスト

瞳の結婚式に出席する!
・伊豆に行く!【第2話】
・神(じん)に謝る!【第4話】
・遊園地で はしゃぎまくる!【第3話】
・友だち呼んでホームパーティー!【第6話】
タイムカプセルを開ける!
英語をマスターする!?(ムリか!)【=日々実践中?数話にわたって勉強している様子が描かれている】
・カズマルを瞳から追い払う!! 【第6話で取り消す】

太字=未達成の項目
残る項目は3つ。そのうち、今回は後半で「タイムカプセルを開ける!」が描かれることに。小学校の校庭に埋めたタイムカプセルを掘り起こそうにも、痛みが慢性化し体力が落ちている現実。半ば諦めかけている雅彦の代わりに、瞳と一馬が現地の様子を見に行くと……「廃校」の看板と一緒に工事用のフェンスが立ち並んでいます。

その後、強行突破してタイムカプセルを掘り起こす瞳と一馬の悪戦苦闘エピソードがひたすらおかしかった! 夜間の小学校へ忍び込み、警官に見つかった途端に「ドンマイカズマル」のジェスチャーで瞳だけを逃す一馬。父のもとにタイムカプセルを届け、「未来のぼくへ」と題された手紙を一緒に読んでしんみりしたあと……瞳は交番で取り調べを受けている一馬の存在をやっと思い出します。徹夜で話を聞かれていたであろう一馬の反応も含めて、声を出して笑ってしまいました。
今回の涙腺決壊ポイントは、雅彦が未来の自分に宛てた手紙を瞳と読むシーン。「スターになっていますか?」「空飛ぶ車に乗っていますか?」「ノストラダムスの大予言は当たりましたか?」「宇宙旅行には行きましたか?」「お姉ちゃんは真面目になっていますか?」という12歳の子どもらしい質問にほのぼのしつつ、「世界1かわいい人と結婚して こどもは10人家族 仲良く暮らしていますか?」「100歳まで生きていますか?」の問いかけに対する雅彦の回答と瞳の反応がたまりません。

四半世紀後の2021年、筆者も小学6年生の時に埋めたタイムカプセルを掘り起こしました。雅彦と似たような手紙が封入されており、過去の自分から「子どもは何人いますか?」などと無邪気に聞かれることに。何ひとつ実現していない当時の自分に苦笑したのを思い出しながら、このレビュー執筆を機に再び取り出してみました。すると自然に「幼い自分に恥じない私でいたい」という思いが芽生えます。命の終わりを目前に控え、天寿をまっとうしようとする雅彦の気持ちが少しだけわかったような気がしました。
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文:岡山朋代
編集・ライター。朝日新聞社「好書好日」、ぴあ各メディアなどで主にカルチャーやエンタメ分野の取材・インタビュー・執筆を手がける。
miyoka
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