“娘”奈緒が“父” 木梨憲武のタイムカプセルの掘り起こし!手紙に書かれて揺さぶられる感情
2024.03.12
今回は、その続きから。雅彦は、岸に「パーティー形式の楽しい葬式にしたい」「頼むよ司会、明るく」「みんなが笑っちゃうような遺影がいい」とオーダー。前例のない依頼に戸惑いながらも、岸は瞳に遺影の撮影を提案します。瞳も「お父さんが喜ぶなら」と了承。瞳と同じ大学の写真部で同じく親友の美奈子(見上愛)を交え、椎名家で撮影会が行われることになりました。
そんな瞳が映し出す、雅彦の遺影撮影会。写真部さながらの雰囲気で和気あいあいと準備する3人の姿に目を細めつつ、雅彦は底抜けの明るさで次々とポーズを繰り出します。グラッチェ椎名(=雅彦が実演販売していた時の芸名)の決めポーズをはじめ、瞳の婚約者で芸人の一馬(濱田岳)が持ちネタ「ドンマイカズマル」中に見せるジェスチャーまで。雅彦、もうすっかりカズマルくん(=一馬の芸名)がお気に入りですね。結婚に反対していたとは思えません(笑)
・瞳の結婚式に出席する!
・伊豆に行く!【第2話】
・神(じん)に謝る!【第4話】
・遊園地で はしゃぎまくる!【第3話】
・友だち呼んでホームパーティー!【第6話】
・タイムカプセルを開ける!
・英語をマスターする!?(ムリか!)【=日々実践中?数話にわたって勉強している様子が描かれている】
・カズマルを瞳から追い払う!! 【第6話で取り消す】
太字=未達成の項目
その後、強行突破してタイムカプセルを掘り起こす瞳と一馬の悪戦苦闘エピソードがひたすらおかしかった! 夜間の小学校へ忍び込み、警官に見つかった途端に「ドンマイカズマル」のジェスチャーで瞳だけを逃す一馬。父のもとにタイムカプセルを届け、「未来のぼくへ」と題された手紙を一緒に読んでしんみりしたあと……瞳は交番で取り調べを受けている一馬の存在をやっと思い出します。徹夜で話を聞かれていたであろう一馬の反応も含めて、声を出して笑ってしまいました。
四半世紀後の2021年、筆者も小学6年生の時に埋めたタイムカプセルを掘り起こしました。雅彦と似たような手紙が封入されており、過去の自分から「子どもは何人いますか?」などと無邪気に聞かれることに。何ひとつ実現していない当時の自分に苦笑したのを思い出しながら、このレビュー執筆を機に再び取り出してみました。すると自然に「幼い自分に恥じない私でいたい」という思いが芽生えます。命の終わりを目前に控え、天寿をまっとうしようとする雅彦の気持ちが少しだけわかったような気がしました。
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文:岡山朋代
編集・ライター。朝日新聞社「好書好日」、ぴあ各メディアなどで主にカルチャーやエンタメ分野の取材・インタビュー・執筆を手がける。
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