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“娘”奈緒、“父”木梨憲武の「葬式に呼ぶ人」リストを機に結婚式プランをまるごと変更!?

2024.03.21

“娘”奈緒、“父”木梨憲武の「葬式に呼ぶ人」リストを機に結婚式プランをまるごと変更!?
瞳(奈緒)が出産をメインで任された二十歳の妊婦・亜弥(杏花)の陣痛が始まり、助産院にタクシーで向かう様子が描かれた前回ラスト。今回は前半で、亜弥の分娩(ぶんべん)に向き合う瞳の奮闘が描かれました。夫・祐作(金子隼也)に付き添われ、助産院に到着した亜弥はすぐに分娩室へ。日の高いうちに始まった出産でしたが、翌朝を迎えても赤ちゃんはまだ産まれてきません。

通常は陣痛の間隔が短くなって出産を迎えますが、亜弥は逆にその間隔が遠のいてしまいます。何度もやってくる激しい痛みに疲れ果て、「私、お母さんになれるかな」と弱音を吐く亜弥。瞳は「ここまで、よくがんばりましたね」「亜弥さんの努力をみんな見てきました」「おなかの赤ちゃんにはちゃんと伝わっていると思います」と優しく声をかけるのでした。

娘の手を取って励ます母・早苗(中村優子)をよそに、若い亜弥と祐作の結婚に納得していない父・義昭(池田鉄洋)は助産院まで足を運ぶも、出産に立ち会おうとしません。素直じゃないなぁ、と遠巻きに一蹴することもできると思いますが、瞳はそうしなかった。新しい命の誕生を見届けたあと、義昭に「この瞬間は、いましかないです。亜弥さんにとっても、お父さんにとっても」と語りかけ、娘と孫への対面を促します。

瞳はきっと、人生のタイムリミットが迫る父・雅彦(木梨憲武)を思い浮かべたんじゃないかな。立場は違えど同じ父親である義昭に、後年になって後悔してほしくない。だからこそ「新しい命がこの世に生まれた瞬間を逃さないで」という意味で伝えたのではないでしょうか。患者の家族にまで職務を超えたハートフルな歩み寄りができるのが、瞳のヒューマンスキルの高さを物語っているように感じました。
同じころ、入院中のベッドで瞳が産まれた時の夢を見ていた雅彦。娘と父、以心伝心ですね。新しい命を取り上げた瞳に対して、病床で「自分の葬式に呼んでほしい人」のリストを作成している雅彦。この対比、残酷だし悲しすぎます。徹夜続きの出産を終え、疲労の中で帰宅した瞳が無意識に「ただいま」と言うシーンも切なかった。父の定位置だったソファをはじめ、食卓やキッチンを見回し雅彦の不在を実感して涙ぐむ瞳。なんかもう……こういう日常の描写が、いちばん胸に迫るのよ。

結局、瞳は自宅で眠らず雅彦のいる病院へ。入院中のベッドに顔を伏して寝てしまった瞳に、「家に帰ろうよ」と頼む雅彦。緩和ケア医・阿波野(光石研)の許可を得た瞳は、雅彦の姉で伯母・まき(筒井真理子)や婚約者・一馬(濱田岳)の手を借りながら父を退院させます。雅彦お気に入りのソファとテーブルがあったリビングには、在宅医療用のベッドが。模様替えを残念がりつつ、雅彦は入院中につくった「葬式に呼ぶ人」リストを瞳とまきに渡すのでした。

にしても、瞳とまきもツッコんでいたけれど……リストにあった「ケイト・ベネット」と雅彦の関係性はいかに? 前回ラスト、「お願いした件はちゃんと進んでいるよね?ケイト。Get ready?」とカタコトの英語混じりに電話していた雅彦の茶目っ気たっぷりな表情が印象的でしたし、雅彦の「死ぬまでにやりたいこと」リストにも「英語をマスターする!?(ムリか!)」という項目がありました。きっとケイトに関係しているんでしょうね。

手分けして連絡するようリストを託した瞳とまきに、「全員に会っときゃよかったな」「生きてるうちに、みんなにありがとうって言いたかった」とつぶやく雅彦。その言葉をきっかけに瞳は思いをめぐらせ、自身の結婚式にまつわる“とある”アイディアを思いつきました! それはウェディングプランナーにとって途方もないことだったようで、さらなるプラン変更の“嵐”に振り回される舞衣(橋本マナミ)と黒沢(西垣匠)コンビのコメディリリーフ(深刻、あるいは粛然としたシーンで、緊張を和らげるために現れる、滑稽な登場人物・場面・掛け合いのこと)っぷりに今週も癒されます。
式の全体像が結ばれていくにつれて、結婚式への参列者はどんどん増えている模様。どうやら雅彦の上司だった中井(矢柴俊博)と後輩・加賀屋(葵揚)も誘われたようだったし、助産院の院長・節子(小林聡美)にいたっては瞳の同僚・愛里(影山優佳)に「余興やっちゃう?」と声をかけるなどノリノリです(笑)。大学の写真部仲間で親友の美奈子(見上愛)と瞳は、写真を選んでいました。そこで改めて岸(深澤辰哉)への気持ちを打ち明ける美奈子を、瞳は「どんな選択をしても応援する」と励まします。
結婚式を翌日に控えた前夜、父に宛てた手紙を音読しようとする瞳を制して、雅彦は「瞳」という名前の由来を話し始めました。内容は本編をご覧になってのお楽しみですが、今回でいうと亜弥や家族の反応をしっかり観察して心を尽くす瞳の人間性に、その由来があらわれているように感じます。「(この名前は)お父さんとお母さんからの、いちばん最初のプレゼントだね」と言ったあとの、瞳と雅彦の掛け合いに涙腺決壊。おかわり視聴しても、きっと泣くんだろうな。
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文:岡山朋代
編集・ライター。朝日新聞社「好書好日」、ぴあ各メディアなどで主にカルチャーやエンタメ分野の取材・インタビュー・執筆を手がける。
miyoka
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