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「あなたは医者ですか?」井浦新に立ち向かう若葉竜也に、岡山天音も協力!杉咲花に飲ませた薬の正体とは

2024.05.20

「あなたは医者ですか?」井浦新に立ち向かう若葉竜也に、岡山天音も協力!杉咲花に飲ませた薬の正体とは
ある日の丘陵セントラル病院。院長の藤堂(安井順平)が、血相を変えて走っていました。途中で出会った津幡(吉瀬美智子)も連れて急いだ先にいたのは、関東医大・同窓会長の西島(酒向芳)。彼の目的は三瓶(若葉竜也)のようですが、「何か用ですか?」と言われても「いや?」と不敵に笑うだけ。

他の人たちが西島に気を使っている中、顔を触られても全く態度を変えず真顔のまま目をそらさない三瓶、さすがです。今回も前回に続き、三瓶が終始最高でした。藤堂たちは、三瓶が何かしでかしたのだと恐れます。

西島を演じる酒向さんの徹底したキャラ作りがすごいです。以前も触れた食べ物を食べるときに音を立てる”クチャラー”なところ、ねっとり伸びる語尾、不気味な笑い方。「私はねぇ、飯を食う以外は座らないんだよ。足腰を鍛えないと人間走れなくなったら終わりだからねぇ。ハハハハハ」と笑い、救急要請のために三瓶たちがその場を去ると、拍手する……悪党感も大物感も半端ないです。三瓶のことを”面白い”と評していましたが、今後どう動くのでしょうか。
以前脳出血の治療を受けていた山本(鈴之助)が、てんかん発作で運ばれてきました。今後は抗てんかん薬を処方することに。抗てんかん薬は、一度も発作を起こしたことがない患者への予防投与は推奨されていないらしいですが、ミヤビ(杉咲花)は大迫(井浦新)から“安心のために”同じ 薬を処方されていました。

ミヤビの記憶障害について、大迫への疑惑は依然として残ったまま。三瓶はある疑惑を持ちますが、また三瓶が関東医大に行ったらもめると考えた津幡は、代わりに星前(千葉雄大)に探りにいくよう頼みます。星前と綾野(岡山天音)はもともと同期だったらしく(知らなかった!)、和やかに温泉施設でサウナを楽しんでいました。星前は、大迫がミヤビに処方している薬の話をし「もし予防投与じゃないとしたら」と問いかけ、「大迫教授の診療記録をみてほしい」と頼みます。

星前の真剣な様子に心を動かされた綾野。彼もミヤビのことが心配な気持ちは一緒なのです。反面、これまで世話になってきた大迫のことを信じたい気持ちもあり、葛藤します。一方、三瓶は麻衣(生田絵梨花)に呼び出され、ミヤビの事情に綾野を巻き込まないでほしい、大迫のやることには意味があると言われましたが「『全体を考える』これほど都合のいい言葉はありません。全体のために犠牲になる人たちのことはどうするんですか。仮にそれが川内先生だったら?」「僕は医者として、真実が明らかになるまで引き下がることはありません」と突っぱねました。
夜遅くまで働いた日、ミヤビは側頭葉てんかんで倒れました。発作は夢遊病のような動きや独り言をともない、以前てんかんの発作を起こしていた可能性が高いようです。そして、綾野は大迫の診療記録を見ることはできなかったものの、ミヤビの検査結果のデータを見つけました。すべて削除済みでしたが、データ復元ソフトで動画が復活。そこには、てんかんの発作を起こすミヤビの姿が。しかも、一度てんかんの症状が治ったのに、何度も薬の量を変えて検査を繰り返していたようです。

三瓶と綾野は、大迫を問い詰めました。側頭葉てんかんは記憶障害を引き起こすこと、記憶障害が残るが発作は起こらないギリギリの投薬量にして、意図的にてんかん性健忘を作ったことを指摘します。しかし大迫は「それの何が問題なの?」と開き直りました。ま、まじかよこいつ……。

三瓶は「あなたは医者ですか?彼女がどんな思いで脳外科医であろうとしてるのか、あんたがいちばん良く知ってんだろ」と声を震わせ激怒。綾野も「教授、ちゃんと説明してください」と問いかけます。大迫はミヤビのために仕事に戻りやすい状況を作ったと説明し「彼女の記憶は戻らない」と言い放ちます。言っていることはわからなくもないですが、嫌な感じ!
「守るもの」にスポットが当たった回でもありました。山本は妻子を守るため、障害者雇用で再就職したのですが、てんかんの発作を抑えるために、夜勤を減らしてほしいと言ったことで会社から長期療養を勧められてしまいます。ミヤビと藤堂が会社を訪れると「周りと同じように働けないのに同じだと言い張るのは都合が良すぎますよ」と言われます。

これに反論したのはなんと藤堂でした。「特別扱いではなくて理解してほしいと申し上げているんですよ、さっきからうちの川内は」と訴えますが、どうするかは会社の問題だと言う上長に「障害者雇用促進法によって会社側としても税制優遇などのメリットがあったはずですよね。そのことについてはどうお考えなんでしょうかね?」とけん制。

立場上荒波を立てたくなく、ミヤビに「トラブルは駄目だからね」と念を押していたのに、同じく障害があり ながら働いているミヤビを間近にしていることもあり、黙っていられなくなったのでしょう。「やりすぎた」と落ち込んでいましたが、そんな藤堂がミヤビたちの病院の院長でよかったと思いました。

三瓶や綾野、一緒に働くみんなが守りたいと思っているミヤビは、今後どうなるのでしょうか。ミヤビと一緒に笑顔で写った写真を見つめる三瓶が切なかったです。まだ記憶を失う前、2人はろうそくの影を見ながら語り合っていました。
人間は暗いところに光を当てていいことをしたと思っているが、できた影に光を当てても、また新しい影ができて、満たされない人が生まれてしまう……その満たされない状態を”アンメット”と呼び、「どうすればくまなく照らしてアンメットをなくせるのか。その答えを探してます」と打ち明けた三瓶に「こうすると、影が消えます」と身体を寄せて笑ったミヤビ。

そのときのことを思い出してつらそうにする三瓶がたまらないです。ものすごく純粋な人なんだと思いました。採血のシーンや霧吹きのシーンのじゃれ合う感じもよかったなぁ……彼にもミヤビにも、幸せな未来を迎えてほしいですが……。次回も楽しみでたまりません!
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文:ぐみ
熱量高めなエンタメライター・編集。ドラマ・映画・アイドル・アニメなどのコラムやレビュー、インタビューを執筆中。
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