「俺にしかなれない医者になる」山岳医療のリアルを描く『マウンテンドクター』第1話の見どころ
2024.07.08
第1話は、信濃総合病院に赴任したばかりの歩が、院長の松澤周子(檀れい)に整形外科と山岳診療科の兼務を命じられます。山岳看護師の鮎川玲(宮澤エマ)は、山岳医療について歩に説明しますが、玲自身はどうやら山が好きではない様子です。
数日後、北アルプスに軽装備で挑んだ若者たちが遭難したとの一報が入り、歩は航空隊のヘリで現場へ。胸を押さえて苦しむ若者の処置ができず、焦る歩のもとに登山者の男性が駆け寄ります。歩は、慣れた手つきで処置をする男性をただ見つめることしかできませんでした。
歩は同期の村松典子(岡崎紗絵)と、歩の幼なじみの小松真吾(向井康二)が営む焼き鳥屋「しんちゃん」を訪れます。そこで偶然、玲と相席になり、江森についてのうわさ話に。
江森は国際山岳医として高い知識を持っているものの、患者に必要のない検査をして、保険外診療で無駄な診察料を払わせ、高い給料をもらっているのだと典子は言います。果たして、うわさは本当なのでしょうか?
自宅に戻った歩は、兄の部屋に入り、医者になったことを報告します。ベッドで眠る兄はぴくりとも動きません。二人で出かけた山岳で事故に遭って兄は医師になるという夢を閉ざされてしまい、そのことで歩は自分を責めていたのでした。
数日後、歩は江森が担当する患者・宇田さんの検査結果が良好なことから、登山許可を出します。ところが宇田さんはペースメーカーをつけるか検討している段階で、江森は慎重に検査を重ねていたのでした。宇田さんは登山中に容態が悪くなり、救急で運ばれてきます。
周子は弱々しく「整形外科の勉強に集中したい」と言う歩に対し、「あなたの兄は前だけを見つめていた。後ろを振り返ったりはしなかった」と励まします。兄へのわびとして医師になろうとする歩に「向き合う相手を間違えないで」と周子。厳しくも愛のある言葉が胸に響きます。
これまで歩は、兄の代わりに医師になろうとしていました。体調の優れなかった兄にわがままを言って、登山を決行したせいで、兄は帰らぬ人となったのです。悔やみ続ける歩の目には、ベッドに横たわる兄の姿が消えずに残っています。
兄の代わりではなく、自分がなりたい医者になる。「俺にしかなれない医者になる」と歩が決意したときのシーンは涙が止まりませんでした。
歩は国際山岳医となることを決意し、1年の留学を周子に申請します。1年後、戻ってきた歩は山岳医療チーム“MMT”に加わることに!すっかり一人前の表情になった歩がどんな課題に立ち向かうのか、2話が待ち遠しいです。
三重県在住のライター。大手Webメディアの記事執筆やコラム、メルマガ、プレスリリースなどを執筆中。
カンテレIDにログインまたは新規登録して
コメントに参加しよう