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絶体絶命のMMT、歩たちは奇跡を起せるのか『マウンテンドクター』最終回

2024.09.16

絶体絶命のMMT、歩たちは奇跡を起せるのか『マウンテンドクター』最終回
前回のラストで下山中に江森(大森南朋)が倒れ、歩(杉野遥亮)は救助を要請するのですが、救助ヘリは遭難者を搬送したばかり。江森の容態はどんどん悪化していきます。大ピンチの状況で迎える最終回です!

周子(檀れい)はなんとかヘリを飛ばしてくれるように救助隊へ懇願しますが、日没が迫っているため断られてしまいます。それでも知事に頼み込もうとする周子に、純家(松尾諭)は「自業自得だ」と冷酷に言い放ちます。医師は病院での治療に専念すればいい、MMTは救助隊の足手まといだとも。

それに対して周子は、現場の医師たちが命を救うために尽力したからこそ、土砂崩れ現場から遭難者を救助できたのだと反論。典子(岡崎紗絵)も「受け身で待つだけが医療ではない。積極的に山に向かい、MMTが適切な処置を行ったからこそ救えた命がある」と、山岳医療の可能性を訴えます。しかし日没が迫り、たとえ知事が許可したとしても、救助隊を現場へ行かせることはできません。もはや打つ手はなく、江森は山で命を落としてしまうのでしょうか?

絶体絶命の状況で、救助隊が動きました!
なんと航空隊が規則を破り、江森を救出に来てくれたのでした。
MMTの活動姿勢に心を動かされた救助隊が、リスクを承知で江森を救うために動いてくれたのです。
病院に搬送された江森は、小宮山たちの救命処置によって一命をとりとめました。どきどきの展開でしたが、本当によかった!

玲(宮澤エマ)、江森(大森南朋)、歩(杉野遥亮)

と、安心したのも束の間。
知事は、航空隊の規律違反や医師が再び危険にさらされたことを重く見て、MMTの解散を決定したのです。

解散の知らせに反発するメンバーたち。周子は悔しそうに謝ります。それでも、医師たちを山で危険な目に合わせるわけにはいかないと、周子は自分自身に言い聞かせるように解散を告げるのでした。

絶望的な状況でしたが、歩はあきらめませんでした。
今できることをやろうと、山岳パトロールを始めたのです。啓発活動なら一人でも登山者と向き合えます。そんな歩の姿に元気づけられたMMTのメンバーたちは、それぞれにできることをしようと動き出しました。

玲(宮澤エマ)は、祖父の篤史(石丸謙二郎)がたたもうとしていた鮎川山荘を受け継ぐことを決意します。看護師の仕事は辞めず、絵理子(工藤美桜)たちにも手伝ってもらいながら、自分にできる範囲で山荘を継ぐ決意をしたようです。おじいちゃんのうれしそうな顔!よかったですね。

典子はなんと、山岳医の認定を取ることに決めたと聖子(池津祥子)に宣言。MMTが解散すれば娘が自分のもとへ戻ってくると思っていた聖子は、驚きを隠せません。
江森も意識を取り戻し、少しずつよい兆しが見えてきます。

聖子(池津祥子)と典子(岡崎紗絵)

そこへ再び純家が病院へやってきます。これ以上何を言いにきたのかと思えば、なんとMMTの解散を撤回するというのです。

実は、真吾(向井康二)をはじめとした支援者たちが解散反対の署名を集め、県庁に直訴していたのです!さらに航空隊もMMTの存続を訴え、SNSでも多くの人々が解散に反対する声を上げていました。MMTの活動に救われた人々が声をあげ、その声が大きな波となり、ついに知事が解散を撤回したのです。

これまでの歩たちの活動に助けられた人や、心を動かされた人たちが解散に反対し、小さな一つひとつの声が大きなうねりとなったのです。知事は「医療は患者のためにあるべき」という基本姿勢に基づき、MMTの解散を撤回することに。

歩たちが誠実に患者と向き合ってきた結果、MMTは関係者や地域の人たちにとって欠かせない存在となっていました。感動で声を震わせる周子の姿に、こちらも涙が止まりませんでした!
解散を撤回できただけでなく、MMTの活動は通年の活動へと拡大されることになり、レスキューヘリの導入も検討してもらえるとのこと。周子の夢が、一歩現実に近づきました。

掛川(近藤公園)、小宮山(⼋嶋智⼈)、早紀(トラウデン直美)、典子(岡崎紗絵)、周子(檀れい)

印象的だったのは、聖子と純家の会話です。
MMTの解散撤回を悔しがる聖子に、純家は「あなたにとって医療とは何か」と問いかけます。
聖子は祖父から受け継いだ病院を守るために必死でした。しかし今までの歴史だけではなく、これからの未来を守っていくのも医療の使命では?という純家の言葉に、聖子はぼうぜんとします。
歴史を守ろうとする聖子の価値観は、決して間違いではありません。しかし、麻酔科医になった娘を縛りつけるわけにもいかず、典子への態度を改めざるを得なくなったようです。

山岳医を目指して、家を出る典子に対し「好きになさい」と投げやりに言いつつも、「あなたを一人前の医師に育てたのは私だから、どこで何をしようとあなたは私の娘よ」と言葉をかけます。
典子が「お母さん」と呼びかけた声には、母娘がようやく母娘らしく向き合えたような、聖子への感謝であふれていました。

江森の退院時、周子は退院祝いといって、婚約者の遺品のカラビナを手渡します。土砂崩れの現場から見つかったカラビナが、ようやく江森のもとへ帰ってきたのです。江森の7年間の苦しみが解放されたようで、こみあげるものがありました。

江森は歩のことを「山の医者」だと認め、かたく握手を交わします。
歩も兄の遺影の前で「これからも、おれにしかなれない医者を目指す」と決意を新たにしました。

江森(大森南朋)と歩(杉野遥亮)

このドラマを通して、山岳医療の課題と可能性を知ることができました。山は恐ろしいだけでなく、すばらしい自然の魅力を持つ場所でもある。そんな山の魅力を描いたこの作品に、多くの感動をもらいました。新しい医療に挑戦し続けたメンバーたちに、心からエールを送りたいです。
文:馬場 絵美
三重県在住のライター。大手Webメディアの記事執筆やコラム、メルマガ、プレスリリースなどを執筆中。
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