食べてみよか

ベルギーパビリオンで食の表彰式、日本からは2社が受賞

2025.06.13

ベルギーパビリオンで食の表彰式、日本からは2社が受賞
連日にぎわう大阪・関西万博(大阪市・夢洲)。実は各国に由来のある世界的な賞の授賞式などもパビリオンで行われています。
2025年6月9日(月)にはベルギーのパビリオン内会場にて「We’re Smart World」による「Future Awards(フューチャー・アワード)」の受賞者発表が行われました。
日本からは「ブロッコリースーパースプラウト」を生産する村上農園と「青のり醤油」を生産するシーベジタブルが受賞。
表彰式後には、ベルギーのマティルド王妃も参加されてのランチ会が開催され、受賞者たちを大いに祝福しました。
Future Awards 2025表彰式後のランチ会の様子 大阪・関西万博ベルギーパビリオン 2025年6月

Future Awards 2025表彰式後のランチ会の様子
大阪・関西万博ベルギーパビリオン 2025年6月

「世界最高の野菜レストラン」を毎年発表している食団体「We're Smart World」(本部:ブリュッセル)は、ベルギー出身の料理人フランク・フォルさんによって2008年に創設され、欧州を中心に米国、アジアでも活動しています。
団体のモットーは“Think Vegetables! Think Fruits!(野菜を考えよう、果物を考えよう)”。
「We’re Smart®Green Guide(グリーンガイド)」を製作し、「We’re Smart® TOP 100 Best Vegetables Restaurants in the World(ベスト・ベジタブル・レストラン100)」の選出を毎年行っています。
大阪・関西万博ベルギーパビリオン 2025年6月

大阪・関西万博ベルギーパビリオン 2025年6月

グリーンガイドは、野菜料理に力を入れているレストランを紹介するガイドで、世界各地のWe’re Smart®のメンバーが実際にレストランで食事をし、一定の基準で店を評価。その結果はWe’re Smart®ホームページ上のグリーンガイドの項目で、1〜5つの「ラディッシュマーク」で表示されています。2025年4月現在、グリーンガイドには世界51カ国の1356店のレストランが掲載され、うち5ラディッシュは126店。関西からは京都市の「草喰なかひがし」や和歌山県岩出市の「ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)」が5ラディッシュを獲得。
そしてベスト・ベジタブル・レストラン100は、We’re Smart® Worldが毎年発表するランキングで、なんとヴィラ・アイーダは2024年ベスト・ベジタブル・レストランの10位を獲得しています。
Future Awards 2025の表彰式 2025年6月 

Future Awards 2025の表彰式 2025年6月

今回、ベルギーパビリオンで開催されたのは、この団体が毎年授与する「Future Awards」の2025年表彰式。果物と野菜を扱う人々や組織の創造性とビジョンを称え、表彰するものです。
アワードは「Product of the year」「Project of the year」「Personality of the year」「Communication of the year」「Media of the year」「Innovation of the year」そして「Special Future Award」 の7部門。
「Product of the year」 にはブロッコリーの新芽「ブロッコリースーパースプラウト」を開発した村上農園(本社:広島県広島市)が、「Innovation of the year」には「青のり醤油」を製造するシーベジタブル(本社:高知県高知市)が受賞しました。
Future Awards 2025の表彰式 2025年6月 大阪・関西万博

Future Awards 2025の表彰式 2025年6月 大阪・関西万博

村上農園は1999年にアメリカのジョンズ・ホプキンス大学とライセンス契約を結び、国内で初めてブロッコリースプラウトの生産を開始。「スルフォラファン」という栄養素を高濃度かつ安定的に含む「ブロッコリースプラウト」を提供していることが評価され、今回の受賞となりました。

「思いがけず賞をいただき驚いています。私たちが提供しているブロッコリースプラウトは機能性の高い野菜で、スルフォラファンという成分を高濃度に含んでいます。こういう形で表彰いただくことが過去なかったので、国際的に表彰されたというのは非常にうれしいことです。私たちは出荷前にスルフォラファンの状態をチェックしながら出荷する体制を作っていて、それは業界内でも極めて珍しく、そこが評価されたのかなと思います。今後もライセンス契約を結びながら信頼できるパートナーとタッグを組んで、世界中に私たちの野菜を届けていきたいです」と村上清貴社長は語りました。
「ブロッコリースーパースプラウト」村上農園

「ブロッコリースーパースプラウト」村上農園

左:We're Smart World代表のフランク・フォル氏 右:村上農園・村上清貴社長

左:We're Smart World代表のフランク・フォル氏
右:村上農園・村上清貴社長

シーベジタブルの「青のり醤油」は青のりを米麹と塩で発酵させたしょうゆです。大豆を使わず発酵する新しい発想と革新的な技術を開発し、豊かなうま味調味料を生み出した点が評価されました。

シーベジタブルの友廣裕一共同代表は、「賞をいただき率直に驚きました。海藻を食べる食文化は圧倒的に日本は最先端なんですね。 日本では今、50種類ぐらいの海藻を食べていますが、その量と種類は全世界的に異次元クラスです。そして、世界では今、海草がすごいブームなんです。サステナブルでヘルシーでエシカルで。農薬も化石燃料も化学肥料も使わず、海の栄養と太陽の光だけでタンパク質を40 %も含む食材が生まれるそのすごさに世界の人たちが気付きだしている。日本人にとっては海藻を食べることは当たり前ですが、こうやって外から評価してもらうことで、日本の皆さんが日本の食文化の素晴らしさに改めて気づいてくれたらいいなって思っています。
青のり醤油はまだまだ少量生産なんですが、今ではフランスとかスペイン、アメリカのレストランなどが使ってくれています。ノーマ(noma)という世界的に有名なデンマークのレストランが京都でポップアップした時、僕たちの海藻を使って、そのことを発信してくれたので、世界中のシェフが使いたいってオファーをいただきありがたいです」と、いかに海藻が世界で注目されているのかを語りました。
シーベジタブル「青のり醤油」

シーベジタブル「青のり醤油」

左:We're Smart World代表のフランク・フォル氏  右:シーベジタブルの友廣裕一共同代表

左:We're Smart World代表のフランク・フォル氏
右:シーベジタブル・友廣裕一共同代表

万博は海外のことを知ると同時に、自国の技術の高さや文化の豊かさを再認識できる場でもあるんですね。

We’re Smart World https://weresmartworld.com/
Future Awards 2025 https://weresmartworld.com/were-smart-future-awards-2025
miyoka
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