西島秀俊「どこかで世界にまだ期待している」映画『時には懺悔を』で向き合った、過去にとらわれる探偵・佐竹
西島秀俊
中島哲也監督が、打海文三のミステリー小説を映画化した『時には懺悔を』(2026年8月28日公開)。主人公は、家族との不和を抱えながら生きる一匹狼の探偵・佐竹三雄。事件を追ううちに、自らの過去とも向き合うことになる佐竹を演じた西島秀俊に、出演の決め手や役づくり、中島監督との緻密なリハーサル、初共演となった満島ひかりの印象を聞きました。
◆「すばらしい台本」と、スペシャルニーズのある子どもたちの出演
――本作への出演を決めた理由を教えてください。
台本をいただいて、とにかくすばらしかったので、参加したいと思いました。
台本をいただいて、とにかくすばらしかったので、参加したいと思いました。
それから、スペシャルニーズ※を持つ子どもたちが実際に出演されるということも、僕が参加する大きな理由の一つになりました。
※障害や病気などにより、日常生活や教育、医療、コミュニケーションなどで特別な支援や配慮を必要とすること
◆ 事件の外側ではなく、自らも「当事者」である探偵
――演じた主人公・佐竹の第一印象と、役を通して感じたことを教えてください。
西島秀俊
原作と映画の一番の違いは、佐竹自身も(ある事件の)当事者であるということです。探偵は、どこか外側から事件を見つめる役であることが多いですが、佐竹は、事件の中に自分自身の人生と大きく関わることがあります。
だから、事件にのめり込まざるを得ないし、そのことで自分の過去に直面せざるを得ない。決して楽な役ではありませんでしたが、やりがいがあり、自分自身が「人間」というものを改めて考えるきっかけになるような役でした。
――過去を背負い、笑顔を見せない佐竹を演じるうえで意識したことはありますか。
佐竹は過去にとらわれている男です。探偵として、世の中のいろいろなよどみのようなものを見続けてしまったせいで、すべてに期待せず、過去ばかりを見つめて生きている。
でも、そんな佐竹も、どこかで世の中や世界というものにまだ期待している。そういう男だからこそ、今あるものとは違う何かを、どこかで渇望している。そういう役だと思って演じていました。
◆「本当に、このときかばんを持っていますか?」中島監督の問いから役をつかむ
――中島哲也監督との仕事はいかがでしたか。
西島秀俊
中島監督は、すごくいろいろなことをゆだねてくださる方です。「この行動はうまくできますか」「これは成立しますか。できなかったら、やらなくても構いません」と聞いてくださる。
さらに、「このとき、本当にかばんを持っていますか」「どこに座っていますか」「何を食べていますか」と、細かなことまで全部質問してくださるんです。それに答えていくうちに、自分も役をつかむことができました。
映画のリハーサルでは、言い合いの場面になると、つい大きな声を出してしまうことがあります。でも中島監督からは「住宅街や病院など、その場所の状況を考えず、単にフィクションとして大声を出すことはやめましょう」と最初に言われました。
結果的に大きな声を出すとしても、住宅街なら周囲を気にしながら言い合うはずです。シチュエーションや、今置かれている状況、自分自身の状態をきちんとつくったうえで、リアルな演技をベースにしようという演出でした。
――現場に入る前から、入念に役をつくっていったのですね。
満島ひかり、西島秀俊
はい。現場に入る前に、かなり入念なリハーサルをしました。
食事のシーンでも、セリフのために食べることを抑えるのではなく、どうすればきちんと食べながら膨大な会話ができるのかを考えました。リハーサルにもすべて食事を用意していただき、みんなで「このタイミングなら何が食べられるか」と、一つ一つ確認したんです。
本番の撮影日とは別の日にもリハーサルがあり、その中でいろいろなものを発見していきました。
◆ 満島ひかりは「表現するために生まれてきた方」
満島ひかり
――満島ひかりさんとは初共演になりますが、どのような刺激を受けましたか。
満島さんは、本当に表現をするために生まれてきた方というか、テストから本番、さらに本番が何度続いても、どの瞬間も生きている。どの瞬間にも本当に生々しい感情があって、とても感動しました。
一緒に仕事ができて本当に幸せですし、満島さんとのすべてのシーンが、僕にとって大きな、思い出深いシーンになっています。
◆ 完成作には「本当に没入して見ることができた」
――完成した映画をご覧になった感想と、注目してほしいポイントを教えてください。
西島秀俊
ワンカット、ワンカットに、本当に力強く、すばらしい表情での演技が映し出されています。
僕自身は、出来上がった作品をなかなか客観的に見られないのですが、今回の作品に関しては、本当に没入して見ることができました。ぜひ皆さんに劇場で、そのすばらしい演技を見ていただきたいと思います。
【作品情報】
映画『時には懺悔を』
2026年8月28日(金)全国公開
監督:中島哲也
原作:打海文三『時には懺悔を』(角川文庫/KADOKAWA)
出演:西島秀俊 満島ひかり 黒木華 宮藤官九郎 柴咲コウ 塚本晋也 片岡鶴太郎/佐藤二朗 役所広司 ほか
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©2025 映画『時には懺悔を』製作委員会
映画『時には懺悔を』
2026年8月28日(金)全国公開
監督:中島哲也
原作:打海文三『時には懺悔を』(角川文庫/KADOKAWA)
出演:西島秀俊 満島ひかり 黒木華 宮藤官九郎 柴咲コウ 塚本晋也 片岡鶴太郎/佐藤二朗 役所広司 ほか
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©2025 映画『時には懺悔を』製作委員会
0
カンテレIDにログインまたは新規登録して
コメントに参加しよう







