『スノードロップの初恋』最終回レビュー
ついに最終回。奈雪(小野花梨)の運命の日が来てしまいました。第1話から「クリスマスに奈雪は死ぬ」「運命は変えられない」と朔弥(宮世琉弥)の口から語られ続けてきたけれど、奈雪にはどうか無事でいてほしいし、奇跡が起こって奈雪も朔弥も幸せに結ばれてほしいと願わずにいられません。
前回、最高の1日を過ごした奈雪と朔弥でしたが、翌朝朔弥が目を覚ますと、隣にいたはずの奈雪の姿がありませんでした。朔弥への感謝の置き手紙を残して姿を消した奈雪。朔弥は「奈雪の死を見ていることしかできない」と自分の無力さに気づきがくぜんとした様子。奈雪を探しに行こうとする陸(岩瀬洋志)に「死は変えられない」と話す朔弥の苦しそうな表情が印象的でした。
奈雪が街をとぼとぼと歩きながらFORTUNAの店の前にさしかかると、そこに偶然和真(曽田陵介)の姿が。奈雪はFORTUNAで和真と話しながら、朔弥とのこれまでを振り返ります。突然現れた朔弥に振り回されたこと、朔弥の言葉に背中を押されて人生を見つめ直したこと、そして朔弥に恋をしたこと……。朔弥を思い、少し元気を取り戻したところで、和真の携帯に着信が。奈雪を探しに出た朔弥からでした。
自分の気持ちを再確認した奈雪はFORTUNAを飛び出します。街を駆け抜け、朔弥の元へ向かう奈雪。しかしその途中、奈雪は赤信号の横断歩道で泣いている子どもを見つけます。横断歩道と、赤信号と、子ども……嫌な予感しかしません。
子どもが横断歩道の向こう側にいるママに向かって走り出したところへ、運悪く大型トラックがせまってきました。子どもを助けようと、道路に飛び出した奈雪。まさかここで奈雪の命が終わってしまうの!? と目を伏せたくなった瞬間、奈雪をかばったのが朔弥でした。
血まみれで道に倒れる朔弥。駆け寄った奈雪に「おれはもうすぐ消える。奈雪の死を否定した。奈雪には死んでほしくないと思ってしまった」と話します。以前、亀山が「『死神の死』は唯一、死神自身が『死』を否定した場合のみ訪れる」と話していました。死を否定することがこんな形になるなんて、悲しすぎます。涙を浮かべて奈雪への思いを伝えながら「この世界は感動に満ちている。生きろ」という言葉を残し、朔弥は意識を失ってしまいました。朔弥の名前を叫び続ける奈雪の声の苦しさに、涙が止まりませんでした。
その後、朔弥が運ばれた病院の廊下で陸と話をする和真によれば、“片岡朔弥”の名前は雪山で行方不明になっている遭難者の名前だったのだと。たしかに、最初に陸の前に現れたときの朔弥は季節にあわない厚着をして、アウターが汚れていたことを思い出しました。
ベッドに横たわる朔弥の姿に一命を取りとめたのかとほっとしたのもつかの間、目覚めた朔弥は奈雪を見て「あんた、だれ?」と言うのです。これまでの朔弥とはまったくの別人のよう。もう死神の朔弥はここにはいない、そう感じさせる一言に「朔弥が消えちゃった」と泣き崩れる奈雪。あまりにも切ない別れのシーンでした。
その後、朔弥が運ばれたらしい病院の廊下で陸と話をする和真によれば、“片岡朔弥”の名前は雪山で行方不明になっている遭難者の名前だったのだと。たしかに、最初に陸の前に現れたときの朔弥は季節にあわない厚着をして、アウターが汚れていたことを思い出しました。
ベッドに横たわる朔弥の姿に一命を取りとめたのかとほっとしたのもつかの間、目覚めた朔弥は奈雪を見て「あんた、だれ?」と言うのです。これまでの朔弥とはまったくの別人のよう。もう死神の朔弥はここにはいない、そう感じさせる一言に「朔弥が消えちゃった」と泣き崩れる奈雪。あまりにも切ない別れのシーンでした。
そして、朔弥が消えてしまった1年半後。キッチンカーでオムライス販売の仕事を始めたらしい奈雪。「おいしいものをいろいろ作っていたら、いつかまた会えるかも」と、まだ朔弥のことを思い続けているようです。そんな奈雪のもとに1匹の黒猫が現れました。もしかすると、姿を変えた朔弥なのかもしれません。姿形は違っても、奈雪と朔弥がまた2人の幸せな時間を過ごせればいいな、そう思えるエンディングでした。
幸せの味を求めて人間界に来た死神が人間に恋をした物語。これまで朔弥と奈雪の心が次第に重なり合う様子に、初恋を追体験している気分になり、たくさんのときめきをもらいました。生きることに向き合う奈雪の姿にも励まされたし、陸や和真など奈雪を取り囲む人たちの姿にも、心が温かくなりました。朔弥や奈雪たちの物語を通して、今を自分らしく生きることの大切さを教えてもらえた気がします。
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文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。「たまひよ」など主に子育て系メディアで取材・ライティングを行う。
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