『御曹司に恋はムズすぎる』第10話レビュー
亘(鹿賀丈史)が倒れたことをきっかけに、気持ちがすれ違ってしまった昴(永瀬廉)と友也(西畑大吾)。今回は、昴とまどか(山下美月)の恋の行方以上に、この幼なじみたちの友情が気になる回でした。
服天では東雲社長(筒井真理子)が会長を兼任することになり、その秘書に任命されたのはなんと友也でした。子供服部門を軌道に乗せようと昴や成田(小関裕太)たちが奮起したところへやってきた友也は、「子供服部門は来月で廃止」と宣告します。いつもニコニコ優しかった友也が、まるで人が変わったように無表情。その服も感情が見えないような黒いスーツで、納得できない昴たちに「会長の決定には従うべき」と言い放ちます。変わってしまった親友に、昴もショックを隠せない様子です。
祖父が倒れ、親友とも決別してしまった昴。それでも、幼いころに祖父から聞いた「つらいときこそ明るくいろ。光となり周りを明るくできる人になれ」の言葉を胸に、笑顔で明るく乗り越えようとします。しかし、亘の容体が再び悪化してしまい、余命わずかと知った昴は「もう笑える気がしない、服天をやめようかな」とまどかに不安を打ち明けます。
友也が変わってしまったのは、絶対に何か理由があるはず! 早く、昴と友也でしっかり話し合ってほしい! と心配した人は多いのではないでしょうか。亘が入院している病院で見舞いの時に偶然会った2人は、やっと話し合うことができたのですが……これが涙腺崩壊の名シーンでした。
「20年一緒にいたのに裏切った」と友也に感情をぶつける昴に対して、友也は「昴と過ごす時間は楽しかったけれど、本当はつらいと思うことが何度もあった」のだと涙ながらに打ち明けます。ずっと一緒にいたのに、昴に言えない気持ちを抱えていた友也。それに気づいたとき、東雲社長から新規事業の話を聞き「昴の味方でいることよりも、自分の道を選んだ」のだと言います。東雲社長の提案に、父の工場で働く職人たちを守れる可能性を感じたのでしょう。友也にとっても、簡単な選択ではなかったはず。友也が苦しそうに紡ぐ言葉に、涙が止まりませんでした。
役柄を離れても、事務所の同期として10年以上の付き合いがある永瀬さんと西畑さん。だからこそ、固い絆で結ばれながらもお互いの道を尊重しようとする昴と友也の思いが、胸に刺さるほどに伝わってきたと感じました。
「友也には友也のやりたいことをやってほしい」と応援するような言葉をかけた昴でしたが、「結局おれは、周りを明るくするどころか、不幸にしていた」と大きなショックを受けます。そして、昴の気持ちにずっと寄り添ってくれているまどかに、まさかの一言を告げるのです。「なんでーーー!?!?」と叫びそうになりました。つらいときほど、まどかのようにそばにいてくれる人が必要なはずなのに、それを自ら手放すような一言。その理由は、次回明らかになるのでしょうか。
文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども1人の母。「たまひよ」など主に子育て系メディアで取材・ライティングを行う。
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