長谷川慎(THE RAMPAGE)主演『顔のない患者-救うか、裁くか-』 第1話レビュー
THE RAMPAGE・長谷川慎さんが、連続ドラマ初単独主演を務める『顔のない患者-救うか、裁くか-』(カンテレ/毎週木曜深夜0時15分~、フジテレビ/毎週木曜深夜0時45分~ ※初回のみ15分押し) の放送がはじまりました。
カンテレ×FODドラマ枠・第5弾となる本作は、医師である主人公が「愛する人を救うために、他人を殺せるか」という究極の命題を突きつけられるノンストップ・ヒューマンサスペンスです。
◆病院内での人間関係も鍵?!味方か敵か——緊張感をもたらす登場人物たち
物語の舞台となるのは、主人公・都築亮(長谷川慎)が外科医として働く長野県の白都総合病院。その確かな腕で若きエースドクターとの呼び声も高く、持ち前の熱意と優しさで患者ファーストの治療を心がけています。
病院内の人間関係で注目なのは、病院の跡取り息子でクールな同期・夏井冬馬(井上想良)で、都築とたびたび衝突する存在です。
そんなふたりのやりとりを看護師の泉みなみ(樋口日奈)と坂口麻子(遊井亮子)はハラハラしながら、同じく看護師の萩田太朗(曽田陵介)はどこか楽しげに見守ります。
物語の起点となる3年前の爆破事件を追う長野県警の面々にも注目です。自信にあふれる切れ者の県警本部管理官・高槙倫(梅舟惟永)。彼女が自ら捜査に乗り出したことで、3年前に同事件の捜査の陣頭指揮を執っていたものの、ある理由から一線を退いた鷲尾和臣(飯田基祐)も捜査に引き戻されます。
◆あっという間の30分!10時間のカウントダウンが始まる
(以降、第1話のネタバレを含みます)
第1話冒頭。3年前の爆破事件の犯人と思われる朝比奈伊織(高橋侃)が、謎の人物“カオナシ”に犯行の自白を強要され、リンチされる動画が流れます。そのおどろおどろしさが、事件の凄惨さを物語っていました。
中盤で、一気に物語は展開。都築宛に「職員駐車場にある赤い車のトランクの中を見ろ」—というメッセージが届きます。トランクの中には、指の一部を失い、顔を削られた男の姿が。次の瞬間、トランク内に置かれたスマホが鳴り、都築は電話口のカオナシから「あなたの奥さんを預かっています。返してほしければ、その男、朝比奈伊織を殺してください」と脅迫されるのです。そして誘拐された妻・都築美保(さかたりさ)の姿が映し出されます。タイムリミットは10時間。
「妻の命を救い、爆弾魔を殺すか、その逆か」。医師として“命の選択”を迫られる様子に、第1話からヒリヒリさせられます。しかも妻の美保は、3年前に爆破事件に巻き込まれ怪我を負い後遺症を抱えています。妻を傷つけた爆弾魔の命を救うのか否か。都築の葛藤は、医師としてだけでなくひとりの人間としての“在り方”にまで及びます。
◆選べない男が選ばされる。主人公を追い込む“命の選択”
一旦、朝比奈を病室でかくまった都築。看護師の泉にだけ状況を告げ、応急処置だけを行うと、そこに衝突事故に遭った急患がふたり運ばれてきます。ひとりは、腹部損傷の重症患者。もうひとりは事故を起こした軽症の代議士です。彼は病院に優先的に補助金をまわしていることから、夏井は病院長である父に「代議士からアルコールが検出されても、記録に残すな」と命じられてしまいます。
タイムリミットまでの10時間で、おそらく何度も“命の選択”を迫られることになる都築。彼は“選ぶこと”を極端に避けている節があり、夏井にダメ出しされることもしばしば。物語とともに、明らかになっていく都築の“消えない傷”にも注目です。
選べない都築が、最愛の妻と医師としての使命の狭間で葛藤する姿を長谷川さんがどう演じるのか。第1話で、カオナシに追い詰められながら惑う演技からは、都築がもつ人間としての業の深さを表現していました。
◆新進気鋭の脚本家たちが描く、30分とは思えない濃度のサスペンス
本作の魅力は、サスペンス要素と登場人物たちの心情が絡み合う複雑なストーリー展開です。1話30分に濃密にそれらが組み込まれていて、圧巻でした。
そんな物語をオリジナルで紡ぐのは、脚本家・八代理沙氏と本間おと氏。ふたりは、重厚なエンターテインメントを生み出すことで、現在注目を集めているコンテンツスタジオ「BABEL LABEL」に所属しています。八代理沙氏は、多くの賞を受賞した2024年公開の映画『正体』に脚本協力、Netflixドラマ『イクサガミ』の脚本も担いました。本間おと氏も「BABEL LABEL」が発足した新世代のクリエイター集団「2045」の一員です。
第1話を通じて感じた、脚本の圧倒的な面白さ。秀逸な構造の物語を、俳優陣がどう演じていくのか。第2話以降もますます楽しみです。
文:鈴木まこと
編集プロダクション・広告制作会社で編集・ディレクター・ライターとして活動。年間100本以上観るほどドラマ好きで、エンタメライターとしても執筆中。
カンテレIDにログインまたは新規登録して
コメントに参加しよう