“娘”奈緒・“父”木梨憲武が迎える新たな門出、旅立ちの瞬間に訪れる境地
2024.03.26
(2024年3月24日午後10時46分)
・早く寝て明日に備えるのよ?瞳も雅彦も。美奈子ちゃん岸くんウェディングプランナーご一同は準備真っ最中かね?がんばれ!
(2024年3月24日午後11時38分)
・今日はひとみとかずまるくんの結婚式。雅彦さんの晴れ舞台もあるのかな?夜、結婚式の様子楽しみにしてるね!
(2024年3月25日午前5時27分)
・瞳ちゃんと雅彦さんが住んでいる月島はあいにくの雨模様。肌寒いから外出の際にはあったかくするんだよ
(2024年3月25日午前8時15分)
結婚式も披露宴も、会場選びから徹底した雅彦ファースト。「瞳」という名前が両親から娘への“最初の”贈り物なら、このセレモニーは瞳から雅彦に向けた“最後の”ギフトなんですよね。心の底から父を思いやる瞳の気持ちがあふれるように伝わってきて、序盤から泣かせます。
披露宴会場では、その展示が雅彦を迎え入れてくれました。母の形見である着物姿で初詣(第1話)、両親のなれそめを聞いた伊豆旅行(第2話)、一馬(濱田岳)とその息子・龍之介(石塚陸翔)と訪れた気まずい遊園地レジャー(第3話)、仲直りした親友・神(中井貴一)との2ショット(第4話)、心労で倒れてしまった瞳の退院祝い(第6話)、結婚を初めて認め「瞳の花嫁姿を見る」を「死ぬまでにやりたいこと」リスト入りさせたキャンプ旅行(第7話)などなど。
瞳を演じる奈緒さんは、sunao名義でフォトグラファーとしても活動されているんですよね。その彼女が、瞳として雅彦を映し出す──。ここでも作品世界とリアルが交錯しているようで、グッと胸に迫りました。バックでキャンプ旅行の珍道中を彩った瞳と雅彦のデュエット「ふたりで」が流れているのも、たまりません。にしても、この3ヵ月を写真で振り返っていると……雅彦のリスト、ほとんどすべて叶っていますね。
・瞳の結婚式に出席する!【第11話(最終回)】
・伊豆に行く!【第2話】
・神(じん)に謝る!【第4話】
・遊園地で はしゃぎまくる!【第3話】
・友だち呼んでホームパーティー!【第6話】
・タイムカプセルを開ける!【第9話】
・英語をマスターする!?(ムリか!)【第11話(最終回)?】
・カズマルを瞳から追い払う!!【第6話で取り消す】
心からそう感じられるのは、椎名親子をはじめ、彼らを支える一人ひとりのキャラクターにも圧倒的な「リアル」が宿っていたから。善人しか登場しないきれいごとのフィクションでなく、『春になったら』の世界では差し伸べられる善意の手をつかんでいいんだ、と疑うことなく信じられた。3ヵ月、こんなにもハートフルであたたかな「リアル」を見せてくれて、本当にありがとうございました!
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文:岡山朋代
編集・ライター。朝日新聞社「好書好日」、ぴあ各メディアなどで主にカルチャーやエンタメ分野の取材・インタビュー・執筆を手がける。
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