「身だしなみ」に変化!男子学生に広がる“美意識”と、クリスマスに食べたいビタミンたっぷり簡単フルーツサラダ【わかぎゑふの料理コラム】

2025.11.26

「身だしなみ」に変化!男子学生に広がる“美意識”と、クリスマスに食べたいビタミンたっぷり簡単フルーツサラダ【わかぎゑふの料理コラム】

 いま、2つの大学で演劇や、ラジオドラマの脚本、演出、声の演技などを教えています。自分自身は絵が描きたくて専門学校に行っただけで大学には通ったことがないのに客員教授なんて肩書で大学生に「先生」と呼ばれる日がくるとは…と戸惑っていますが、若い人たちを教えることは自分の勉強にもなるので通っている次第です。

▶優しくて協調性の高い今どき学生たちの素顔

 いろんな生徒が居ますが、全体的に大人しいというか、いい子が多いのが特徴でしょうか。いい子というか、皆優しいなぁと感じます。その代わり「絶対に自分が!」という我の強い子や、リーダーシップを取るような子はあまり居ません。
仲が良くて、みんなでやろうよという雰囲気が強い。今の若者はそんな傾向があるように思います。

 もちろん20歳前後の若者たちなので、よく喋(しゃべ)るし、言う事も聞かないし、すぐにへこたれるしの3拍子揃(そろ)ってて「若いなぁ」と苦笑することも多いです。子供以上、大人未満という人生で一番もどかしい時期なので、会話もほとんど自分の悩み事か恋バナです。それもまた「若いなぁ」と見守っています。私には子供はいませんが、劇団員が子供みたいなものなので、彼らと付き合ってきた経験も少しは役に立っているのかもしれません。ま、すでに孫みたいな子供たちばかりですが。

▶「メイクは礼儀」変わる男子学生の美意識

 そんなことで劇団や学校で若い人たちと向き合っているわけですが、最近の傾向として明らかに違うと感じていることがあります。それは男の子たちの美意識が大きく変化してきていることです。

 先日も俳優志望のY君が劇団の稽古を見に来たのですが、いつもよりかなり顔色が白いので「今日、顔色白くない?」と聞いたら「はい、いつもよりキチンとメイクして来ました」と答えました。Y君は稽古を見学させていただくので、礼儀として綺麗(きれい)にしてきたというわけです。「はぁ~それはありがとう」と応えましたが、男の子がキチンとすることが、メイクしてくることとは…少々驚きました。

 また別の生徒と一緒にご飯を食べに行った時に「先生に前から聞きたかったことがあるんです」と真剣に言うので、何か相談したいことがあるのかなと思い「どうしたん?」と言うと「基礎化粧品何使ってるんですか?めっちゃお肌綺麗(きれい)ですよね」と聞かれました。彼は音響の仕事に進みたい21歳です。とくに俳優とか、声優のような表方を志望しているわけではありません。しかし趣味がスキンケアとかで、お肌に凝っているようです。そういえば夏でも長袖を着ているのですが、日焼けを気にしているそうです。
 この2人は芸術系の大学生なので、男の子もお洒落(しゃれ)になったもんやなぁという感じなのですが、極めつけは先日仕事で行った能楽堂でした。

▶古典舞台にも広がる若手男性の新しい身だしなみ

 能狂言の世界というと、まさしく男ばかりで、しかも室町時代の演目を上演するという古典中の古典の世界。たとえ女性を演じることがあっても基本は「男の縦社会」に属している人たちです。

 その日、私は能の研究家の方と対談という仕事で、能楽堂の舞台に上がったのですが、出番の前にお弟子さんの一人の若い男の子がアテンドしてくれたのです。
紋付き袴(はかま)姿なので、関係者に間違いはありませんでした。しかし彼の顔を見ているとやけに唇が赤かったので「きれいなリップ付けてるね。どこの?」と聞いたら「あ、今日はオペラです」と答えてくれました。
 今や男性アイドルがファンデーションやリップの宣伝をする時代なのですから、不思議ではないのですが、この会話を聞いた先輩の能楽師たちがザワザワしている姿に笑ってしまいました。古典の世界の男の子たちもリップを付ける時代になったんですねぇ。
 もっとも大昔は化粧は男がするものだったのですから、歴史はまた繰り返されていくのかもしれません。

▶クリスマスにおすすめ!ビタミンたっぷり簡単フルーツサラダ

 さて、美男子たちの変貌の話はここまで、今月は華やかなクリスマスの季節にピッタリの「果物」を料理に取り入れる一品をご紹介します。実は私はかなりのフルーツマニアでして、気が付くと果物しか食べてない日があるくらいです。砂糖やはちみつを使わずに果物の甘みでさっぱりと料理を楽しみませんか?
と、いっても凝った料理は時間がないでしょうから、今回はサラダをご紹介します。
【柿と乾燥オレンジとセロリのサラダ】
クリスマスにおすすめ!ビタミンたっぷり簡単フルーツサラダ/わかぎゑふの料理コラム

クリスマスにおすすめ!ビタミンたっぷり簡単フルーツサラダ/わかぎゑふの料理コラム

(材料)
・柿ひと玉
・セロリ2分の1本

(作り方)
①柿は皮をむいて、少し塩水にさらす。(あく抜きとかではなく下味をつけるためです)
②セロリは筋を取り、食べやすい大きさにカットする。
③乾燥オレンジを細かく刻み、ジンやブランデーに一晩漬けておく。
④あとは器に盛るだけです。ドレッシングは要りませんが、オリーブオイルを少しかけるか、無糖ヨーグルトとマヨネーズを混ぜたソースもよく合います。

★今回はサラダですが、牛肉料理の付け合わせにもできますので、お試しください。
わかぎ ゑふ(劇作家・演出家)大阪府出身。
関西小劇場界の老舗劇団、「リリパットアーミーII」2代目座長。
芝居制作処、玉造小劇店の代表。
大阪弁のオリジナル人情劇を数多く手掛けている。古典への造詣の深さも有名で
落語、歌舞伎、新作狂言の作、演出や衣裳デザインなども手掛ける。
小劇場から大劇場まで縦横無尽に活躍する数少ない女性演出家の一人。
エッセイも多数出版。2023年には大阪市民表彰を受賞した。
miyoka
0