長谷川慎(THE RAMPAGE)と「カオナシ」の交渉シーンがたまらない “遺体すり替え”作戦はなぜバレたのかを考察【ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』】

長谷川慎(THE RAMPAGE)と「カオナシ」の交渉シーンがたまらない “遺体すり替え”作戦はなぜバレたのかを考察【ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』】

長谷川慎(THE RAMPAGE)主演『顔のない患者-救うか、裁くか-』 第5話レビュー

医師として“命を救う”べきか、それとも人として“愛する人を守る”べきか——。外科医・都築亮(長谷川慎) は、正体不明の“カオナシ”に妻・美保(さかたりさ) を誘拐されたことをきっかけに、爆弾魔・朝比奈伊織(高橋侃)の命と妻の命を天秤(てんびん)にかける“究極の選択”へ追い込まれていく『顔のない患者-救うか、裁くか-』(カンテレ/毎週木曜深夜0時15分~、フジテレビ/毎週木曜深夜0時45分~)。ノンストップ・ヒューマンサスペンスとして注目されています。  

ここまでに明らかになったのは、3年前にショッピングモールで起きた爆破事件で尾形茉莉(松永有紗)を“救えなかった”という、都築が背負う重たい過去。極限状態で下した選択が、カオナシの復讐心(ふくしゅうしん)に火をつけたのです。第5話(2月5日放送)では、朝比奈のいる病室の盗聴疑惑をきっかけに、反撃に打って出る——という展開。

(以降、第5話のネタバレを含みます)

◆カオナシの盗聴を見抜き、“裏をかく作戦”に出た都築

第4話ラストで都築は、同僚の夏井冬馬(井上想良)・看護師の泉みなみ(樋口日奈)とともに、爆弾魔・朝比奈伊織を霊安室に運びます。病室が盗聴されている可能性を踏まえ、「朝比奈を殺したフリの“音”」をあえて聞かせた上で、別の身元不明遺体と“すり替える”——という作戦です。

しかし都築は“医師の手”で越えてはいけないラインを目の前に、躊躇(ちゅうちょ)してしまいます。そこには、命を救うために尽くしてきた手が、別の形で誰かを傷つける瞬間の生々しさがありました。夏井が「躊躇していたら奥さんを救えない」と畳みかけ、都築が「ごめんなさい」と呟(つぶや)き、朝比奈の“死”を偽造するため身元不明遺体 の“指を二本切り落とす”のです。

ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』2話 夏井冬馬(井上想良)

◆警察の手が伸びるなか、ついにカオナシとの対決へ

鷲尾和臣(飯田基祐)による監視カメラの精査により、管理官・高槙倫(梅舟惟永)が霊安室に乗り込みます。夏井・泉の援護によって警察の手を逃れた都築は、すり替えた遺体を車に乗せ、ついにカオナシの元に向かいます。

ところが、必死の逃走とすり替えの先に待っていたのは、都築の期待とは真逆の現実でした。都築は街はずれの廃工場に足を踏み入れますが、そこに妻の姿はありません。恐る恐る歩を進めると、そこにはキレイに包装された小箱とスピーカーが——。  

ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』5話 都築亮(長谷川慎)

ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』5話 都築亮(長谷川慎)

ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』5話 都築亮(長谷川慎)

◆容赦ないカオナシの復讐——都築の罪の意識を抉(えぐ)り、希望は折られる

スピーカーから流れるカオナシの声に、都築が「遺体は持ってきた、美保を返してくれ」と訴えると、カオナシは小箱を開けるよう促します。箱を開けた都築が目にしたのは——結婚指輪のついた、おそらくは妻の薬指と小指。“作戦が見抜かれていた”ことを一瞬で理解させる残酷なシーンでした。

ここからの“演技合戦”が凄まじかった。姿を見せない声だけのカオナシが、笑い方ひとつ、抑揚ひとつで都築の心を折っていきます。医師の選択を、個人の感情へと言い換えるロジックが重い。「救わなかった。救わないことを選んだ。命に順番をつけた」と断罪するその声は、カオナシが復讐の鬼と化した背景を観る者に想像させるほど、圧倒的な熱量を感じました。

一方、都築もまた「まつりを救えなかった」という後悔と、「妻の指が切り落とされた」という絶望を、目の揺れや声の震えに滲(にじ)ませていく。声の出し方ひとつで感情の落差を見せる主演・長谷川慎の表現に、胸が苦しくなりました。

ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』5話 都築亮(長谷川慎)

そして都築が「返して下さい」と縋(すが)るほど、カオナシは“選べない都築”の弱さを嗤(わら)い、さらに追い詰めます。救えなかった命の重さと、守りたい命を奪われる恐怖が、一気に襲ってくる。第5話の核は、間違いなくこの交渉シーンでした。

◆なぜ作戦が失敗したのかを考察!やはり病院内に内通者か?!

第4話の「殺したフリ」が成立したのは、“盗聴”という限定的な監視を逆手に取れたから。しかし第5話で都築の作戦は、開始時点から裏目に出たことが分かります。カオナシが切り落とされた妻の指を見せたのは、単なる脅しではなく「お前の手の内は最初から見えている」という宣告。  

問題は、カオナシがどこまで“見ている”のか。盗聴だけでなく、病院内の行動が筒抜けだった可能性が高いです。となると、内通者がいる線がやはり濃厚。これまで都築の至近距離にいて、朝比奈を「殺すべき」と圧をかけ続け、警察の動きとも隣り合わせにいた泉が怪しく見えるのは自然でしょう。

ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』1話 泉みなみ(樋口日奈)

一方で、カオナシの“声”の表現力が異様に高いことも気になります。都築の感情の揺れに合わせた嘲笑い方、言葉の選び方、間の取り方。単なる復讐者ではなく、裁くことをやり切ると決めた者の決意が滲みます。そんな高難度の表現力をもった人物とは一体?!看護師長・坂口麻子(遊井亮子)や萩田太朗(曽田陵介)も怪しいですが、サプライズキャストもあり得るのではないでしょうか。まだまだ候補は絞り切れません。

ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』3話 坂口麻子(遊井亮子)

ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』2話 萩田太朗(曽田陵介)

◆“断罪”の先に残るもの——ヒューマンドラマとしても秀逸

第5話までを振り返ると、ヒリヒリした復讐劇の加速だけではなく、「命を救う」とは何か、「正しい選択」とは何かを、都築の後悔と痛みを通してさらに深く掘り下げてきたことも本作の特長といえます。都築に“医師としての使命”を突きつけるだけでなく、カオナシや鷲尾など3年前の事件で傷を負った人々の描写を丁寧に積み上げてきました。だからこそ、復讐と断罪が進むほど、ただのサスペンスではなく“人の痛み”の物語として胸に残ります。だからこそ、サスペンスとしてのスピーディーな展開にも期待したいところ。そろそろ協力者が明らかになるのではないでしょうか?第6話も見逃せません。
文:鈴木まこと
編集プロダクション・広告制作会社で編集・ディレクター・ライターとして活動。年間100本以上観るほどドラマ好きで、エンタメライターとしても執筆中。
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