カオナシとの「内通者」がついに判明、泉(樋口日奈)は裁かれるべき側だった?【ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』】
長谷川慎(THE RAMPAGE)主演『顔のない患者-救うか、裁くか-』 第6話レビュー
医師として“命を救う”べきか、それとも人として“愛する人を守る”べきか——。外科医・都築亮(長谷川慎)が正体不明の“カオナシ”に妻・美保(さかたりさ)を誘拐され、爆弾魔・朝比奈伊織(高橋侃)の命と妻の命を天秤(てんびん)にかける“究極の選択”へと迫られるノンストップ・ヒューマンサスペンス『顔のない患者-救うか、裁くか-』(カンテレ/毎週木曜深夜0時15分~、フジテレビ/毎週木曜深夜0時45分~)。
ここまでで浮かび上がったのは、3年前の爆破事件で同じ赤タグをつけられた妻を優先し、尾形茉莉(松永有紗)を“救えなかった”という、都築の罪の意識。極限状態で下した選択が、カオナシの復讐心(ふくしゅうしん)に火をつけた——。第5話では盗聴を疑い“反撃の作戦”に出るも、都築の想定は完全に上をいかれ失敗という結果に。2月12日に放送された第6話は、その直後、失敗の代償を抱えたまま病院に戻った都築が、さらに深いところまで追い詰められていく回でした。
(以降、第6話のネタバレを含みます)
ここまでで浮かび上がったのは、3年前の爆破事件で同じ赤タグをつけられた妻を優先し、尾形茉莉(松永有紗)を“救えなかった”という、都築の罪の意識。極限状態で下した選択が、カオナシの復讐心(ふくしゅうしん)に火をつけた——。第5話では盗聴を疑い“反撃の作戦”に出るも、都築の想定は完全に上をいかれ失敗という結果に。2月12日に放送された第6話は、その直後、失敗の代償を抱えたまま病院に戻った都築が、さらに深いところまで追い詰められていく回でした。
(以降、第6話のネタバレを含みます)
◆殺す覚悟を決めた?!それでも“医者”を捨てられない都築
病院に戻った都築は、我を忘れて朝比奈のもとへ向かいます。手に握っているのは裁ち鋏(たちばさみ)。これまで何度も“殺す”と“救う”の狭間で迷い続けてきた都築が、ついに自分の手で朝比奈を殺そうとする——切迫した入りです。同僚の夏井冬馬 (井上想良)と看護師の泉みなみ(樋口日奈)に止められますが、都築は絶望のなかにいます。
ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』6話 都築亮(長谷川慎)
ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』6話 泉みなみ(樋口日奈)、夏井冬馬(井上想良)
そして「僕は…人殺しなんだ…」と吐露するのです。これは、ただの後悔ではなく、自分はもう取り返しのつかない場所にいると気づいた“罪の意識”の告白でもありました。過去を回想しながら「僕は命に順番をつけたんだ。救えたかもしれないのに…僕は、美保の命を優先した」と、まるで神に懺悔(ざんげ)するような——それでも許されないと悟った都築の表情。その、どうしようもなく追い詰められた表情に、観ている私たちも簡単には割り切れない“問い”を目の前にした絶望感を覚えました。
そんなとき、追い打ちをかけるように、朝比奈がアナフィラキシーショックを起こします。都築が手を汚さなくても、目の前で朝比奈が死ぬ“都合のいい状況”が訪れるのです。夏井が「このまま放っておけば……」と躊躇(ためら)いながらも示唆します。しかし苦しむ朝比奈の声を聞いた都築は、夏井の制止もきかず治療。朝比奈を助けるのです。「気づいたらこうなってた」「見殺しにはできなかった」——妻を救うためには、朝比奈を殺さなければならないはずなのに、医師として“死にゆく命”を目の前にした瞬間に救ってしまう。都築の矛盾は結局のところ、弱さではなく、彼がどうしても捨てられない“核”そのものなのではないでしょうか。医師であると同時に、とても人間らしい。夏井の言う通り“バカ医者”ではありますが、そんな都築だからこそ私たちは憎むこともできず、寄り添いたくなってしまうのでしょう。
そんなとき、追い打ちをかけるように、朝比奈がアナフィラキシーショックを起こします。都築が手を汚さなくても、目の前で朝比奈が死ぬ“都合のいい状況”が訪れるのです。夏井が「このまま放っておけば……」と躊躇(ためら)いながらも示唆します。しかし苦しむ朝比奈の声を聞いた都築は、夏井の制止もきかず治療。朝比奈を助けるのです。「気づいたらこうなってた」「見殺しにはできなかった」——妻を救うためには、朝比奈を殺さなければならないはずなのに、医師として“死にゆく命”を目の前にした瞬間に救ってしまう。都築の矛盾は結局のところ、弱さではなく、彼がどうしても捨てられない“核”そのものなのではないでしょうか。医師であると同時に、とても人間らしい。夏井の言う通り“バカ医者”ではありますが、そんな都築だからこそ私たちは憎むこともできず、寄り添いたくなってしまうのでしょう。
ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』6話 夏井冬馬(井上想良)
ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』6話 都築亮(長谷川慎)
◆疑いが確信へ!カオナシと繋(つな)がっていた泉
第5話で「盗聴を逆手に取った作戦」が崩れた時点で、病院内にカオナシの内通者がいる可能性は濃厚でした。第6話では、その答えがはっきり提示されます。それは、都築のすぐそばにいて、朝比奈に対して「殺してもいい」と背中を押すような言葉を何度も重ねてきた人物。泉だったのです。やっぱり。しかし、面白いのはここからです。筆者が想像していた“内通者”は、朝比奈もしくは都築に復讐心を持ち、カオナシの思想に同調して協力している人物でした。でも泉は、もっと生々しく、もっと現実的な理由で縛られていたのです。
ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』6話 泉みなみ(樋口日奈)
4,000万円という高額の金銭が絡み、母親の命を盾に取られていた——復讐の共犯というより、逃げ場のない「脅迫の被害者」として、加担させられていた側面が見えてきました。疑っていたはずの泉が、急に“守られるべき弱者”の顔を覗(のぞ)かせる。泉の立場の反転は、物語の倫理的な問題をより複雑にし、単純な善悪では割り切れない深みを与えました。
◆都築と同じ?!——泉もまた裁かれる側だった
泉は「医療従事者は何があっても公平に判断しなきゃいけない。でも、頭ではわかっていても、そんなふうに割り切れますか?それがもし自分の大切な人だったら…そっちを助けたいって、そう思ってしまうことだって…」と、都築に問いかけていました。この言葉は、都築の罪の意識を肯定しているようでいて、実は自分自身に言い聞かせていたのではないでしょうか。第6話のラストで、泉がカオナシに「お前も都築と同じなんだよ!善人面して自分が助けたい命を選ぶ。違うか!?」と責められたことからも、泉もまた都築と似たような経験をして、もしかしたら看護師として同じような罪を犯したのかもしれません。
◆回を重ねるごとに鋭くなるカオナシの復讐に震える
前回は都築、そして今回は泉。カオナシは容赦なく彼らを追い詰めていきます。その怖さは、単にその暴力性にとどまりません。極限状態の判断、医療従事者としての倫理、そして「大切な人を前にした時の人間の弱さ」を、逃げ道のない言葉で炙(あぶ)り出してくるのです。しかも脅迫には財力が伴い、相手の生活も家族も“現実”として支配してくる。恐ろしすぎます。
第7話では、都築と夏井から内通者として疑われている状況下の泉。カオナシから「朝比奈に薬を打て」という命令をきっかけに、どう展開するかが肝になりそうです。カオナシの復讐の牙がどんどん鋭くなりそうで、今から震えています。
第7話では、都築と夏井から内通者として疑われている状況下の泉。カオナシから「朝比奈に薬を打て」という命令をきっかけに、どう展開するかが肝になりそうです。カオナシの復讐の牙がどんどん鋭くなりそうで、今から震えています。
ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』6話 萩田太朗(曽田陵介)、坂口麻子(遊井亮子)、高槙倫(梅舟惟永)
文:鈴木まこと
編集プロダクション・広告制作会社で編集・ディレクター・ライターとして活動。年間100本以上観るほどドラマ好きで、エンタメライターとしても執筆中。
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