「ありがとね」——最も恐ろしいのは、助けたくなるような相手だった。横山裕主演ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』第2話、本格始動した異色バディに突きつけられた背筋が凍るラスト

「ありがとね」——最も恐ろしいのは、助けたくなるような相手だった。横山裕主演ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』第2話、本格始動した異色バディに突きつけられた背筋が凍るラスト
水ドラ★イレブン『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』(カンテレ・フジテレビ系/毎週水曜 午後11:00)の第2話が放送されました。

本作は、一匹オオカミの刑事・磯貝史郎(横山裕)と、“殺した人数”が見える特殊能力を持つ黒井ヒナタ(関水渚)が日常に潜むシリアルキラーに対峙(たいじ)していく物語です。第1話では、盲目を装いながら女性の体の「くびれ」への異常な偏執性から5人を殺害していた彫刻家・犬飼(飯田基祐) を、ふたりの連携によって見事に制圧。第2話では、そんな彼らが本格的に手を組み、新たな猟奇殺人犯を追います。

(以降、第2話のネタバレを含みます)

◆消えた婚約者と、ヒナタの不穏な記憶——第2話は過去の傷から始まる

第2話は、磯貝の悪夢から幕を開けました。3年前、磯貝は婚約者・川田梓(小島藤子) と婚姻届を出しに行くはずでした。しかし、約束の時間になっても梓は現れず、数日後、磯貝の自宅へ梓のものと思われるワンピースと髪の毛が届けられます。警察は事件性を認めず、梓は“行方不明者”として扱われたまま。磯貝はそれ以来、自分のやり方で梓を奪ったシリアルキラーを追い続けているのです。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』2話 川田梓(小島藤子)

一方、ヒナタにも不穏な記憶がよぎります。片腕に包帯を巻いた男性に卑猥な行為を強要される悪夢。夢から目が覚めたあとによみがえるある女性との思い出。まだ詳細は明かされないものの、ヒナタが危険を冒してまで猟奇殺人犯を探している理由にも、磯貝と同じように“大切な誰か”をめぐる傷があることが示唆されます。

そんななか、磯貝はリラクゼーションサロンで働くヒナタのもとを訪ねます。磯貝は「力を借りたい」と協力を求めますが、ヒナタの警戒心は相変わらず。それでも磯貝が、婚約者を殺した犯人を探し続けていることを語ると、ヒナタの表情にも変化が生まれました。
「まともな人間のフリして、街歩いてるわけじゃん。シリアルキラーって」。そう語るヒナタの言葉には、単なる能力者としてではなく、彼女自身の怒りがにじんでいました。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』2話 黒井ヒナタ(関水渚)

◆初潜入で浮かび上がる新たなシリアルキラー

互いが追っているシリアルキラーを見つけ出すために手を組むことになった磯貝とヒナタ。その手がかりとして、磯貝はヒナタに行方不明者届の資料を見せます。「シリアルキラーには殺す対象にこだわりがある」と語るヒナタは、資料から失踪者の共通点を探します。そこで浮かび上がったのは、5人の女性が全員、第三水曜日に同じバーのパーティーに参加していたという事実。
ふたりは客を装い、その怪しげなパーティー会場へと足を踏み入れます。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』2話 磯貝史郎(横山裕)、黒井ヒナタ(関水渚)

磯貝は、女性たちに酒をすすめては距離を詰める男・辻田に目を留めます。彼には、酒に薬を盛って女性を連れ出しているという噂(うわさ)がありました。ヒナタに近づいた辻田を見た磯貝は、咄嗟(とっさ)に割って入り「あいつがシリアルキラーかも」と警戒します。

やがて辻田は、大きなスーツケースを引く若い女性・リサ(田鍋梨々花)に接近。ヒナタは、リサを助けようとして、さりげなく辻田の手に触れます。しかし、そこに数字は見えません。辻田は“殺した人数”を持つシリアルキラーではなかったのです。
辻田に対峙したことで、過去のトラウマから手の震えが止まらなくなるヒナタ。そんなヒナタにリサはそっと触れ、「ありがとね」と微笑む。次の瞬間、ヒナタの目に浮かび上がったのは「12」という数字でした。リサこそが、12人もの命を奪ってきたシリアルキラーだったのです——。第2話は、その鮮烈な反転で幕を閉じました。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』2話 リサ(田鍋梨々花)

◆“普通の顔”をした人がシリアルキラーだった恐怖

この反転は、本作の「シリアルキラーは日常に紛れている」という怖さを、強く印象づけました。分かりやすく不快な人物、危険に見える人物が、必ずしも最も恐ろしい相手とは限らない。逆に、感じがよく、助けたくなるような相手の内側に、とんでもない闇が潜んでいるかもしれない。ヒナタの異能がなければ、リサの正体には誰も気づけなかったはずです。そこに、本作ならではのヒリヒリした恐怖があります。第2話は、シリアルキラーものとしての猟奇性だけでなく、“普通の顔”を信じてしまうことの危うさを描きました。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』2話 黒井ヒナタ(関水渚)

◆共犯者からバディへ——第2話で見えた相性のよさ

一方で、第2話は磯貝とヒナタのバディ感がぐっと増した回でもありました。まだ完全な信頼関係とは言えないものの、ふたりの距離は確実に縮まっています。ヒナタは相変わらず磯貝に対して、距離が近いことや「お前」呼びに嫌悪感を示し、「連絡しろ」という磯貝に「束縛系?」と悪態をつく。舌打ちや軽口も多いのに、そのテンポが妙に心地いいのです 。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』2話 磯貝史郎(横山裕)、黒井ヒナタ(関水渚)

磯貝もまた、強引に見えてどこか抜けているのがいい。ヒナタに売りつけられた怪しげなリングを本当に買ってしまい、しかも潜入先のパーティーにつけていく。そのせいで思わぬ“合図”になってしまうくだりには、シリアスな展開のなかでも笑える余白がありました。

はじめての潜入捜査で、ふたりはまだ息ぴったりとは言えません。ヒナタは危険だと分かっていても自分から相手に触れに行くし、磯貝はそんな彼女の異能の使い方をまだ把握しきれていないからこそ、危うくて目が離せない。第1話では“共犯者”として始まった関係が、第2話では少しずつ“バディ”らしい形を帯び始めていました。

第2話のラストで判明した新たなシリアルキラー・リサ。彼らはこの相手をどう追い詰めていくのか。磯貝の過去、ヒナタの過去、そして日常に紛れるシリアルキラーたち。第2話は、物語の本格始動を告げる一話として、次回への期待を大きく高めてくれました。  
文:鈴木まこと
編集プロダクション・広告制作会社で編集・ディレクター・ライターとして活動。年間100本以上観るほどドラマ好きで、エンタメライターとしても執筆中。
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