もうすぐやって来る花見シーズン。関西の桜の名所といえば、奈良県の「吉野山」が全国的に知られていますが、県内には、まだまだ他にも桜の名所がたくさんあります。今回は、奈良市内在住の地元っ子たちが長年愛してやまない桜の名所「佐保川の桜」をご紹介します。花見酒や花見ランチが楽しめる周辺のおすすめ飲食店やホテル(3店舗)と一緒に、のどかな春の日、桜のトンネルをくぐり抜けて、のんびり花見散策をして、しゃれこみませんか? (表示価格は全て税込)
▼春の女神・佐保姫が舞い降りた佐保川でお花見ウォーキング
佐保川は、奈良県北部の奈良市~大和郡山市を流れる一級河川。奈良の都の東方にある佐保山には、春を司る女神「佐保姫」が宿るとされ、舞い降りると桜が咲いて春が来ると伝わり、まるで佐保姫を感じさせるような圧巻の桜並木のトンネルが川沿い5キロにわたって続きます。
万葉集を代表する女流歌人で、佐保に住んでいたと伝わる大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)が「千鳥鳴く佐保の川瀬のさざれ波やむ時もなしあが恋ふらくは」と詠(うた)うなど、佐保川は、万葉集に数多く登場します。佐保川沿いには万葉歌碑もあるので、探しながら、お花見ウォーキングを楽しみましょう。
▼有名観光地へのアクセス抜群、新大宮駅(近鉄)からスタート
佐保川の桜並木でお花見ウォーキングをするなら、奈良公園など奈良のメジャー観光地が近い近鉄奈良駅のひとつ手前の「新大宮駅」で下車を。これからご紹介する「ノボテル奈良」のすぐそばにある「大宮橋」から、北上して「大仏鉄道記念公園」を目指すコースと、南下して「奈良県立図書情報館」を目指すコースのどちらもおすすめです。(いずれのコースも所要時間は片道15~20分程度)
① 佐保川の桜が一望できるホテルで味わうランチビュフェ
2024年9月にオープンしたばかりのヨーロッパ最大のホテルチェーン「アコー」(本社:フランス・パリ)が手がけるホテル「ノボテル奈良」は、佐保川の桜並木の真横に建つ最高のロケーション。そのため、1階レストラン「トラットリア・ポンテ奈良」では、お花見をしながらのランチビュッフェが楽しめます。さらに、8階「ルーフトップテラスのカフェ&バー」からは、桜並木を真上から眺めることができ、まさに佐保川の桜を楽しむためのホテルと言っても過言ではありません。
1階レストランと8階カフェ&バー、どちらも宿泊者以外の一般客の利用がOKなので、鹿や大仏といった従来の奈良のイメージとはちょっと違う、今までにない奈良の楽しみ方ができます。
▼「トラットリア・ポンテ奈良」の期間限定ブッフェでお花見ランチ
1階「トラットリア・ポンテ奈良」では、2025年3月1日~5月31日まで、奈良の食材や桜をイメージした期間限定メニューのブッフェも。佐保川の桜をイメージした「奈良原木椎茸と桜のソテー」や「魚介のフリット 桜風味」、菜の花のほろ苦さが絶妙な「アサリと菜の花のトマトパスタ」など、グルメでも春を満喫できます。
【ランチブッフェ 開催概要】
期間:2025年3月1日(土)〜2025年5月31日(土)
ランチ時間:11:30~14:00(ラストオーダー 13:30)
ランチ料金:大人 ¥3,520 / お子様(小学生) ¥1,760 / 未就学児無料
【読者へのひとこと】
昨年の開業後、初めてのお花見シーズンを迎えます。万葉集の歌人が和歌を詠んだ佐保川沿いの桜の景色を目の前に、春の旬の食材を取り入れたお食事をお楽しみください(広報・片岡さん)。
ノボテル奈良公式HP:
https://www.novotelnara.com/
② 【農と発酵Zen】 角打ちでチーズと一緒に花見酒はいかが?
お花見といえば、花見酒。先ほどの「ノボテル奈良」から徒歩約5分の場所にある酒屋「農と発酵Zen」には、店内で飲める「角打ち(かくうち)スペース」(予約制)があり、日本酒やワイン、クラフトビールにあわせ、それらに合うチーズを楽しめます。
午前10時~午後8時30分まで営業しているので、朝一でお花見ウォーキングを楽しんだ後に、朝飲みや昼飲み、一人飲みの花見酒を楽しむのも乙かもしれません(角打ちは2時間の入れ替え制)。ソムリエやSAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)、チーズプロフェッショナルの資格を持つ店主の藤井さんがお酒と料理のペアリングを教えてくれます。
「教科書通りの定番の組み合わせにとどまらず、奈良のもの、土地の個性やこだわりを感じられるものを意識しています。一口含めばそのお酒やチーズが生まれた背景が思い浮かべていただければ仕事冥利(みょうり)に尽きます」(藤井さん)
▼チーズの盛り合わせは必食!
なかでも、さまざまなカテゴリーのものを一度に味わえる「チーズの盛り合わせ」は、お酒とともに必ず食べてほしいおつまみで、季節限定のチーズを食べられることもあるのだとか。7種のチーズを使ったピザやチーズをふんだんに使ったクロックムッシュ(フランス発祥のホットサンドの一種)、野菜やフルーツと楽しむブッラータ(イタリア発祥のフレッシュタイプのチーズ)も人気です。
そして、藤井さんがおすすめする花見酒は、秋に仕込んだ日本酒が熟成し3月中旬から5月中旬にかけて販売される春限定の日本酒「春酒」。桜色やサーモンピンクのロゼ、微発泡タイプのワインなど、花見気分を盛り上げてくれます。
佐保川沿いの遊歩道にはベンチもあるので、レジャーシート持参でのお花見も。同店では、缶で販売しているクラフトビールやソムリエナイフがなくても開けられるスクリューキャップのワインも充実しているので、すでにカットされたチーズを数種盛合せた「チーズプラトー」(要予約)と一緒に購入すれば、春の陽気を感じながら、おしゃれで華やいだ花見酒が楽しめるはずです。
【角打ちコーナー情報】
※ 原則予約制
※ 2時間の入れ替え制
<時間枠>
・11:00~13:00
・13:00~15:00
・15:00~17:00
・17:00~19:00
・19:00(最終入店)
※各コマ30分前ラストオーダー
<予約方法>
SNS、DM、もしくはTEL(0742-93-6611)にて
※当日席の空きがあった場合は、そのままチェックインすることも可能。
【読者へのひとこと】
ずっと続く佐保川沿いの桜はお散歩しながら愛でるのにピッタリです。歩き疲れたらぜひ
当店でのどを潤し、おいしいチーズに舌鼓を。お待ちしております。
農と発酵Zen 公式HP:
https://www.noutohakkouzen.com/sakaya.html
③ 40年以上愛され続ける奈良の人気カフェ&雑貨店「くるみの木一条店」
木漏れ日が差し込む緑豊かな庭にたたずむ「くるみの木一条店」は、1984年にオープンして以来、40年以上にわたり愛され続ける奈良のカリスマ的な人気カフェ&雑貨店。現在、空間コーディネーターとしても活躍するオーナーの石村由起子さんのセンスに魅了されたファンが全国から訪れます。
なかでも、訪れたら必ず食べたいのが、大人気の「季節のランチ」(1,870円)。奈良県産や旬の食材をふんだんに使用した季節感たっぷりのおばんざいで、食でも奈良の春を満喫できます。現在決定しているお花見シーズン(3月~4月)のメニューは、下記の通り。
【3月20日~4月1日】
もちきびとひよこ豆のご飯
野菜たっぷりハンバーグ
春キャベツの葛うどんパスタ
ブロッコリーのサラダ
豆腐と若布のお味噌汁
グレープフルーツのゼリー
【4月4日~14日】
奈良県産こしひかりご飯
鶏のサクサク揚げ梅酢風味
菜の花の白和え
スナップえんどうのサラダ
大和麩のお味噌汁
苺のゼリー
大変人気で売り切れてしまうので、事前予約(開店11:00/12:30/14:00の席で予約可能)がおすすめです。※席利用は90分まで
ランチだけでなく、カフェ利用もできるので、佐保川でお花見ウォーキングを楽しんだ後に一息入れて。くるみの木・広報の藤岡さんがおすすめするお花見シーズンにぴったりなカフェメニューは、「桜の春ロール」です。ほんのりピンクのクリームをうぐいす色のスポンジでくるんだケーキで、中にはいちごも入っており、目でも舌でも満開の春を楽しめる逸品です。
実は、もうひとつ春の特別な楽しみも。それは、庭の木々や草花です。とりわけ春になると、オープン間もない頃に植えた白い藤が成長し、毎年見事な花を付けてくれます。開花期間は短いですが、白藤に覆われる姿は圧巻です。
「庭の木々や草花が暖かくなると一斉に芽吹きが始まり、花が咲き、若葉がどんどん大きくなっていくので、毎年感動を覚えます」(藤岡さん)
【読者へのひとこと】
佐保川の桜は私たちくるみの木スタッフも大好きな春の風景です。お花見の後は、佐保川のお花見スポットから徒歩で7~8分のくるみの木へ足を延ばして、お食事やお茶の時間をお楽しみください。庭の植物たちもかわいい花をつけて皆様をお迎えいたします。
「季節のランチ」は下記のURL、もしくは電話より30日後までの予約可
予約ページ:
https://eaty.rsv-site.owl-solution.jp/KURUMINOKI
0742-23-8286(電話受付時間10:00-17:00)
公式HP:
https://www.kuruminoki.co.jp/ichijyo/
取材・文 いずみゆか
奈良を中心に関西の文化財やミュージアムを訪ね歩くのが大好きなライター
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