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【読者プレゼントも】カラダの症状や悩みに合わせて調合、奈良「菊岡漢方薬局」で“マイスパイスカレー粉”づくり

2025.08.14

【読者プレゼントも】カラダの症状や悩みに合わせて調合、奈良「菊岡漢方薬局」で“マイスパイスカレー粉”づくり
今年も猛暑の夏がやってきました。エアコンで涼しい室内と外気の寒暖差で体調を崩しやすい時期です。冷え性や熱中症、食欲減退など、猛烈な暑さが与える影響は、人それぞれ症状は異なりますが、心身ともに負担が大きいもの。

猛暑を乗り越え、身体を整えるため、奈良で創業800年以上続く老舗「菊岡漢方薬局」(奈良市)で、自身の体調や好みに合わせてスパイスを調合したオリジナルのカレー粉づくりを体験してみませんか?「みよか」編集部の編集者2名、みよか1号とみよか2号が実際にチャレンジ。“みよかオリジナル印のスパイスカレー粉”を作ってきました。その体験をレポートします。

約1300年前の薬が現存する奈良の漢方薬トリビア

創業830年の歴史を持つ菊岡漢方薬局

その前に少しだけ、奈良と薬物(漢方薬/スパイス)との歴史について豆知識をご紹介します。知っているとますます、奈良の地でスパイス体験をしてみたくなるはず。古代、中国からさまざまな知識を取り入れてきた歴史を持つ奈良では、古くから薬用植物の栽培が行われてきました。役行者(えんのぎょうじゃ)が作ったと言われる胃腸薬「陀羅尼助(だらにすけ)」のように、民衆に薬を施すため、寺院が薬の製造を行ってきた歴史があります。
店内展示された正倉院宝物として納められている薬物と同じ種類の漢方薬

店内展示された正倉院宝物として納められている薬物と同じ種類の漢方薬

なかでも良く知られているのが、奈良・東大寺の正倉院正倉に納められた聖武天皇ゆかりの宝物にも薬(漢方薬やスパイスにもなる薬物)があること。天皇遺愛の品々とともに、妻の光明皇后が60種の薬物を東大寺の大仏に献納し、その目録『種々薬帳(しゅじゅやくちょう)』記載のうち38種が約1300年の時を経て今も残っているのです。
菊岡漢方薬局の24代目当主・菊岡泰政さん

菊岡漢方薬局の24代目当主・菊岡泰政さん

薬ゆかりの地が多い奈良ですが、観光で来ても漢方薬局には入ったことがないという人がほとんどではないでしょうか?「菊岡漢方薬局」の24代目当主・菊岡泰政さんは、「漢方薬局の敷居を低くして、もっと気軽で身近に漢方薬を取り入れてもらえたら」との思いから、約10年前にこのユニークな体験をスタート。「漢方薬とカレーの原料(スパイス)がこんなに近いものとは思わなかった!」との声が多く、知識も食欲も満たされる体験として、大人気です。

「スパイスは、インドの伝統医学アーユルヴェーダで用いられる薬物が主体です。漢方は、インドの文化が中国に伝わり、中国の伝統医学がさらに日本へ伝わって独自に発展したもの。カレーの主原料であるウコンや香辛料として調合されるチョウジ(丁子/クローブ)、桂皮(シナモン)など、漢方薬として欠くことができないものです」(菊岡さん)

みよか1号&2号、スパイス調合にいざ挑戦

体験の様子

体験の様子

オリジナルカレー粉づくり体験ができる工房内スペース

オリジナルカレー粉づくり体験ができる工房内スペース

スパイス独特の香りが漂う蔵を改装した工房で、いざ調合にチャレンジ。22種類のスパイスをブレンドしたベースとなるカレー粉(50g)に、お好みのスパイスを加えて、オリジナルカレー粉を作ります。ベースにはレッドチリ・グリーンチリ・ブラックペッパーといった辛味スパイスが含まれていないため、辛くありません。好みで辛さや風味を自由に調整できるようになっています。
唐辛子と似た香りだったパプリカの香り

唐辛子と似た香りだったパプリカの香り

菊岡さんは、スパイスの効能を配布資料からだけ学ぶのではなく「実際に香りと色合いを確かめて、そして少しなめてみてから調合してみてください」と説明します。ちなみにスパイスの味は、「渋い、苦い、辛いのどれか」なのだとか。好みの香りと希望する効能のスパイスを多めに足していくことで、マイオリジナルをつくることができます。もちろん、改善したい点を伝えれば、菊岡さんがより具体的にアドバイスしてくれますので、積極的に質問してみてください。

冷え性のみよか1号は、冷え性の体温調節&むくみ防止

暑がりで、クーラーが効いた部屋の中に居ることが好き、かき氷など冷たい物も好きな、みよか1号は、冷え性体質でむくみが気になるとのことで、体温調節が上手くいくように菊岡さんに相談しました。夏場、みよか1号と同じような症状でお悩みの方も多いのではないでしょうか?
調合の様子

調合の様子

菊岡さんが冷え性対策におすすめしたのが、ラテン語で天使を意味する「アンジェリカ」です。セリ科の多年草「トウキ」のことで、根の部分が生薬となります。奈良では古くから薬用植物として栽培され、婦人薬として使われてきました。同店では奈良県五條市産のヤマトトウキ(大和当帰)を使用します。「体温調節が上手くいかないタイプの冷え性なら、血液の流れをスムーズにして調節してくれるので、ヤマトトウキは効果的です。逆にのぼせ上っている体にもおすすめです」と菊岡さん。
調合の様子

調合の様子

さらに、「体の内側に熱をつくって温めるレッドチリより、グリーンチリ、ブラックペッパーの刺すようなシャープな辛さは、さっぱりとした汗を出し、体の表面温度を発散させてくれますので、夏らしい辛さはこの2つで出すとよいでしょう」とアドバイスしてくれました。

ちなみに、ジンジャーは、「ショウキョウ(生姜)」と「カンキョウ(乾姜)」の2タイプあり、それぞれ効能が異なります。カンキョウは体の中から温めるので、冬場におすすめで、真夏には不向きです。ショウキョウは、新陳代謝を促進し、水毒を除く効果が期待できるので、大量の水分摂取でむくみやすい夏場(真夏)におすすめです。

みよか1号の調合レシピ(分量)は、こちら。
みよか1号オリジナル調合レシピ

みよか1号オリジナル調合レシピ

グリーンチリ、ブラックペッパー、ジンジャー(ショウキョウ)、アンジェリカが各7グラムで、それに独特の甘い香りが特徴のスターアニスなど、好みの香りなどをプラスしました。

激辛好きのみよか2号は、辛さを極めて夏を乗り切る

一方、みよか2号は、大の激辛好き。猛暑や夏バテを乗り切るために、「辛さを極めたい」と「発汗して、体内にたまった熱を外に出すタイプ」の調合にチャレンジします。辛いもの好き必見です。
猛暑にピッタリな辛さを極める調合にチャレンジする様子

猛暑にピッタリな辛さを極める調合にチャレンジする様子

自分好みで加えた30グラムの内、なんと半分の計15グラムの半分を占めたのが、レッドチリ、グリーンチリ、ブラックペッパーの辛さを代表するスパイス三人衆。
みよか2号オリジナル調合レシピ

みよか2号オリジナル調合レシピ

「赤色を見ると食欲が増す」という、激辛好きらしい希望で、色味も辛さを極めるため、レッドチリを10グラム、パプリカを8グラムと多めに加えています。ちなみにパプリカは、唐辛子の仲間ですが、辛み成分のカプサンシンが劣性遺伝子のため辛みがなく、熱を加えてもビタミンCが壊れにくく、抗酸化作用を高めるビタミンPを含んでいます。そのため、真夏の紫外線対策に期待できそうです。先ほどの菊岡さんのアドバイスを取り入れて、新陳代謝を促すとされる真夏向けのショウキョウも加えました。
向かって右が「みよか1号オリジナル」、左が「みよか2号オリジナル」

向かって右が「みよか1号オリジナル」、左が「みよか2号オリジナル」

完成したオリジナルスパイスカレー粉は、さらに事前に提出した自分の名前(好きな名前でOK)入りのオリジナル袋に入れて、持ち帰ることができます。何から何まで、すべてがあなただけの“オリジナル”ができるので、そこが人気の秘訣(ひけつ)です。
自分の名前(好きな名前)入りのオリジナル袋に入ったオリジナルスパイスカレー粉

自分の名前(好きな名前)入りのオリジナル袋に入ったオリジナルスパイスカレー粉

オリジナルスパイスを料理に使用する際のポイントとして、「帰宅後は、殺菌効果と味と香りをよく混ぜて均一にするため、乾煎(からい)りしてください。1週間寝かせると落ち着いた味になります」と菊岡さん。生のカレー粉だと、それぞれの粒子が独立して、味が均一になりにくいのだとか。

菊岡さんが伝授「カレーとスパイスの話&簡単な料理レシピ」

菊岡漢方薬局の24代目当主・菊岡泰政さん

菊岡漢方薬局の24代目当主・菊岡泰政さん

体験の中で、菊岡さんは、「カレーと言えばインドですが、インドにはカレーという料理はありません。すべてスパイスの煮込み料理です。私達がよく知るカレーライスは、インドからスパイスが伝わったイギリスで生まれた欧風料理です」と説明します。

クミンが多めだとインド~中東・中央アジア寄りの味に、コリアンダーが多めだと東南アジア寄り、フェンネルやスターアニスが多めだとインドから中国寄りの味になるそうです。
菊岡さんが気軽にスパイスカレー粉を取り入れるレシピも伝授してくれました。

●ポテトサラダや塩味のポテトチップスに振りかける
●ポトフや鍋料理の最後の〆に入れて味を変える
歴史を感じる菊岡漢方薬局の店内の様子

歴史を感じる菊岡漢方薬局の店内の様子

みよか1号&2号が調合したオリジナルを読者プレゼント

みよか1号&2号も実際に今回のオリジナルカレー粉で料理を作ってみました。冷え性対策を希望したみよか1号は、キャロットラペの隠し味にスパイスを使用。レモンとオリーブオイルだけで味付けし、クミンシードを少し混ぜたところに、小さじ一杯のスパイスを入れました。

「レモンで爽やかなキャロットラペですが、後味に少しスパイスの香りが出てきて、しばらくすると、その香りが口中に広がります。風味に複雑さと深みが出て、少しリッチな感じがしました」(みよか1号の感想)
みよか1号がつくったスパイスが隠し味のキャロットラぺ

みよか1号がつくったスパイスが隠し味のキャロットラぺ

激辛大好きなみよか2号は、タマネギとトマトジュース、そして今回のスパイスカレー粉(3さじ)を入れてスペアリブを煮込みました。味付けは塩こうじを使用したそう。激辛好きからすると、スパイスカレー粉の辛さは、意外にもかなりマイルドに感じられたそうです。

「ジンジャー(ショウキョウ)を入れていた影響なのか、だんだん体がポカポカしてくる感覚がありました。アラブ系料理の味がしておいしかったです。今回は豚肉でしたが、次回は牛肉で試してみたいです」(みよか2号感想)
今回の菊岡漢方薬局で体験した「みよか1号&みよか2号オリジナルスパイスカレー粉」を「みよか」読者プレゼントとして、抽選で2名様にプレゼントします。応募方法は、この記事にコメントを投稿するだけ。

応募締め切りは8月31日(日)23時59分まで。
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miyoka
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