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奈良・ハスの花で4寺を結ぶロータスロード、特別御朱印も

2025.06.02

奈良・ハスの花で4寺を結ぶロータスロード、特別御朱印も
古くから日本の初夏(6月上旬~7月中旬頃)に咲き誇る花といえば、蓮(はす)の花(ロータス)を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

蓮は、阿弥陀様がおられる極楽浄土に咲き、仏の教えを象徴する花として知られ、古都奈良にふさわしい花です。世界遺産に登録された古寺が多い仏都・奈良で、蓮の花が美しい四ヶ寺(西大寺、喜光寺、唐招提寺、薬師寺)を巡る奈良市観光協会(奈良県奈良市)主催の人気イベント『奈良・西ノ京ロータスロード~蓮と歴史を楽しむ旅~』が2025年6月12日(木)~8月11日(月・祝)で開催されます。

各寺で蓮の見せ方も異なり、それぞれの楽しみ方ができるため、四ヶ寺にちなみ、まさに“早起きは三文…ならぬ四文の徳”を体験できる内容です。

薬師寺と蓮

薬師寺の蓮 写真提供:奈良市観光協会 ※写真はイメージです

ロータスロードが結ぶ四ヶ寺のうち、薬師寺(法相宗大本山)・唐招提寺(律宗総本山)は、1998年に古都奈良の文化財の一部として、ユネスコの世界遺産に登録されています。

薬師寺は、飛鳥時代に天武天皇が発願し、妻の持統天皇が創建した古刹(こさつ)。奈良時代(710年)元明天皇の命により、藤原京から平城京への遷都にともない、現在の地に遷(うつ)りました。
同寺のご本尊は、国宝「薬師三尊像」で、薬師如来は、正式には「薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)」といい東方浄瑠璃浄土(とうほうじょうるりじょうど)の教主。そのため、ロータスロードの特別御朱印の墨書きは、「瑠璃華」で、浄瑠璃浄土に咲く華(蓮華)です。

ロータスロード関連イベントとして、2025年7月6日(日)に「写真教室 in 薬師寺」が開催予定(要予約)。「入江泰𠮷記念 奈良市写真美術館」の技術員・兼古健悟氏による写真教室で、撮影後の講師による講評も受けられます。
【料金】1名 2,000円(体験料込。要別途拝観料。四ヶ寺共通拝観券での参加も可)定員20名
申し込みサイト:https://reserve.narashikanko.or.jp/naratime/ja/plan/2025b0130

薬師寺 https://yakushiji.or.jp/
奈良県奈良市西ノ京町457
拝観時間:9時~17時
拝観料:大人1,000円/中・高生600円/小学生200円

唐招提寺と蓮

唐招提寺の蓮 写真提供:奈良市観光協会 ※写真はイメージです

唐招提寺(律宗総本山)は、奈良時代に戒律(かいりつ)を授ける導師として聖武天皇から招かれ、苦難の末に渡来した唐の名僧・鑑真和上(がんじんわじょう)創建の古刹(こさつ)です。鑑真が唐から持ってきたものの中にはレンコン(蓮)がありました。
その鑑真伝来の蓮は3種《唐招提寺青蓮、奈良蓮(唐蓮)、唐招提寺蓮》あり、境内で鑑賞できるので必見です。※各開花時期に注意

ロータスロードの関連イベントとして、2025年6月21日(土)と7月13日(日)には「唐招提寺 朝がゆ体験」が開催予定(要予約)。普段は体験できない早朝参拝とともに蓮観賞、勤行(ごんぎょう)体験、奈良の郷土料理「茶がゆ」と唐招提寺オリジナルの飛龍頭(ひろうす)を味わえます。
【料金】1名 3,000円(体験料込。要別途拝観料。四ヶ寺共通拝観券での参加も可)、定員20名
予約サイト:https://reserve.narashikanko.or.jp/naratime/ja/plan/2025b0128

唐招提寺 https://www.toshodaiji.jp/
奈良市五条町13-46
拝観時間:8時30分~17時
拝観料:大人1,000円/中・高校生400円/小学生200円

喜光寺と蓮

喜光寺の蓮 写真提供:奈良市観光協会 ※写真はイメージです

喜光寺は奈良時代の名僧・行基菩薩が養老5年(721)に創建。東大寺大仏建立のための活動拠点とした寺です。
喜光寺の御本尊は阿弥陀如来様。極楽では蓮の花が咲いていることにちなみ、平成7年から境内で蓮の花を育てており、約80種250鉢という品種の多さが特徴です。ロータスロード期間中は、スイレンが咲き誇る弁天池の弁天堂にまつられている人頭蛇身の秘仏・宇賀神(うがじん)像の特別開扉もおこなわれます。

ロータスロード関連イベントとして、2025年7月5日(土)に「写真教室 in 喜光寺」が開催予定(要予約)。「入江泰𠮷記念 奈良市写真美術館」の技術員・兼古健悟氏による写真教室で、撮影後の講師による講評も受けられます。
【料金】1名 2,000円(体験料込。要別途拝観料。四ヶ寺共通拝観券での参加も可)定員20名
申し込みサイト:https://reserve.narashikanko.or.jp/naratime/ja/plan/2025b0129

喜光寺 https://kikouji.com/
奈良市菅原町508
拝観時間:通常 9時~16時 ※7月中の土日祝のみ 7時~16時
拝観料:大人500円/小・中学生300円

西大寺と蓮

西大寺の蓮 写真提供:奈良市観光協会 ※写真はイメージです

西大寺(真言律宗総本山)は、聖武天皇が東大寺を創建したのに対し、娘の称徳天皇の勅願で平城京の西側に創建された古刹(こさつ)。鎌倉時代時に名僧・叡尊上人(えいそんしょうにん)によって再興されました。

ロータスロード関連イベントとして、2025年6月28日(土)に「西大寺で拓本体験」が開催予定(要予約)。奈良文化財研究所の石井恵子氏に奈良で出土した蓮の花文様の古代瓦(レプリカ)の拓本(たくほん)※の取り方を習えます。
※拓本とは、凹凸のある文化財に紙や絹を被せて密着させ、上からタンポに含ませた墨を打ち凹凸を写しとる作業のこと
【料金】1名 2,000円(材料費込。要別途拝観料。四ヶ寺共通拝観券での参加も可)定員10名
申し込みサイト:https://reserve.narashikanko.or.jp/naratime/ja/plan/2025b0131

西大寺 https://saidaiji.or.jp/
奈良市西大寺芝町1丁目1-5
拝観時間:8時30分~16時30分
拝観料:大人1,000円/中・高校生600円/小学生400円

ロータスロードを巡るなら、1500枚限定の四ヶ寺共通拝観券がお得

この「奈良・西ノ京ロータスロード」の特徴は、宗派の違いを超えて、蓮が4つのお寺をつないでいる点。
そして、蓮の花は、早朝に花を開き、午後には閉じる特性があるため、観賞に適した朝(午前中)のお寺をさらに楽しめるウォーキングツアーや蓮の写真教室など、さまざまな特別企画が盛りだくさんな点です。

ロータスロードを巡るなら、「四ヶ寺共通拝観券」(1枚 4,000円/四ヶ寺の拝観料、オリジナルグッズを含む)購入がおすすめです。購入者特典として、各寺の御朱印所にて、四ヶ寺共通拝観券を提示すると、「ロータスロード特別御朱印」の受け取りが可能に(別途納経料必要)。
さらに、周辺地域での食事や買い物に利用できるクーポンが進呈されるので、奈良の朝をちょっとお得に楽しめます。

ロータスロード特別御朱印 画像提供:奈良市観光協会

「四ヶ寺共通拝観券」
【販売期間】
2025年6月 12日(木)~8月11日(月・祝)※紙券、電子チケット共通
【販売場所】
・紙券:奈良市総合観光案内所、近鉄奈良駅総合観光案内所、各寺拝観受付
・電子チケット:奈良市観光協会ウェブサイトhttps://narashikanko.or.jp/feature/lotusroad ほか
【販売価格】4,000 円(四ヶ寺の拝観料、オリジナルグッズを含む)
※1500枚限定 (紙券、電子チケットあわせて)
※共通拝観券の子ども料金の取り扱いはありません。各寺にて子ども料金をお納めください(未就学児は無料)。

レンタサイクル?それともウォーキング?

ロータスロードの開催地は、奈良市の西側に位置する西ノ京エリア。レンタサイクル利用の場合は、レンタサイクルが駅隣にある近鉄「大和西大寺駅」(ターミナル駅)からスタートして、西大寺(さいだいじ)→喜光寺(きこうじ)→唐招提寺(とうしょうだいじ)→薬師寺(やくしじ)の順でめぐりましょう。

もし、古都の風情が残る歴史の道からスタートし、早朝ウォーキングを楽しみたいのであれば、近鉄「西ノ京駅」からスタートし、薬師寺→唐招提寺→喜光寺→西大寺の順がおすすめです。

「四ヶ寺共通拝観券」購入して巡るとオリジナルグッズも付いてくるのでお得ですが、各寺で通常通り拝観料を払っての拝観でも大丈夫です。

四ヶ寺共通拝観券のオリジナルグッズ 画像提供:奈良市観光協会

「蓮の花は午前中が見頃です。古都奈良の静寂の中でお寺巡りと蓮の花観賞をお楽しみください」(奈良市観光協会 大山さん)

ロータスロード公式サイト:https://narashikanko.or.jp/feature/lotusroad
取材・文 いずみゆか
奈良を中心に関西の文化財やミュージアムを訪ね歩くのが大好きなライター
miyoka
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