2025年日本民間放送連盟賞
<番組部門>
テレビドラマ:最優秀賞 『アンメット ある脳外科医の日記』
<特別表彰部門>
放送と公共性:優秀賞 『冤罪を生む刑事司法の壁に挑む検証報道』
カンテレが2025年日本民間放送連盟賞の番組部門(テレビドラマ)で最優秀賞、特別表彰部門(放送と公共性)で優秀賞を受賞しました。
番組部門(テレビドラマ)で同じ社が3年連続最優秀賞を受賞するのは初めて(※注)です。表彰式は11月7日(金)に行われます。
【動画で見る】『アンメット ある脳外科医の日記』
(※注)カンテレ調べ・民放連ホームページを参考にテレビドラマ部門が出来た1988年以降、番組部門(テレビドラマ)では同一社の3年連続最優秀賞は初めて
番組部門 テレビドラマ:最優秀賞『アンメット ある脳外科医の日記』
カンテレの同部門最優秀賞受賞は、2023年の『エルピスー希望、あるいは災いー』、2024年の『春になったら』に続き3年連続です。
ⓒカンテレ
『アンメット ある脳外科医の日記』(2024年4月〜6月カンテレ全国ネットで放送)は、過去2年間の記憶を失ったうえに今日のことも翌日には全て忘れてしまう主人公が“私はまだ、医者なのだろうかー”と葛藤を抱えながらも患者を救う脳外科医の物語です。
【審査講評】
『俳優陣の抑えた誠実な演技は圧倒的なリアリティがある。それを際立たせる制作陣の真摯なものづくりによって、人が生きていくために何が必要かを、静かに、そして力強く訴えていたことが高く評価された』
★米田孝プロデューサー(制作局 制作部)のコメント★
『この度は素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。
エンタテインメントが多様化する時代に、どんな“テレビドラマ”が求められるのか。ずっと自問自答しながら作り上げた作品でした。誰よりも力強く繊細に作品に向き合う杉咲花さんを中心に、皆で同じ熱を共有し、一緒に挑戦してくれたキャスト・スタッフに心から感謝します。
また、手前味噌で恐縮ですが、諸先輩から受け継いできたカンテレのドラマが、3年も続けて受賞できたことがとても誇らしく、ありがたい気持ちでいっぱいです。』
【放送】
2024年4月15日~6月24日 毎週月曜22:00~
【出演者】
杉咲花 若葉竜也 岡山天音 生田絵梨花 千葉雄大 吉瀬美智子 井浦新 他
【原作】
子鹿ゆずる(原作)
大槻閑人(漫画)
「アンメット-ある脳外科医の日記-」
(講談社「モーニング」連載)
【脚本】
篠﨑絵里子
【音楽】
fox capture plan
【主題歌】
あいみょん「会いに行くのに」
(unBORDE/Warner Music Japan)
【オープニング曲】
上野大樹「縫い目
(cutting edge)
【演出】
Yuki Saito 本橋圭太 日髙貴士
【プロデューサー】
米田孝 本郷達也
【制作協力】
MMJ
【制作著作】
カンテレ
特別表彰部門 放送と公共性:優秀賞 『冤罪を生む刑事司法の壁に挑む検証報道』
テレビ報道は、警察情報に依拠した逮捕報道に時間と労力を注ぐ一方、その後の裁判を大きく取り上げることは少ない。冤罪の可能性が判明すれば逮捕後の検証取材を行うべきではないか。報道の現状に疑問を抱いた関西テレビの記者たちが、冤罪を生む構造や刑事裁判の実態に迫る取材に取り組んできた。
【審査講評】
『法律の専門家である記者が志を同じくする2人の記者と協同し、警察や司法の壁を突き崩し、課題を明らかにした意義は大きい。テレビ報道の新しい価値を強く感じさせるとともに、日本におけるジャーナリズムの在り方への挑戦ともいえる取り組みが評価された。』
●受賞コメント●(報道情報局報道センター 上田大輔/赤穂雄大/菊谷雅美)
テレビ報道は刑事司法に厳しい目を向けられているか。まだまだ道半ばです。今回の受賞は『まだ諦めず頑張れ』と背中を押していただいたような気持ちです。」
『刑事司法の壁に挑んだ一連の検証報道』
逮捕報道に比して裁判を大きく取り扱うことは少ない。現状に疑問を抱いた記者が、裁判報道の新たな可能性を模索。冤罪を生む構造、刑事裁判官の実態、特捜検察の取り調べの闇など刑事司法が抱える問題に独自取材と新たな映像表現で迫った。
【放送】
2021年11月2日〜2024年12月20日 「newsランナー」、「ザ・ドキュメント」等
【取材】
上田大輔/赤穂雄大/菊谷雅美
【対象となった放送】
❶『乳児窒息死冤罪事件』(報道ランナー 2022年12月26日放送)
無罪確定からわずか10日後に冤罪を生む構造を検証。逮捕報道について当事者の声を紹介しつつ、マスメディアの責任として検証取材を行っていく重要性を訴えた。
❷『ザ・ドキュメント 引き裂かれる家族 検証・揺さぶられっ子症候群』(2023年7月7日放送)
虐待冤罪で起訴された父親が長期勾留された背景に「人質司法」の問題があると指摘。保釈決定を取
り消し続けた裁判官を実名表記した。放送から8ヶ月後、国は「子ども虐待対応の手引き」からSBS
診断基準などに関する記載を削除した。
❸『ザ・ドキュメント 逆転裁判官の真意』(2023年11月24日放送)
“有罪推定”と言える日本の刑事裁判の実態を炙り出す。ロス疑惑銃撃事件二審の裁判長が、初めてメディア取材で内幕を語るなど独自取材。記者の取材過程を示す構成と独自の映像表現で、刑事司法に関心がない層も引き込んだ。
❹『プレサンス元社長冤罪事件』(報道ランナー2021年11月2日、2022年6月10日、
同年10月4日、newsランナー2024年6月11日、同年8月9日、同年12月20日放送)
史上初めて世に出た検察特捜部の取り調べ録音録画を独自入手し、スクープ。また、他のテレビ局が検事を匿名で報道する中、当初から取り調べ検事と主任検事を実名報道。最高検からの指示で捜査方針を転換した”特捜部の暴走”を独自取材した。
❺『白浜保険金殺人事件』(newsランナー 2024年2月29日放送)
逮捕時に注目を集めた事件で一審が科学的証拠を十分吟味できていたか検証取材。「疑わしきは罰
せず」に従うか注視すべきと考え、判決前に特集した。
❻『今西事件』(newsランナー 2024年7月26日、同年11月26日、同年11月28日放送)
5年半勾留された男性の保釈当日、独自取材を基に「逆転無罪の可能性が高い」と踏み込んだ記者
解説。判決前に刑事弁護人の葛藤に触れつつ裁判の詳細を伝える特集を放送した。判決当日、当
事者への偏見を強める要因について自己検証の必要性に言及した。
★視聴はこちらから★
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