パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実 第10話レビュー
幹太(伊野尾 慧)の子どもを妊娠したなつめ(伊原六花)は、実家の母・楓(南野陽子)に報告しに行きます。なつめの父が家を出てから、シングルマザーとして必死でなつめを育ててきた楓は「なつめのおかげで幸せ」と喜びます。なつめもこれからシングルマザーとしておなかの子を育てることになるのでしょう。だけど、楓からこんなにも愛情一杯に育てられたなつめなら、きっと子どもをしっかり守って幸せにできるはず、と感じるようなシーンでした。
ミックスが不安定になっている中、なつめは妊娠中の貧血で仕事中に倒れてしまいます。病院に付き添った守谷(八嶋智人)は、意識が戻ったなつめから妊娠していることを聞き「幹太の子どもを一緒に育てよう」と話します。これは実はみんなで一緒に育てようという意味だったのですが、ドアの向こうでこの言葉を聞いてしまった田村(松倉海斗)は、早とちりしてしまいます。
田村は、なつめが入院したことを幹太に報告するためミックスに現れ、さらに「守谷がなつめと一緒におなかの子を育てるのがいいと思う」と伝えます。急なことを受け入れられない幹太は、トースターにその怒りをぶつけようとしてあることを思い出しました。それは、なつめと2人でこのトースターを真ん中に過ごした毎朝のこと。
そもそもトースターを買ったのは、なつめが守谷から「2人で過ごす朝を大事にしろ」とアドバイスされたからでした。守谷のおかげでなつめと結婚できた、と思い出した幹太は、思い切って守谷に「なつめのことが好きなんですか?」と単刀直入に質問します。守谷の答えは「幹太もなつめも、大事な部下で大事な仲間だ」と。そこで幹太は、これまでのできごとを守谷に打ち明けることに。
それにしても、このあと幹太サイドとなつめサイド、2人の守谷が対面するシーンは驚きでした! 「おまえは、おれか?」と戸惑う守谷がちょっとかわいかったです。幹太となつめが、ミックスで守谷と会わせようと同じことを同じタイミングで考えたのも、2人の息がぴったり合っている、ということに思えます。そして、どっちの世界でも、守谷は部下思いのいい上司でした。
なつめから「こっちではみんなが力になってくれる」と聞いた幹太は、「この部屋でしか会えない自分は、なつめと子どもの力になれない」からと、守谷になつめと子どものことを「よろしくお願いします」と頼みます。でも、それに対して幹太サイドの守谷は「なつめにとっての幹太はここにいるおまえしかいない」と諭します。だれも幹太の代わりにはなれないということですよね。そして、なつめサイドの守谷は「おまえはそっちの世界で、自分に何ができるかを考えろ」と課題を与えます。
自分にできることを考えた幹太は、仕事仲間たちにミックスのことを打ち明けました。でもただ1人、莉子(齊藤なぎさ)だけはその事実を信じることができません。そこで幹太はみんなを納得させるため、ミックスに田村、莉子、今井(岐洲匠)を呼びます。死んだはずのなつめが現れたことに、喜びと驚きでどよめく一同。とくに、「そんなこと信じられない」と言っていた莉子が、目に涙をためながらなつめに会えたことを喜ぶ様子はほんとうにかわいかったです。
幹太となつめがミックスを通してさらに絆を深める今回の内容は、身近にいて毎日一緒に過ごしている人をもっと大事にしたいな、という気持ちにさせてくれるものでした。
さて、次回予告では、幹太となつめが2人で部屋を出て町中を走るシーンが? もしかして、ミックスを飛び出すことができるようになるのでしょうか。ここへきて新展開を迎えそうな予感がします。
文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。子育て系やエンタメ系記事の取材・ライティングを行う。
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