アイスを分け合う黒木華・野呂佳代と、笑顔の裏の松下洸平。『銀河の一票』第2話の細やかな描写が示唆する、光と影のコントラスト

アイスを分け合う黒木華・野呂佳代と、笑顔の裏の松下洸平。『銀河の一票』第2話の細やかな描写が示唆する、光と影のコントラスト
4月20日の第1話がXのトレンド1位に輝くなど好調なスタートを切った、新しい“選挙エンターテインメント”『銀河の一票』(毎週月曜 午後10:00~/カンテレ・フジテレビ系全国ネット)。その第2話が4月27日に放送されました。
第1話では、民政党幹事長・星野鷹臣(坂東彌十郎)の娘で秘書の星野茉莉(黒木華)が、不審な転落死を遂げた医大学部長と鷹臣の関連を調べ始めたことが原因となり、仕事も家も追われることに。そんなとき出会ったのが、スナックママの月岡あかり(野呂佳代)です。
『銀河の一票』第2話 黒木華、野呂佳代

『銀河の一票』第2話 黒木華、野呂佳代

茉莉は、自分の身を案じた上で「私が幸せでいるために、あなたも幸せでいないと」と声をかけてくれたあかりに心を動かされます。さらに茉莉は、亡き母・瑠璃(本上まなみ)の「道に迷ったら、明るい方に行くの」という言葉も重なり、あかりに“光”を見出します。そして「月岡あかりさん、都知事になりませんか?」と驚きの打診を行います。
今回の第2話では、出馬要請に戸惑うあかりを茉莉が説得。茉莉には、あかりを都知事選の新候補者に立て、医大学部長の転落死に関する告発文を切り札に選挙を戦い、当選の暁には自分を副都知事に指名してもらって政界にカムバックする思惑がありました。
一方で、あかりにはスナックを辞められない事情がありました。それは、人生に絶望していた自分を救ってくれた先代ママ・鴨井とし子(木野花)の存在です。あかりを雇ったあと、とし子は認知症の兆候が見られるようになり、店に立てなくなりました。そしてあかりにママの立場を託し、介護施設へ。その後、とし子の症状は悪化し、あかりの問いかけにもほとんど反応できない状態に。茉莉は、その話を聞いて出馬要請を断念します。
『銀河の一票』第2話 木野花

『銀河の一票』第2話 木野花

食べたくないおかずを他人に押し付ける日山流星

第2話で印象に残った人物と場面があります。それが、民政党員の日山流星(松下洸平)です。日山と言えば、茉莉の幼なじみで良き理解者……と思われましたが、鷹臣の過去を探る茉莉の動きを密告し、離職へ追いやった人物です。
そんな日山が、車内で弁当を食べながら外国語で電話会談する場面。そこで日山は、自分が食べたくないおかずを、隣にいる秘書・東堂昴(倉悠貴)の弁当へ淡々と移していくのです。何気ないワンシーンなのですが、筆者はここに日山の人間性を強く感じました。
『銀河の一票』第2話 倉悠貴、松下洸平

『銀河の一票』第2話 倉悠貴、松下洸平

日山は見た目や人当たりが良く、なによりポジティブな言葉で人をひきつけるのが上手な政治家です。次期都知事の最有力に挙げられるなど人気も抜群。自分も都知事選出馬に乗り気ですが、地元(東京・町田市)の人たちに「都知事選に出るのか」と問われると、「とんでもない! まだまだ地元のみなさまのために汗をかかせてください!」と調子の良いことを言い、さらに「町田の星が東京の星になっちゃうのか」という声に対しても「私は町田の星ではありません。あなたの、星です」と口にするのです。
『銀河の一票』第2話 松下洸平

『銀河の一票』第2話 松下洸平

しかし人目の届かないところでは、自分が食べたくないものは、一方的に他人に押し付ける性格が見られます。つまり彼はこれまでの人生でもやりたくないことはうまく避け、他人任せにし、しかし持ち前の好感度の高さで許されたり、目を向けられなかったりしたことを表しているのではないでしょうか。政治の場面でも同様で、もし彼が都知事になったら、国民の声や問題とは向き合わず、やはり他人任せになることが予想されます。日山がおかずを避ける場面は、そうした政治姿勢を示唆しているように捉えられました。

アイスを半分ずつ分け合った茉莉とあかり

『銀河の一票』第2話 黒木華、野呂佳代

『銀河の一票』第2話 黒木華、野呂佳代

茉莉も、自分の中にある腹黒さに言及するところがありました。やはり調子の良い言葉を並べて、あかりをその気にさせ、出馬を決断させようとするのです。
茉莉は、「一番お話ししなければならないことを隠して、あなたの心を動かせそうなことをあざとく並べて……。消えたい」と自分の腹黒さを認め、反省します。そして正直に、都知事になることが目標だったこと、政界から締め出されたこと、政界に戻るためにあかりに都知事になってもらいたいことを明かします。
自分の腹黒さを認めて“本当の自分”で勝負しようとする茉莉と、人前では自分を良く見せ続ける日山の対比がここではっきり現れます。
加えて、打ち解けあった茉莉とあかりが、カップアイスを半分ずつ分け合って食べる場面も、これらに連動しているように感じられました。あかりの提案でカップアイスを分け合い、二つの味を楽しんだ茉莉。それはつまり、どんな物事でも他人と共有し合うことの大切さを示しているように推察できました。ここもまた、食べたくないおかずを一方的に押し付ける日山とのコントラストが描かれています。
暗い場所で輝く“星”野茉莉と、明るさの象徴の“日”山流星。第2話では、そんな二人の対照性が色濃く浮かび上がったのではないでしょうか。
『銀河の一票』第2話 松下洸平

『銀河の一票』第2話 松下洸平

文:田辺ユウキ
芸能ライター。大阪を拠点に全国のメディアへ寄稿。お笑い、音楽、映画、舞台など芸能全般の取材や分析の記事を執筆している。
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