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学校での「盗撮」疑惑 女子生徒のSOS【ドラマ・僕達はまだその星の校則を知らない】

2025.07.28

学校での「盗撮」疑惑 女子生徒のSOS【ドラマ・僕達はまだその星の校則を知らない】
​​磯村勇斗さん主演の月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』(カンテレ・フジテレビ系)の第3話が7月28日に放送されました。
​磯村さんが、いじめなど学校で起きる様々な問題について、法律に基づいた助言や指導を行う弁護士=「スクールロイヤー」として、共学になったばかりの高校に派遣された白鳥健治を演じます。

盗撮疑惑と写真の拡散

今回扱われたのは「校内での盗撮行為&写真の拡散」という「スマホとSNS時代」ならではの深刻なテーマです。
第3話で「盗撮被害を訴えた生徒」と「疑いをかけられた生徒」を演じたのは、それぞれ、近藤華さん(17)と、越山敬達(こしやま けいたつ)さん(16)。
近藤さんは、ドラマ『アンチヒーロー』で死刑囚の娘役を好演、映画「サユリ」ではヒロインを務めた若手実力派俳優。
越山さんは、去年公開された映画『ぼくのお日さま』で第48回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、公開中の映画『国宝』にも出演。こちらも演技力の光る新進気鋭の俳優です。
『僕達はまだその星の校則を知らない』第3話 右:三木美月(近藤華)左:山田美郷(平岩紙)

『僕達はまだその星の校則を知らない』第3話 右:三木美月(近藤華)左:山田美郷(平岩紙)

第3話では、近藤さん演じる2年生の三木美月が、同じクラスで生物科学部の内田圭人(越山敬達)に「盗撮された」と訴えます。
三木の背後でスマホを構えて、シャッターを連写した内田。
その後、三木は内田が興奮した様子で画像を友人に見せている場面を目撃してしまい、ショックで教室に入ることができなくなりました。

「勝手に撮られた写真、知らない男子たちが回し見しているとかもうキモすぎる。もうほんとやだ……」  

切実に訴える三木。
スクールロイヤーの健治(磯村勇斗)は、国語教師の幸田珠々(堀田真由)らと盗撮被害の実態調査に乗り出します。
『僕達はまだその星の校則を知らない』第3話 右:幸田珠々(堀田真由) 左:内田圭人(越山敬達)

『僕達はまだその星の校則を知らない』第3話 右:幸田珠々(堀田真由) 左:内田圭人(越山敬達)

調査の結果、内田が三木を卑わいな目的で盗撮したわけではなく、三木の肩にとまった希少な「てんとう虫」を撮影するためにシャッターを切ったことが判明したのです。
盗撮する意図はなかったことを主張する内田。
しかし、内田にその気はなくても、何の了解もなく、背後から突然写真を撮られた三木としては気分の良いものではありません。
国語教師の​​珠々(堀田真由)は、友人に送った写真がSNSで拡散される可能性と「制服や画像で学校や個人が特定されることがある」リスクを伝えます。事の重大さを理解したのか、涙を流す内田。​
事情を把握し、謝罪を受けた三木は内田を許しました。引きずることなく笑顔を見せた三木の姿に、内田も救われたはずです。
​個人的には、三木はおおらかで気持ちの良い性格をしている子だなと感じました。
『僕達はまだその星の校則を知らない』第3話 右:幸田珠々(堀田真由) 左:白鳥健治(磯村勇斗)

『僕達はまだその星の校則を知らない』第3話 右:幸田珠々(堀田真由) 左:白鳥健治(磯村勇斗)

​​健治は教員に対し、法律における盗撮について「“盗撮”という罪はない」としつつも、性的な盗撮行為を取り締まる「性的姿態等撮影罪(撮影罪)」「迷惑防止条例違反」に該当し、「学生でも罪に問われる」と説明しました。
​撮影罪で検挙された高校生は2023年7月から1年あまりで31人、14歳以上の中学生でも83人。 撮影罪で検挙された中高生の多さと、小学生同士でも被害が出ている現実にゾッとしました。​

「撮らない、撮らせない、送らない、もらわない」

筆者は、友人が SNSに勝手に自らの画像をアップしたことに対して、登場人物の一人がつぶやいた「一言、言ってくれればいいのに」のセリフに共感しました。
​​写りが悪いだけでなく、許可なくSNSに写真をアップされて、自身の意図しないところでプライベートをさらされるのは、大人でも不快に思う行為のはず。内田も「てんとう虫」を撮りたいと一言三木に告げていれば、盗撮​​問題​​にならなかったかもしれません。​
『僕達はまだその星の校則を知らない』第3話 白鳥健治(磯村勇斗)

『僕達はまだその星の校則を知らない』第3話 白鳥健治(磯村勇斗)

内田の疑惑が解決した後、健治が全校生徒の前で盗撮事件に巻き込まれないよう注意点を述べます。「撮らない、撮らせない、送らない、もらわない」。
​この言葉は子どもたちだけでなく、大人にも言えることです。盗撮に絡んだ犯罪が増加しつつある今だからこそ、拡散すべき言葉だと強く思いました。
​​取材・文:宅野美穂​
都内在住のライター。主に、インタビュー記事を執筆。本とゲームと音楽が好き。​
miyoka
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