齊藤京子×水野美紀 W主演『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』第7話 レビュー
▶ついに復讐は「第二ステージ」へ、レイコが沙織に宣戦布告!
ママ友いじめによって娘の優奈(大友花恋)を失った55歳の母親・玲子(水野美紀)が、全身整形で25歳の新米ママ・レイコ(齊藤京子)に生まれ変わり、ママ友たちに復讐(ふくしゅう)してゆく——。ぶっ飛んだストーリーと俳優陣の迫真の演技に中毒者続出中のドラマ『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』(カンテレ・フジテレビ系/毎週火曜よる11時~放送)。
11月11日(火)放送の第6話では、ボスママ・新堂沙織(新川優愛)の家で開かれたパーティーのさなか、ママ友の一人、彩(香音)の娘と夫との間に血縁関係がないことを示すDNA鑑定書が大型スクリーンに映し出され、会場は大パニック。夫から罵られ、絶縁を突きつけられた彩は半狂乱となりレイコを激しく責め立てるが、実は彩を罠(わな)にはめた犯人は沙織だった——。
▶ただの「セレブママ」ではない、肝の座った悪女・沙織にシビれる!
これまでは、典型的な意地悪ボスママといった風情で描かれていた沙織だったが、第7話では彼女の複雑な人間性にスポットを当てて描かれる。夫を「ダーリン」と呼び、出勤前にキスを交わし、とびきりの笑顔で手を振りながら見送る沙織は、誰が見ても羨む「セレブな愛され妻」なのだが——。
ドアが閉まった瞬間、真顔になり「ああ、だるー」と気怠そうに首をまわす。夫の愛も金も名誉も、すべてを持っているはずの彼女の心の空洞を覗(のぞ)き見るようで寒々しい気持ちになる。
だからこそ、彼女がレイコに「どうせ成金趣味だって馬鹿にしてるんでしょ。でも私は自分の趣味や欲望に正直に生きる女なの」と言い放つシーンには、惚(ほ)れぼれせずにいられない。
いくら手にしても満たされない空洞を埋めるように、ゲーム感覚で欲望をかなえ、気に入らない人間を貶(おとし)めてゆく沙織は、確かに冷酷非道な憎むべき敵なのだが、その肝の座ったヒールっぷりは清々しく、一抹の寂しさを感じさせる。そんな複雑な魅力を持つ沙織を演じる、新川優愛のハマりっぷりも含めて目が離せない。
▶復讐のゴングが鳴り響く!手に汗にぎる宣戦布告シーン
また、第7話の大きな見せ場となるのが、沙織とレイコの対決シーンだ。ついに取り巻きのママ友がひとりもいなくなった沙織は、レイコを手なづけようと二人きりで対話を試みるが、レイコは「あなたとは絶対に友だちにはなれない」ときっぱりと拒絶。
「私は必ず、新堂家の闇を暴いてみせる」「あなたたちを二度と這(は)い上がれない奈落の底に突き落とす」と憎しみもあらわに言い放つ。
レイコはこれまでにも何度も沙織への復讐を口にしてきたが、直接顔を見合わせて、敵意を口にするのは本シーンが初となる。暗い部屋の中で敵意を剥き出しにして向かい合う、レイコと沙織の姿をスポットライトが照らし出す。舞台的ともいえる演出が手に汗にぎる緊張感を加速させる。
その瞬間、レイコの中の玲子が現れ、二人の顔と声がオーバーラップしながら高らかに宣戦布告する。ドラマチックな演出に、復讐のゴングが鳴り響く音が聞こえてくるようだ。
▶内藤秀一郎演じる明彦は「良き夫で良き父親」なのか?
沙織に宣戦布告したため、新堂家に出入りして秘密を探ることが不可能となったレイコは、駅前のバーで働く彩を訪ね、協力を持ちかける。その際の彩の反応がケッサク!
彩の不貞相手は、もしかして沙織の夫、新堂幹久(竹財輝之助)なのか?だとしたら、それはたんなる浮気なのか。それとも新堂家の闇にかかわる重大な秘密が隠されているのか? 今後、注意して見守りたいところだ。
また、気になるのが意識不明の孫に会いに病院を訪れていたレイコが、優奈の夫の明彦(内藤秀一郎)と対面するシーン。
とっさに優奈の高校時代の友だちだと誤魔化したレイコは「明彦さんは良き夫で良き父親、優奈の選んだ人に間違いはなかった」と優奈の無念を晴らすことを誓うのだが、その後、明彦は息子の手を握りながら「圭太、ごめん…」と呟(つぶや)くのだ。
この意味深な言葉、もしや明彦は何かしらの秘密を抱えているのか?よくよく考えれば、明彦役の内藤秀一郎は人気俳優の登竜門・仮面ライダー出身で『こっち向いてよ向井くん』『海に眠るダイヤモンド』など話題作のドラマにも引っ張りだこの注目俳優だけに、脇役で終わるとはとうてい思えないわけで…。彼が今後、物語の核心に絡んでくる可能性にも期待したい。
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