松下奈緒 VS 桜井ユキ、スリリングな展開に背中ゾワッ「銀河鉄道999」が意味するものとは【ドラマ『夫に間違いありません』】
松下奈緒主演『夫に間違いありません』第8話レビュー
後半戦に突入したドラマ『夫に間違いありません』(毎週月曜よる10時~放送/カンテレ・フジテレビ系全国ネット)。その第8話が2月23日に放送されました。
遺体を行方不明の夫・一樹(安田顕)と誤認してしまい、生命保険金を受け取ってしまった妻・朝比聖子(松下奈緒)。
第7話では、2年前のクリスマスイブに葛原紗春(桜井ユキ)と夫・幸雄(今里真)の間に何があったのかが明らかに。好きなバスケットボールチームの結果で気持ちが左右される紗春はその日、チームが負けたことで感情が大荒れに。それが引き金になったのか、保険金をかけている幸雄を橋の上から突き落としてしまったのです。
第7話では、2年前のクリスマスイブに葛原紗春(桜井ユキ)と夫・幸雄(今里真)の間に何があったのかが明らかに。好きなバスケットボールチームの結果で気持ちが左右される紗春はその日、チームが負けたことで感情が大荒れに。それが引き金になったのか、保険金をかけている幸雄を橋の上から突き落としてしまったのです。
『夫に間違いありません』第8話 桜井ユキ
その事件の鍵を握っているのが、当時、失踪していた一樹。幸雄は死の直前、繁華街で一樹に服を汚され、弁償を請求するために財布や身分証を預かっていました。その後、幸雄は転落死。川で発見された遺体に一樹の持ち物が含まれたことから、聖子の遺体誤認につながったのです。
それまで聖子は、遺体誤認をした上、一樹の生存を秘密にし、保険金を受け取ったままにしていることから、常に人目に怯(おび)える毎日を送っていました。特に紗春に対しては、自分に近づいてきた彼女の思惑が読めないこともあって、どこか頭が上がらない状態でした。
しかし第8話では形勢逆転。紗春の秘めた事実に気づいた聖子は、一連の事件を追いかける週刊誌記者・天童弥生(宮沢氷魚)に近づき、保身のため、紗春の情報を共有してほしいと願い出ます。一方、紗春も同様のことを考え、天童と手を組み、聖子の秘密や一樹の居所を突き止めようとします。
それまで聖子は、遺体誤認をした上、一樹の生存を秘密にし、保険金を受け取ったままにしていることから、常に人目に怯(おび)える毎日を送っていました。特に紗春に対しては、自分に近づいてきた彼女の思惑が読めないこともあって、どこか頭が上がらない状態でした。
しかし第8話では形勢逆転。紗春の秘めた事実に気づいた聖子は、一連の事件を追いかける週刊誌記者・天童弥生(宮沢氷魚)に近づき、保身のため、紗春の情報を共有してほしいと願い出ます。一方、紗春も同様のことを考え、天童と手を組み、聖子の秘密や一樹の居所を突き止めようとします。
『夫に間違いありません』第8話 宮沢氷魚、松下奈緒
松下奈緒 VS 桜井ユキ、スリリングな衝突
第8話はまず、聖子と紗春のスリリングなぶつかり合いについて触れておかなければならないでしょう。特に見応えがあったのが、聖子が営む飲食店でアルバイトをしている紗春がやってくるところです。
この時点ですでにお互い、相手の隠し事に気づいています。ですので聖子は、紗春が出勤するとは思っていません。一方で紗春は、天童が欲しがっている情報を手に入れるため、あえて出勤します。再び顔を合わせた聖子と紗春には、視聴者のみなさんもゾゾっとしたのではないでしょうか?
この時点ですでにお互い、相手の隠し事に気づいています。ですので聖子は、紗春が出勤するとは思っていません。一方で紗春は、天童が欲しがっている情報を手に入れるため、あえて出勤します。再び顔を合わせた聖子と紗春には、視聴者のみなさんもゾゾっとしたのではないでしょうか?
『夫に間違いありません』第8話 松下奈緒、桜井ユキ
無言の探り合いが続くぎこちない空気感の中、「(生活が)苦しいなら旦那さんの生命保険を解約したら?」「それとも解約できない理由でもあるの?」と吹っ掛ける聖子も強烈でした。松下奈緒さんは、相手の弱みを握った人間特有の隠しきれない優位性を、台詞(セリフ)の言い回しだけではなく表情でもしっかり伝えました。一方の桜井ユキさんは、遠回しに核心を突かれながらも気丈にそれを受け止める紗春の胆力を、やはり多くを語らず表情で見せました。
松下さんと桜井さんによる、表情の衝突。それは台詞の応酬以上の迫力がありました。しかもおもしろいのは、聖子と紗春は「どちらが相手を出し抜くか」でやり合っているものの、実際はどちらも詰んでいるところ。このバトルに勝ったとしても、真の勝者にはなれません。焦りが極限に達している人間の内面がうかがえて、ヒリヒリしました。
松下さんと桜井さんによる、表情の衝突。それは台詞の応酬以上の迫力がありました。しかもおもしろいのは、聖子と紗春は「どちらが相手を出し抜くか」でやり合っているものの、実際はどちらも詰んでいるところ。このバトルに勝ったとしても、真の勝者にはなれません。焦りが極限に達している人間の内面がうかがえて、ヒリヒリしました。
「銀河鉄道999」など劇中登場曲の意味
そんな紗春に、一樹の秘密をうっかり教えてしまうのが聖子の義母・いずみ(朝加真由美)です。
『夫に間違いありません』第8話 朝加真由美
第8話でいずみは、通っているグループホームで行われる発表会で披露するダンスの練習をしています。そのダンス曲が、ゴダイゴが1979年にリリースした「銀河鉄道999」(作詞:奈良橋陽子<英語詞>・山川啓介<日本語詞>、作曲:タケカワユキヒデ)です。
同曲は前向きな旅立ちをテーマに、人生という旅には終わりがないことを歌っています。<さあ行くんだ その顔を上げて>という歌詞に始まり、<古い夢は 置いて行くがいい>や<別れも愛の ひとつだと>と歌われます。それは聖子と一樹や紗春と幸雄の夫婦関係、そしていずみと一樹の親子関係のことを重ねているようにも思えます。軽やかなメロディとポジティブな曲内容、そしてボーカルのタケカワユキヒデさんの清涼感たっぷりの歌声が鳴り響きますが、それらはいずれもどこか皮肉的に聞こえ、それぞれが抱える悲劇を際立たせています。
ちなみに同作の劇中での音楽的要素で気になるのが、紗春が働くスナックで客が歌っているカラオケの曲です。第7話では、沢田研二さんの「勝手にしやがれ」(1977年/作詞:阿久悠、作曲:大野克夫)が歌われていました。この曲には<やっぱりお前は出て行くんだな>、<寝たふりしてる間に出て行ってくれ>という歌詞があります。
同曲は前向きな旅立ちをテーマに、人生という旅には終わりがないことを歌っています。<さあ行くんだ その顔を上げて>という歌詞に始まり、<古い夢は 置いて行くがいい>や<別れも愛の ひとつだと>と歌われます。それは聖子と一樹や紗春と幸雄の夫婦関係、そしていずみと一樹の親子関係のことを重ねているようにも思えます。軽やかなメロディとポジティブな曲内容、そしてボーカルのタケカワユキヒデさんの清涼感たっぷりの歌声が鳴り響きますが、それらはいずれもどこか皮肉的に聞こえ、それぞれが抱える悲劇を際立たせています。
ちなみに同作の劇中での音楽的要素で気になるのが、紗春が働くスナックで客が歌っているカラオケの曲です。第7話では、沢田研二さんの「勝手にしやがれ」(1977年/作詞:阿久悠、作曲:大野克夫)が歌われていました。この曲には<やっぱりお前は出て行くんだな>、<寝たふりしてる間に出て行ってくれ>という歌詞があります。
『夫に間違いありません』第8話 桜井ユキ
そして第8話で登場したのが、郷ひろみさんの「2億4千万の瞳(エキゾチック・ジャパン)」(1984年/作詞:売野雅勇、作曲:井上大輔)。同曲には<この星の片隅 2億の瞳が/素敵な事件(こと)を探しているのさ>とあります。「勝手にしやがれ」は、一樹のことを突き放す聖子の気持ち、そして「2億4千万の瞳(エキゾチック・ジャパン)」は似顔絵が公開されて全国で捜査されている一樹の様子を投影しているように感じます。
『夫に間違いありません』第8話 安田 顕
このように、ふと聞こえてくる音楽も物語とのリンクを感じます。激動のストーリーを追いながら、こういった細かい要素にも気を配ると、より『夫に間違いありません』の楽しみ方が増すのではないでしょうか。
文:田辺ユウキ
芸能ライター。大阪を拠点に全国のメディアへ寄稿。お笑い、音楽、映画、舞台など芸能全般の取材や分析の記事を執筆している。
芸能ライター。大阪を拠点に全国のメディアへ寄稿。お笑い、音楽、映画、舞台など芸能全般の取材や分析の記事を執筆している。
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