最終回はどうなる? 桜井ユキ「あのときの紗春は間違ってない、と感じてもらえるかな」【ドラマ『夫に間違いありません』】
カンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”『夫に間違いありません』で葛原紗春を演じる俳優・桜井ユキ
主人公の朝比聖子(松下奈緒)が、家族を守るためについた嘘から人生の歯車が狂っていくサスペンスドラマ『夫に間違いありません』。その聖子と秘密で結ばれ、お互いの罪を隠すために熾烈(しれつ)なバトルを繰り広げるのが、桜井ユキが演じるシングルマザー・葛原紗春です。
ウソとウソが重なり合い、登場人物のすべてがどんどん窮地に追い込まれていく怒涛の展開に、SNSではそれぞれの考察が飛び交っている同ドラマも、2026年3月23日(月)の放送でいよいよ最終回。大阪を訪れた桜井ユキに話をうかがいました。
ウソとウソが重なり合い、登場人物のすべてがどんどん窮地に追い込まれていく怒涛の展開に、SNSではそれぞれの考察が飛び交っている同ドラマも、2026年3月23日(月)の放送でいよいよ最終回。大阪を訪れた桜井ユキに話をうかがいました。
◆「最初は、展開の早さが不安のひとつでしたが⋯」
──いよいよ来週、3月23日(月)に最終回を迎えるドラマ『夫に間違いありません』ですが、改めておかざきさとこさんによる脚本を読んだときの印象と、桜井さんが演じる葛原紗春役についてお聞かせください。
今はわりと原作モノのドラマが多い中で、こんなに巧妙に練られたストーリーをオリジナルで書かれてるっていうことが、本当に素晴らしいし、夢があるなと思いました。オリジナルでもこんなに素晴らしい脚本があるんだ。そして、この物語を生み出せる方がいらっしゃるんだっていう意味でもすごくワクワクしました。
今はわりと原作モノのドラマが多い中で、こんなに巧妙に練られたストーリーをオリジナルで書かれてるっていうことが、本当に素晴らしいし、夢があるなと思いました。オリジナルでもこんなに素晴らしい脚本があるんだ。そして、この物語を生み出せる方がいらっしゃるんだっていう意味でもすごくワクワクしました。
──その中で、紗春というキャラクターに関しては、どう感じられましたか?
前半から後半にかけて紗春が変化していくのは、もちろん最初に分かっていたことなんですけど、登場から絵に描いたような陽のキャラクターというか、明るく演じてほしいと衣装合わせの時点で、監督からお伝えいただいていました。
紗春が醸し出す違和感だったり、何か心の黒いモノっていうのを、前半は出しすぎずに演じつつ、そのバランスは監督とも相談して、ちょっとずつ表情の中に入れていきながらキャラクターを構築していきました。その作業もすごく楽しかったです。
前半から後半にかけて紗春が変化していくのは、もちろん最初に分かっていたことなんですけど、登場から絵に描いたような陽のキャラクターというか、明るく演じてほしいと衣装合わせの時点で、監督からお伝えいただいていました。
紗春が醸し出す違和感だったり、何か心の黒いモノっていうのを、前半は出しすぎずに演じつつ、そのバランスは監督とも相談して、ちょっとずつ表情の中に入れていきながらキャラクターを構築していきました。その作業もすごく楽しかったです。
「紗春というキャラクターを構築していく作業もすごく楽しかった」と俳優・桜井ユキ
──ちょっとずつギアを上げていくような。
そうですね。前半でそのギアを入れすぎてしまうと後半破綻してしまうし、構築する上でいろんな選択肢があったので。結果的には、監督やプロデューサーと相談しながら作り上げたあのキャラクターで正解だったなと思います。
──そのギアの上げ方も相当難しかったと思います。この『夫に間違いありません』は、すごくテンポや展開が早かったので。
そうですね。前半でそのギアを入れすぎてしまうと後半破綻してしまうし、構築する上でいろんな選択肢があったので。結果的には、監督やプロデューサーと相談しながら作り上げたあのキャラクターで正解だったなと思います。
──そのギアの上げ方も相当難しかったと思います。この『夫に間違いありません』は、すごくテンポや展開が早かったので。
それは台本を読んだときに思いました。あ、この段階でもうこうなっちゃうんだって。でも、実際に映像化されたものを観たとき、そのテンポが逆に心地よかったんですね。実は最初、その展開の早さが不安のひとつだったんです。
けれども、編集も本当に絶妙なタイミングだったり、音楽がかかるタイミングもそう。ドラマの世界観がもつ色味だったり、いろんな要素が足されることによって、こんなにも視聴者の心をつかむ映像になるんだと。本当に、いち視聴者として感動しました。
けれども、編集も本当に絶妙なタイミングだったり、音楽がかかるタイミングもそう。ドラマの世界観がもつ色味だったり、いろんな要素が足されることによって、こんなにも視聴者の心をつかむ映像になるんだと。本当に、いち視聴者として感動しました。
◆「呼吸のスピードや瞬きを存分に使える作品でした」
──個人的には、ブラウン管の中だからこそ展開できるドラマの良さ、面白さを久々に感じた作品でした。今どき、ブラウン管なんて言いませんが。
分かります。映像的な雰囲気は映画チックだなと思ったんですけど、本来のドラマの楽しみ方みたいなものがグっと詰まった作品でしたね。その取り入れ方が本当に絶妙で、それは出演させていただきながら感じていました。
──ほかのドラマ作品とはちょっと違った部分はありますか?
ドラマの後半に待っている事柄を、どれだけ言葉ではなく、表情で盛り込んでいくか。そういう難しさはありましたね。前半の映像を観て、あ、もう少し表情を出していいなとか、もう少し早く切り替えてもよかったなとか、いっぱい発見もあって。迷ったときは、台本を読み直してみたり。本当、ずっと研究してる感じというか、楽しかったです。
分かります。映像的な雰囲気は映画チックだなと思ったんですけど、本来のドラマの楽しみ方みたいなものがグっと詰まった作品でしたね。その取り入れ方が本当に絶妙で、それは出演させていただきながら感じていました。
──ほかのドラマ作品とはちょっと違った部分はありますか?
ドラマの後半に待っている事柄を、どれだけ言葉ではなく、表情で盛り込んでいくか。そういう難しさはありましたね。前半の映像を観て、あ、もう少し表情を出していいなとか、もう少し早く切り替えてもよかったなとか、いっぱい発見もあって。迷ったときは、台本を読み直してみたり。本当、ずっと研究してる感じというか、楽しかったです。
ドラマ『夫に間違いありません』第11話のワンシーン、聖子(松下奈緒)と紗春(桜井ユキ)
──今回、登場人物が対峙するシーンも多かったので、クローズアップ(寄りのショット)が多用されていましたね。
やっぱりカメラの位置で表情の大きさだったり、細かさというのは変わってくるので、寄りだからこそ出せる表情があるんです。このドラマは呼吸のスピードや瞬きを存分に使える作品だったので、そこはすごく面白かったです。
いい意味でずっとプレッシャーがあったので、気が抜ける瞬間がひとつもなくて。前日に予習というか、このシーンの前はこうだったな⋯というのを毎回やっていたので、こんなに勉強しながら進めていく撮影も珍しいなと。すべてが楽しい作業でした。
やっぱりカメラの位置で表情の大きさだったり、細かさというのは変わってくるので、寄りだからこそ出せる表情があるんです。このドラマは呼吸のスピードや瞬きを存分に使える作品だったので、そこはすごく面白かったです。
いい意味でずっとプレッシャーがあったので、気が抜ける瞬間がひとつもなくて。前日に予習というか、このシーンの前はこうだったな⋯というのを毎回やっていたので、こんなに勉強しながら進めていく撮影も珍しいなと。すべてが楽しい作業でした。
◆「本当に総力戦だったんだと改めて感じます」
──演出面ではどうでしたか?
リハーサルの段階で、自分が思うお芝居をしたとき、もう少しあの要素を足してほしいとか、結構細かったです。現場ではずっと繊細な作業をしてましたね。もちろん、どの作品でも監督には相談しますけど、こんなに距離が近く、ああだね、こうだねって言いながらできる現場はなかなかないので。
本当、コミュニケーションを取りながらしっかり作っていけました。みんなが納得した状態で、しっかりと自分の中に落とし込んで物語を進めていける、お芝居をすることができるという意味では、改めて贅沢(ぜいたく)な時間だったと思います。
──かなり密なコミュニケーションだったと。
密でした。それはキャスト間でもそうですし。本当にお話をたくさんした現場でした。それこそ撮影部さんともお話をしましたし、今の角度ではどう見えますか? とか。なんかいろんなお話を技術スタッフさんとさせていただきました。
リハーサルの段階で、自分が思うお芝居をしたとき、もう少しあの要素を足してほしいとか、結構細かったです。現場ではずっと繊細な作業をしてましたね。もちろん、どの作品でも監督には相談しますけど、こんなに距離が近く、ああだね、こうだねって言いながらできる現場はなかなかないので。
本当、コミュニケーションを取りながらしっかり作っていけました。みんなが納得した状態で、しっかりと自分の中に落とし込んで物語を進めていける、お芝居をすることができるという意味では、改めて贅沢(ぜいたく)な時間だったと思います。
──かなり密なコミュニケーションだったと。
密でした。それはキャスト間でもそうですし。本当にお話をたくさんした現場でした。それこそ撮影部さんともお話をしましたし、今の角度ではどう見えますか? とか。なんかいろんなお話を技術スタッフさんとさせていただきました。
行方不明の夫を探し続けるシングルマザーの葛原紗春(桜井ユキ)
──衣装であったりとか、そのヘアスタイルなんかも。
細かくお話させていただきました。キャラクターの見え方もそうですし、衣装で言うなら、「後半はこういう風にしようと考えてますが、どう思いますか?」って聞いてくださったり。紗春のスカジャンも、本当に絶妙なものを選んでくださったなと。この前、街を歩いてたら「あ、普段はスカジャン着られないんですね?」って言われましたよ(笑)。
──え、これまでの出演作でもそんなに着てないですよね。
ないです、ないです。だから、誰かと間違えてるんじゃないかと思ったけど、「あ、紗春だ!」と。視聴者の方にとって、あの衣装やヘアスタイルが“紗春の象徴”として映ってるんだって思うと、本当に総力戦だったんだと改めて感じることができました。
細かくお話させていただきました。キャラクターの見え方もそうですし、衣装で言うなら、「後半はこういう風にしようと考えてますが、どう思いますか?」って聞いてくださったり。紗春のスカジャンも、本当に絶妙なものを選んでくださったなと。この前、街を歩いてたら「あ、普段はスカジャン着られないんですね?」って言われましたよ(笑)。
──え、これまでの出演作でもそんなに着てないですよね。
ないです、ないです。だから、誰かと間違えてるんじゃないかと思ったけど、「あ、紗春だ!」と。視聴者の方にとって、あの衣装やヘアスタイルが“紗春の象徴”として映ってるんだって思うと、本当に総力戦だったんだと改めて感じることができました。
◆「紗春は今、“破裂寸前”って感じです」
──紗春といえば、桜井さんの演技において、心の奥底に抱えているモノを見え隠れさせるような表情の演技がすごく興味深かったです。でも、取材会では第11話から最終話に向かって、さらに変わっていくという言葉もあって。
そう、まだまだありますよ。ただ、どの紗春も嘘ではないです。嘘にしたくないというのが、私のテーマだったので。第1話から最終回まで、ちゃんと心が繋がるように自分の中で紗春を構築してきたつもりなので。そこは同じレールの上で変化をつけられたらという思いで演じてました。
そう、まだまだありますよ。ただ、どの紗春も嘘ではないです。嘘にしたくないというのが、私のテーマだったので。第1話から最終回まで、ちゃんと心が繋がるように自分の中で紗春を構築してきたつもりなので。そこは同じレールの上で変化をつけられたらという思いで演じてました。
──このドラマでは、主人公の聖子をはじめ、登場人物はみんな、たとえ自分勝手な欲望だったとしても、なにかしら守りたいもののために嘘を重ねて、それぞれを窮地に追い込んでいきます。桜井さんは、紗春はなにを守りたかったと考えてますか?
それが最終回で分かることなんです。紗春も、これだけは譲れないというものがあって。もちろん賛否はあると思いますが、紗春にもちゃんと守りたいものがあります。
友だちには「紗春、闇落ちしちゃったね」って言われました(苦笑)。人間誰しも持ってると思うんですけど、走り出してしまったがために後に引けないというか。紗春が見せるあの強さだったり、あの態度っていうのは、実は怖さや弱さが内側に潜んでいて。
そこを突かれたときの反発というか、パン!ってはじけてしまう感じを私は出したかったんです。それでも、ちゃんと最終回に繋がっていきます。なので、決して闇落ちをしたわけでもなく、自暴自棄になったわけでもない。紗春なりの想いがずっと心の中にあって。今、それが破裂寸前って感じです。
それが最終回で分かることなんです。紗春も、これだけは譲れないというものがあって。もちろん賛否はあると思いますが、紗春にもちゃんと守りたいものがあります。
友だちには「紗春、闇落ちしちゃったね」って言われました(苦笑)。人間誰しも持ってると思うんですけど、走り出してしまったがために後に引けないというか。紗春が見せるあの強さだったり、あの態度っていうのは、実は怖さや弱さが内側に潜んでいて。
そこを突かれたときの反発というか、パン!ってはじけてしまう感じを私は出したかったんです。それでも、ちゃんと最終回に繋がっていきます。なので、決して闇落ちをしたわけでもなく、自暴自棄になったわけでもない。紗春なりの想いがずっと心の中にあって。今、それが破裂寸前って感じです。
◆「本当に愛すべきキャラクター、私は大好きです」
桜井ユキにとって葛原紗春は、「本当に愛すべきキャラクター。素直だし、私は大好きです」
──先日の取材会では、紗春に対して理解はできないけれども、共感はするとおっしゃってました。その共感する部分っていうのはどういったところですか?
周りにどう言われようが、どう思われようが、自分の大切なモノを守るためになりふり構っていられない感覚はすごく分かります。それが悪だと言われてしまうようなことでも、その本人にとっては正義でしかなくて。
紗春のその強い気持ちを私は尊敬できるし、強く共感できます。ただ、その行動は素晴らしいとは言えない。でも、それも人間の選択としてありうるなと。ネタバレになるので細かく説明できなくて申し訳ないですけど、本当に愛すべきキャラクター。素直だし、私は大好きです。
周りにどう言われようが、どう思われようが、自分の大切なモノを守るためになりふり構っていられない感覚はすごく分かります。それが悪だと言われてしまうようなことでも、その本人にとっては正義でしかなくて。
紗春のその強い気持ちを私は尊敬できるし、強く共感できます。ただ、その行動は素晴らしいとは言えない。でも、それも人間の選択としてありうるなと。ネタバレになるので細かく説明できなくて申し訳ないですけど、本当に愛すべきキャラクター。素直だし、私は大好きです。
──それと、「このドラマは愛」なんだとも。それも最終回で見えてくると?
そうですね。根本にあるのは、愛なんですよね。与えるだけの愛じゃなくて、欲してる愛もそう。なんか人間って、欲深いなって思ってしまうんですけども、その欲がないと何も生まれないとも思うんですね。このドラマの登場人物も最終回を着地とするならば、あのときの紗春はあれで間違ってなかったと感じてもらえるかなと。
──SNSでは「クズッキー」と呼ばれて大不評の、安田さん演じるクズ夫(一樹)も?
安田さんは⋯でも、あれぞ人間ですよね(苦笑)。ドラマのキャラクターとして描いちゃうとなかなかのクズっぷりですけど、やっぱり人間って、ああいうこと言っちゃうし、やっちゃうし。最終話までいっても、一樹の想いも愛です。ある種、クズとして一貫してますけど。
そうですね。根本にあるのは、愛なんですよね。与えるだけの愛じゃなくて、欲してる愛もそう。なんか人間って、欲深いなって思ってしまうんですけども、その欲がないと何も生まれないとも思うんですね。このドラマの登場人物も最終回を着地とするならば、あのときの紗春はあれで間違ってなかったと感じてもらえるかなと。
──SNSでは「クズッキー」と呼ばれて大不評の、安田さん演じるクズ夫(一樹)も?
安田さんは⋯でも、あれぞ人間ですよね(苦笑)。ドラマのキャラクターとして描いちゃうとなかなかのクズっぷりですけど、やっぱり人間って、ああいうこと言っちゃうし、やっちゃうし。最終話までいっても、一樹の想いも愛です。ある種、クズとして一貫してますけど。
──なるほど。最終回がさらに楽しみになりました。最後に、1月に行われた制作発表会では、聖子が営むお店「あさひおでん」のおでんをいつか食べてみたいとおっしゃってましたが、その願望は叶いましたか?
一度だけ叶いました。毎回おいしく作っていただいてるんですけど、一度だけ、火を入れて2〜3時間のおでんベストタイミングのときに、「休憩にしましょう、おでんも食べていいです」と言われて、「やった!」って。もう、たくさん食べました。卵もダシが染み染みで、すごくおいしかったです(笑)。
ドラマ『夫に間違いありません』の最終回は、2026年3月23日(月)・夜10時からカンテレ・フジテレビ系全国ネットで放送。秘密で結ばれた聖子と紗春に待ち受ける、予想を裏切る結末とは!? 家族の愛と罪を問うヒューマンサスペンスが、ついに完結します。
取材・文/服部崇(di;hype)
関西在住のウェブディレクター&編集者。映画とドラマは没入感を求めて、消灯してヘッドホン。常に真剣勝負です。
一度だけ叶いました。毎回おいしく作っていただいてるんですけど、一度だけ、火を入れて2〜3時間のおでんベストタイミングのときに、「休憩にしましょう、おでんも食べていいです」と言われて、「やった!」って。もう、たくさん食べました。卵もダシが染み染みで、すごくおいしかったです(笑)。
ドラマ『夫に間違いありません』の最終回は、2026年3月23日(月)・夜10時からカンテレ・フジテレビ系全国ネットで放送。秘密で結ばれた聖子と紗春に待ち受ける、予想を裏切る結末とは!? 家族の愛と罪を問うヒューマンサスペンスが、ついに完結します。
取材・文/服部崇(di;hype)
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