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「おせち」の最新トレンドは“欲望”と“カジュアル”

2024.12.24

「おせち」の最新トレンドは“欲望”と“カジュアル”
クリスマスも終わり、早くも新年が目の前に。お正月といえば家族や親戚とおせちを囲って食べる「おせち」がありますが、近年はおせちのトレンドに変化が起きているようです。

「おせち」とは?

そもそも「おせち」とはどういった内容のものを指すのか、農林水産省のWEBサイトでその定義を調べてみると、「おせち料理というのは、人日【1月7日】、上巳(じょうし)の節句【3月3日】、端午(たんご)の節句【5月5日】、七夕(7月7日)、重陽(ちょうよう)【9月9日】の五節句の際に備える料理全般をさしていました。そのうち、特に重要な正月の料理だけを“おせち料理”と呼ぶようになった」と記されています。
また、「正月のお節は、1年の家内安全と無病息災を願うものです。そのため、材料も内容も語呂合わせで縁起を担ぐものが多くなっています」とあります。

代表的なおせちの食材の語呂合わせには、

きんとん:金団と書き、黄金色をしているところから、金運上昇。
田作り:材料のカタクチイワシを田畑の肥料に使ったことから、豊作。
伊達巻:着物の柄に似ていたところから、着るものに困らない。
里芋:土の中に小芋をたくさんつけるところから子孫繁栄。
れんこん:穴が開いていて、将来の見通しがいい。
えび:腰が曲がるまで長生きできる。
数の子:一腹にたくさん卵があるところから、子孫繁栄。
昆布巻き:よろ“こぶ”の語呂合わせ。
ブリ:ブリは出世魚であるところから、出世祈願。
黒豆:「まめましく(=真面目によく)働けますように」との願い。(1)

​と、食材ごとに願いが込められていて、大切に伝わってきたことがわかります。
(1)引用:農林水産省HP「おせちは一年の幸を願う料理。おせちを知って作ってみよう!」
そのほかにも地域ごとに受け継がれてきた伝統的なおせち料理があり、食品メーカー「紀文」のWEBサイトには日本各地のおせち料理とそのレシピが紹介されています。関西では大阪の「にらみ鯛」や京都の「棒ダラの煮物」などが、ご当地おせちとして愛されているようです。(2)
(2) 参考:紀文「ご当地おせちマップ 47都道府県の正月伝統料理を再現」

トレンドは背徳感や欲望に忠実なおせち

伝統的なおせち以外にも、最近ではスイーツをお重いっぱいに詰めた“スイーツおせち”や、肉料理だけ詰めた“肉おせち”などの「〜だけおせち」が百貨店などで販売されるほか、SNS上では自分の好きな食べ物だけを並べたおせちを作る人が多数存在するなど、これまでのおせちの常識を打ち破り、食欲に忠実なおせちのニーズの高まりがあるようです。

そういった自由なおせちの流れをくみ、大手コンビニエンスストア「ファミリーマート」(本社:東京都港区)からは、食欲を満たしてくれる“欲望おせち”となるものが販売され、好評を得ているようです。

「ファミリーマート」から販売されている“欲望おせち”と“背徳おせち”

おせちにカニor宮崎牛がセットになった豪華な内容。同社の広報担当者によると、「昨年の販売で大きく反響がありました。最近ではおせちだけだと物足りない、温かい食べ物を食べたいというご要望もあることを受けて、“欲望おせち”の展開をいたしました」と、おせちと鍋ができるセットとして販売する運びとなったようです。

今年のイチオシ“背徳おせち”は三段重にもつ鍋付き

また、「昨年の“欲望おせち”が好調であったので、今年は“背徳感おせち”をご用意しました。おせちにもつ鍋をセットにしたもので、もつ鍋には明太子とニンニクをプラスし、『罪悪感がありながらもおいしいものを食べたい」というニーズに応えています」と欲望をさらに上回り、背徳感たっぷりの内容に仕上げているのだとか。すでにたくさんの予約が入っているとのことで、背徳感ある料理の特別感はおせちに匹敵するようです。

単品で100円から購入できるカジュアルなおせち

また、大手コンビニチェーン「ローソンストア100」からは、“ローソンストア100オリジナルおせち”が登場。今年は「おせちのカジュアル化」をポイントに、幅広い世代が“おせち”を楽しめるよう全40種類の料理を用意しています。

40 種類がラインアップしている「ローソンストア100」の“ローソンストア100オリジナルおせち”

今年は原材料の高騰や社会情勢などの影響により100円が15種類、150円を19種類、200円が4種類、300円が2種類の4価格帯になりましたが、全種類使ったとしても税込6,210円で完成してしまうほど超リーズナブル。カジュアルにおせちを楽しめるのが魅力です。

全種類使うとこんなに豪華。それでも合計で税込6,210円と破格

かまぼこ、伊達巻、黒豆などの定番はもちろん、数の子やふかひれ煮こごり、えびのうま煮などの高級食材もそろい、「必要なものだけ」「足りないものだけ」「食べたいものだけ」など、多種多様なニーズに応えてくれて使い勝手抜群です。一つひとつが小さめの使い切りサイズなので少人数での利用にもぴったり。

同社のおせち専用サイトでは盛り付け方法やアレンジ方法なども紹介されているので、あまりおせちになじみのない若い人でも気軽に日本の伝統食に触れられます。飾りつけ用品は100円ショップなどでそろうので、ぜひ併せてチェックするのがおすすめです。

盛り付けのアイデアもWEBで紹介されていて便利

このように従来の伝統的なおせち料理と共に、お正月だからこそ欲望のまま本当に食べたいと思うものを自由に食べるスタイルが、今後さらに主流になりそう。年に1回の特別な時期だからこそ、好きなものを大切な人たちと一緒に楽しみながら、素敵な新年を迎えたいですね。
miyoka
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