「大阪・関西万博」(主催:2025年日本国際博覧会協会)の会場で、多くの人が手にしている人気の地図があります。実はその地図は「自分が欲しいと思ったから作成した」という個人の地図で、個人利用の範囲で自由に使用できるように無料公開されています。今回は、目的に合わせて持参したい万博便利マップ7種をご紹介します(マップは更新されるので、最新情報は作成者のXアカウントをご確認ください)。
パビリオン名&予約方法がひと目でわかるマップが大好評
万博が開幕したころ、公式マップは建物に番号がふられていて、地図の周りにまとめてパビリオン名が記載されていました(現在は改善されています)。そのため「つじ」(
@t_tsuji)さんが開幕後すぐに作成した「パビリオン名が一目でわかる」&「予約方法がわかる」マップが大きな話題に。
地図は、建物にパビリオン名と予約状況(原則予約・先着のみなどが記載)などが記載されていて便利な『万博のパビリオン巡りを主目的とした地図』として公開されています。
現在も最新情報へ更新が続けられていて、最新の地図はVer2.16(8月19日現在)。ネットからPDFの地図をダウンロードできるほか、セブンイレブンのネットプリントでプリント(プリント代のみ必要)が可能で、汎用性の高いうちわに対応した地図のデータも用意されています。
つじさんは「地図作成の経緯は単に『自分が』万博を回りやすいようと作成したものが公開してみたら多くの人の需要にマッチしただけ」と話していて、個人利用の範囲であれば地図の改造を含めた二次配布も許可しています。そのためこちらの地図をもとに、便利な地図が続々と作成されています。
夏にうれしい「アイス(氷菓)」マップ
暑さとの戦いでもある夏の万博会場で、食べたいのはやはり冷たいアイスや氷菓。冷たいというだけでなく、各国の特徴があるアイスもいただけるのが楽しいところです。つじさんのマップを利用した『アイス(氷菓)マップ』を公開しているのは、万博に20回は訪れているという「ぴよぴよ」(
@piyo2_expo2025)さんです。
「自分がアイスを探す際にSNSなどをみてもまとまってる物がなかったので、ビールマップや紅茶マップみたいにアイスもまとめたら便利&面白いなと思った」ことから作成されたそうです。
マップの周りには、アイスの画像がずらり。そこからパビリオンに矢印が出ているので、どこでどんなアイスが食べられるのか一目瞭然です。ちなみに金額は「
万博アイス金額表」を別ページで公開しています。
ぴよぴよさんの現在のお気に入りは、オマーンのローズソフトクリーム(800円)と台湾特製かき氷(1,850円)だそう。台湾特製かき氷は「TECH WORLD」で購入でき、「マンゴーとパイナップル両方とも絶品でした」とのこと。
お子さん連れ万博の強い味方「遊び場&パビリオンの外のスタンプ」マップ
お子さん連れの万博では、子どもが飽きないように興味を引き出しながら楽しく周りたいところです。そんなときに頼りになるのが、小学校4年生と1年生のお子さんと万博を楽しむ「Erika.K」(
@eringi7210)さんが作成した『予約なしでも子どもと楽しむ万博MAP!』です(こちらもつじさんのマップから作成されています)。
「思い立って万博へ行こうと思ったので、7日前抽選には間に合わず、3日前先着でも予約が取れませんでした。当日予約も厳しそうだったので、予約0で、パビリオンに長時間並ばなくても、楽しめることはないか個人的に調べたのがきっかけでした」とErika.Kさん。最初は手書きでしたが、子連れで予約が取れない人に役立つかもしれないとマップ作成にいたったとのこと。
地図上には、パビリオンに入場しなくても外にスタンプがあるパビリオンが黄色の枠でわかるようになっています。たくさんあるので、子どもと一緒にスタンプを集めていたら、あっという間に会場を1周できちゃうかも。
ほかに、子どもが遊べる場所と内容も地図上で番号表記されています。「暑い時期でのおすすめの遊べる場所は、いのちのパークのミストです。想像しているより、真っ白になるくらいミストが出るので、子どもが大はしゃぎです。(ただ、ステージイベントなどをしている時間のミストはお休みでした)」と、教えてくれました。
暑さが和らぐ「日陰」がわかるマップ
これからおそらく閉幕まで暑い万博訪問。海に囲まれているからか、意外と日陰は風があると涼しいので、適宜日陰での休憩を挟みたいところです。そこで役に立つのが「うしがらさんしょ」(
@usigarasan)さんの『日陰&雨宿りマップ』です。
うしがらさんしょさんは、オープン初日に大雨にあったことから、この地図の制作にいたったそう。その後、暑い時期になり必要性を感じてマップを作成&公開しました。「熱中症に気をつけて、このマップで少しでも快適に万博をお楽しんでいただければ最高です」と話されています。
地図は、大屋根リングの下を中心に「日陰&雨宿り」場所を緑色で表示するほか、エアコンもある場所は水色、なんとなく涼しく感じる場所は黄緑、パラソル位置は緑丸、さらに地図の周りにはどんな場所かわかる画像が載せられています。
こちらの地図もネットプリントに対応しているほか、うちわバージョンも用意されています。
万博ビール巡りにもってこいの「世界のビールマップ」
国ごとに特徴がある料理や飲み物をいただくのも、万博の楽しみ方のひとつ。毎日飲むほどビールが大好きな「だいちぃ」(
@traveler_da1)さんが作成したのは、『万博で飲める世界のビールマップ』です(つじさんのマップから作成されています)。
ビールを販売しているパビリオンに色がついている他に、飲めるビールの画像も地図周りに掲載。ビールが冷えているかどうかも大切な情報になるので、常温販売かがわかるようになっています。さらに、すぐにビールだけ飲めるのか、レストランなどで飲むのかも一目でわかって便利。
「いろんな人に飲んで楽しんでもらいたいって気持ちはもちろん変わりませんが、今はレストランやお店の人に感謝を伝えたいからマップを常に最新に保てるよう更新したいという気持ちが大きいです。在庫確保や輸入手続き、さらにはパビリオンの完成遅れなど幾多の困難を乗り越えてビールを売ってくださっているのだから、そのご尽力に感謝したいという気持ちですね」とだいちぃさん。すでに14回以上会場に足を運んでいて、ビールマップをできるだけ更新しています。
そんなだいちぃさんが何度も飲みたいビールは、チェコのビールだそう。「中でもミルコという泡の割合が非常に多い注ぎ方のビールがとても美味しいのでまた飲みたいです」とのこと。
また、番外編ではコモンズBのフィジーのビールを売っているスタッフのお兄さんにまた会いたいのだとか。「陽気な性格が大好きで何度も足を運んでビールを買いつつ会話も楽しんでます(お兄さんは日本語ペラペラです)」ということですから、みなさんも会いに行かれてみては。
60か国のコーヒーを掲載した「コーヒーマップ」
ビールだけでなく、コーヒーも各国さまざま。「コーヒーが飲める・買える全てのパビリオンのコーヒー写真付きマップがあれば、万博コーヒー巡りに絶対便利だと思い作りました」と、『万博コーヒーマップ』を作成したのは、毎日コーヒーを淹れて飲み、深煎り好きだという「oka3219」(
@oka3219)さんです(つじさんのマップから作成されています)。
地図に掲載されているコーヒーは、7月23日時点で、なんと60カ国にもなっています。コーヒー豆の産地はもちろん、コーヒーの淹れ方やアレンジの仕方も各国それぞれ特徴があるので、休憩のためだけでなく、わざわざコーヒーを飲みに行っても楽しめるのではないでしょうか。
地図は、飲めるコーヒーの画像と、試飲か購入(価格付き)、豆販売があるかなどがわかるようになっています。通常地図の他、うちわ用の地図データも公開されています。
oka3219さんが何度も飲みたいコーヒーは、「しっかりとしたコクと苦味、ほどよいすっきりした酸味が特徴で、ストロング系が好きな私の好みの味」だというブルンジのブラックコーヒーだそうですよ。
誰もが楽しめる万博に「障害のあるユーザー用の優先入場可否マップ」
「Shin」(
@arfa57)さんが作成したマップは、『障がいのあるユーザー用の優先入場可否マップ』です。Shinさんは学生時代に視覚障害者と関わるボランティアサークルに入っていたそうで、「個人的にどのパビリオンに優先入場できるのか気になった」ことから、地図作成にいたったそう(つじさんのマップから作成されています)。
「万博に行くと、普段の外出時よりすごく多くの障がいのある人に出会います。それは万博は全ての人に開かれている場所だからだと思います。優先入場については、申し訳ない気持ちがあるという声をしばしば聞きます。障がいに対する配慮、いわゆる合理的配慮は『あったらラッキー』ではなく『なくては困る』というものです。必要であれば遠慮なく使ってください。作成したマップを使用して、楽しかった、役に立ったと思ってもらえれば、こんなにうれしいことはありません」と、Shinさんは話されています。
今回ご紹介したマップは、どれも興味のあることや好きなことに特化して個人的に作られています。多くの人が便利に使えるようにと無料で公開されていて、更新も重ねています。もしも新しい情報を見つけたら、コメントに残すことで、最新情報の収集に協力することができます。
取材・文:太田浩子
「美味しい」&「楽しい」関西の魅力をご案内。プライベートでは和菓子にハマっています。
カンテレIDにログインまたは新規登録して
コメントに参加しよう